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2024年2月の記事一覧
1日の終わりに。2024.2.28
頭痛く
少しばかり夜空を見上ぐ
木の枝越しに月見えき
枝と月の交差するほど
枝の向かふなる月が
枝押し退けく
遠くの
やわらかなる月明かりは
ひととき
痛みを忘れさせき
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頭が痛くて
少しだけ夜空を見上げる
木の枝越しに月が見えた
枝と月が交差する時
枝の向こうにある月が
枝を押し退けてくる
遠くの
やわらかな月明かりは
ひととき
痛みを忘れさせてくれ
1日の終わりに。2024.2.26
朝靄が川の上に浮かぶ
おとぎばなしのごとく
映画の一みぎりのごとく
朝日にうつろひて
影のごとく
陽の光は靄の対比を映す
いづこか別の地に訪れしやと
錯覚せむほどに
例の景色は煙のなか
心も時々かくやりて靄かかる
されどそは、案外幻想やうなることなるかもしれずと思はば
少しばかり救はる
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朝靄が川の上に浮かぶ
おとぎばなしのようで
映画のワンシーンのよ
1日の終わりに。2024.2.23
黄金かぶ
黄金色のうつくしき色は
中までもうつろへり
甘味があひて
煮物に向くらめど
我は此度は焼き網にす
同時に大塚にんじんも焼き網に
オリーブ油と塩胡椒にたまへむ
紫カラシ菜はやがて芳香酢(バルサミコ酢)に
ライ麦のカンパーニュは蒸籠蒸しに
自然の恵みをやがて食ふと
優しさに包まる
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黄金かぶ
黄金色のかわいい色は
中までも染まっている
甘味があって
1日の終わりに。2024.2.19
若菜摘み
早春の花茎、待ち迎える
フフキ求むるも見出せず
侘びしき日頃経る
此の頃有りなむ
帰宅して庭を探す
たった4つ
香気とほろ苦さ押し詰める
蕗味噌にす、何よりのご馳走
若菜摘みはいつの世も
早春の野遊び
時は流れていずれ迎春の七草へと発展するのであった
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若菜摘み・・・春の野に出て芽生えたばかりの若菜を摘むこと
待ち迎える・・・待っていてそれを
1日の終わりに。2024.2.18
庭の月桂樹
木の枝払うも
取り敢えず伸ぶ
料理に使うには幾らともなし
殆と燃やす
焚く時の香りがこの上なく癒しである
焚く時、心を鎮めやすらかに保つを助く
息の緒の不調もまたやすらかなる
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取り敢えず・・・あっという間に
幾らともなし・・・大量、数多い
焚く・・・燃やす
息の緒・・・呼吸
1日の終わりに。2024.2.16
珍かなる景色
富士の嶺のみ晴れるは多かることぞかし
小暗し厚らかな雲の彼方面
隙間に富士の嶺のみ明るく
けざけざと存ず
珍かな一刹那
思わずシャッターを切る
雲に隠る富士もまた美しい
その姿は世と共
地主の神
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多かることぞかし・・・よくあることだ
小暗し厚らかな・・・薄暗くて厚みのある
彼方面・・・向こう側
けざけざと存ず・・・くっきりと存在する
一刹那・・
1日の終わりに。2024.2.14
七日前は仄暗し(ほのぐらし)朝
卯の三つ時
山峡(やまかひ)より降り注ぐ天日
玄関より差し出づ(さしいず)
紛らわしく、心ならず眉をひそむ
尚尚、陽の光を浴びようと、体は自然と東へ差し向く
冷え入る空気の中
お日様はあたたかく微笑む
あーぽかぽかあたたかい
気温は零度
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仄暗し・・・薄暗い
卯の三つ時・・・朝6時から6時半
山峡・・・山と山の間
差し入づ・・・外に