春風



出会った頃は
互いに見つめ合いながら
他愛もない事も
話し、笑い合っていた

春を重ねる毎に、春風に吹かれて
私たちの想いは
それに飛ばされるかのように
薄く薄く次第に彩りを奪われて

何度目かの春
あなたが去っていった後
あなたとの記憶をも
奪っていくかのような
春風

あなたの笑顔
あなたの仕草
あなたの口癖

全てを私から奪っていくかのような
春風

私の想いは
もう、2度と
言葉にできない

さよなら 春風

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