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先生は小学生

私は放送関係の仕事で女性ながらに出世コースを歩み、バリキャリと呼ばれるような仕事人生を過ごしてきた。3月に退職したばかりで、仕事のない日々にまだ慣れない。

何十年も住んでいるこの家
日中の様子は正直知らなかった。

朝、庭の手入れをしていると、
いつも同じ時間に小学生が登校していく。毎日、家の前を通る小学生があいさつをしてくれる。しだいに挨拶をする仲になり顔を覚えていく。
下校の時なんかに会うと、友達と喧嘩したのかな?とかそんなこともわかるようになる。

まさか、孫のような子供たちとの交流が生まれるだなんて想像もしていなかった。
なんとも不思議な気持ちなのだが、私の心が喜んでいることはわかった。

私が必要としていたのは、私が何者でも関係なく、顔を合わせて挨拶ができる存在だったのかもしれない。

人として当たり前の悦びはここにあったのかとハッとさせられ、70歳の出逢いはまだまだ私に気付きをくれるのだった。

それを教えてくれたのこの子たち。
そう、先生は小学生。

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