見せ方ひとつで一見普通のことでもすごい価値に気づいてもらえる
こんにちは。メディア開発部の中山です。
若干古い話題なのですが、2023年1月、イギリスの書店がX(当時ツイッター)にとある画像をアップしたところ、大拡散されたそうです。
この画像というのがコレ。
…で? って感じですよね。
これだけ見てもよく分からないですが、これは書店のディスプレイ。
ハリー王子の回顧録『SPARE』が刊行されたときに、『HOW TO KILL YOUR FAMILY』という本を並べて展開している様子です。
キルユアファミリー……非常に物騒なタイトルの本だし、いわゆるブラックジョークというか風刺というやつですが、意味がわかるとハリー王子の本の存在感も浮き立ってきて、面白いですよね。
これはディスプレイを使った編集だと思いました。
掛け合わせ、組み合わせで付加価値が生まれています。
ただ、気をつけないといけないのは、見る人が文脈を理解できないと価値に気づいてもらえないこと。
当時のハリー王子の状況を知らないと、この組み合わせもさっぱり意味がわかりません。
で、最近、同じような効果を使ってうまくいっているのがこの本。
主題は目新しいものというより、むしろ定番で、類書もたくさん出ています。
でもそこにチャンスがあります。
「仕組みが大事」と訴える本が売れている中に、
「でも、なかなかできないよね?」と並べてみる。
すると「確かにそうだな」と興味を持ってくれる人がいました。
これが本当に面白いところで、この本が単独で置いてある書店よりも、競合する本と並べて置いてある書店のほうが、ずっと売れ行きがいいんです。
お客さんの中に、この本の価値に気づく文脈が生まれているからだと思います。
僕たちは、著者や著者のメッセージの価値を、どうやったら多くの人に届けられるか、いつも考えています。
大事なことって、意外と普遍的なことだったり、言葉にすると普通に聞こえることだったりしますよね。でもそれをそのまま本にしても、なかなか届かない。
そんなときに、価値を際立たせる編集の工夫が役立ちます。
先日、釣りに行ったのですが、「魚がいる」ところで釣るのは大前提で、魚さえいればラッキーで多少は釣れます。
例えが良くないかもしれませんが、魚がいる=ニーズ・マーケットがあることは、何かを売るときにも同じように大事ではないでしょうか。
でも、たくさん釣れるかどうかはその先の工夫次第だと思い知らされました(僕は釣りはうまくありません)。
今回は本の外側の話でしたが、中身がいいものでないと買ってはもらえません。
その辺はまた別の機会に…誰かが書いてくれるでしょう笑。
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