「面白い」をつくる人がやっている仕事の練習
ちょっと前にXでこんなことが話題になっていました。
「軽自動車に軽油を入れちゃう問題」
セルフのガソリンスタンドで間違えて入れてしまう人が結構いるみたいですね。
たしかに、まぎらわしいですよね。
だってどっちも「軽」ってつくんだから。
でもレギュラーのガソリン車に軽油を入れてしまうと
不完全燃焼を起こしてエンジン停止、修理にすごいお金がかかることもあるみたいなので、もう少し間違えにくくならないもんかと思いますよね。
これ、皆さんだったらどうやって解決しますか?
パッと考えつくのは、こんなところでしょうか。
給油ノズルに「軽油はディーゼル車専用です!」と注意書き
軽油の名前を「ディーゼルオイル」などに変える
軽油を選んだら給油機のモニターに「軽油は軽自動車には使用できません」と毎回表示させる
軽自動車の給油口に「この車はレギュラーガソリン専用です!」と注意書き
給油口の形をレギュラー、ハイオク、軽油で変えて、間違えて入らないようにする
テクノロジーの力を使えばこんなこともできそうです。
給油ノズルと給油口にセンサーを仕込んで、間違えると給油できなくする
給油機が車体の情報を読み取れるようにしてノズルが自動で選択されるようにする
さらに、乱暴なことを考えるとこうなります。
軽自動車という名称を廃止する
軽自動車そのものを廃止する
ガソリン車を廃止する
「正しい」と「面白い」
真面目に考えるとこんな感じですが、少しふざけてみましょう。
「軽自動車にはレギュラーガソリン♫」みたいな歌をスタンドで流しまくる
「セルフ給油士」の資格を取らないと使えないようにする
軽油だけめちゃくちゃ値段を高くして入れたくなくさせる
どうでしょうか。皆さんも良いアイデアが浮かびましたか?
僕はこの、ふざけてみるのが割と大事な気がしています。
視点がちょっと変わるからです。
タモリさんがこんなことを言っていました(うろ覚えです。間違っていたらゴメンなさい)。
「やる気のある奴は物事の中心しか見ない。周辺に面白いことがあるのに」
これ、本を作っているときにも同じようなことを思うんですよね。
取材で真面目なことを真面目に質問すると、真面目な答えが返ってきます。
それは正しい答えなんですが、面白くはないことがあるんです。
たとえば過去に作った本でいうと
「自己肯定感ってどうやって高めればいいんですか?」
と質問すると、すでに他の本に書いてあるようなことしか出てきません。
でも
「そもそも自己肯定感って高くないとダメなんですかね?」
と聞き直すと、違った視点の答えが出てきます。
結果「ムリに高めなくてもいいんだよ」というメッセージが読者の心を掴み、10万部のベストセラーになりました。
<練習しないと結果は出ない>
長々と書いてきましたが、実は本題はここからです。
「仕事の練習をする」
これは僕が上司に言われてハッとした言葉です。
食事に行っても遊びに行っても、
「なんでこうしないの?」
「もっとこうしたらどうだろう?」
とよく考えているそうで、職業病というか、
常に仕事のことを考えるんですねと聞いたら返ってきたのがコレです。
「いや、仕事の練習をしているだけなんだよね」
「だってスポーツと違って仕事は毎日試合でしょ? 練習しないと力が出せないよね」
僕はシビれました。
常にアンテナを張れとか、プライベートも仕事と思え、なんて言う人はたくさんいましたが、「仕事の練習をしている」と言う人は初めてでした。
普段からこうして練習して、視点のストレッチみたいなことをしているから、いい企画や本が生まれるのだと思います。
皆さんも売れている本を読んだら、チェックしてみてください。
そこには「正しい答え+新しい視点」があって、「面白い」という付加価値がきっと生まれているはずです。
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