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1日の終わりに。

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1日の終わりには、その日のことを思い返す時間がある。
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2024年2月の記事一覧

1日の終わりに。2024.2.29

1日の終わりに。2024.2.29

閏年のみ売り出さるる本
「渡り鳥」

四年の月日を経よ
また手にす

通称鴎と呼べり
表紙に空押しに渡り鳥のごとき線画が鴎に見ゆれば

岩谷のめでたき文が八頁
三百五十八頁は余白

二千二十年よりの四年間
その余白には心の暴走書き留めき
麗しき言の葉も書き留めき

二千二十四年よりの鴎には
おのれのごとき言の葉をとぶらひつつ
旅すべく余白と戯れむ
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閏年にしか発売されない

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1日の終わりに。2024.2.28

1日の終わりに。2024.2.28

頭痛く
少しばかり夜空を見上ぐ

木の枝越しに月見えき

枝と月の交差するほど
枝の向かふなる月が
枝押し退けく

遠くの
やわらかなる月明かりは
ひととき
痛みを忘れさせき

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頭が痛くて
少しだけ夜空を見上げる

木の枝越しに月が見えた

枝と月が交差する時
枝の向こうにある月が
枝を押し退けてくる

遠くの
やわらかな月明かりは
ひととき
痛みを忘れさせてくれ

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1日の終わりに。2024.2.26

1日の終わりに。2024.2.26

朝靄が川の上に浮かぶ

おとぎばなしのごとく
映画の一みぎりのごとく

朝日にうつろひて
影のごとく
陽の光は靄の対比を映す

いづこか別の地に訪れしやと
錯覚せむほどに
例の景色は煙のなか

心も時々かくやりて靄かかる

されどそは、案外幻想やうなることなるかもしれずと思はば
少しばかり救はる

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朝靄が川の上に浮かぶ

おとぎばなしのようで
映画のワンシーンのよ

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1日の終わりに。2024.2.25

1日の終わりに。2024.2.25

けふはまた雪かと
春と冬混在す

ホトケノザにあまたのその上に
雪舞ふ

寒さに縮こまる草花
その奥に咲く水仙もつと忍べり

雪はとけ
水となり
晴れを待つ

その繰り返しは
時々折節狂ふべく感ず

そうとて節折は生きたり
そうとて我も生きたり
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今日はまた雪かと
春と冬が混在する

ホトケノザでいっぱいのその上には
雪が舞う

寒さで縮こまる草花
奥に咲く水仙もじっ

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1日の終わりに。2024.2.23

1日の終わりに。2024.2.23

黄金かぶ
黄金色のうつくしき色は
中までもうつろへり

甘味があひて
煮物に向くらめど
我は此度は焼き網にす
同時に大塚にんじんも焼き網に
オリーブ油と塩胡椒にたまへむ

紫カラシ菜はやがて芳香酢(バルサミコ酢)に

ライ麦のカンパーニュは蒸籠蒸しに

自然の恵みをやがて食ふと
優しさに包まる

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黄金かぶ
黄金色のかわいい色は
中までも染まっている

甘味があって

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1日の終わりに。2024.2.22

1日の終わりに。2024.2.22

砂利の上の水溜まり
水の輪重なる

波紋を思ひやる
水切りの水紋
忍者の水蜘蛛
池に落ちしは大いなる深水波
いづれもが波紋

けふは雨音が波紋となり
目に見ゆ
自然界の規則的なることを教ふ

その露の間切り取ると
雨音きこえくめり

大小の雨紋も
次より次へとわたりて
かたみに妨ぐるがなく
吸収することもなく
ありあへることを知る

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砂利の上の水溜まり
水の輪が重

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1日の終わりに。2024.2.21

1日の終わりに。2024.2.21

大塚にんじん
「のっぷい」と呼ばるる肥沃に
きめの細かき土壌におきて作らるるにんじん

濃き鮮紅色に独特の風味と甘さ
太く長く刈り取り時には八十cm際にもなる

滋養も多きにんじん

訳アリにんじんも旨さも滋養もうつろはず

この不揃いに不束なる形は
自然まかせにあはれにかしづかれけむ

やむごとなくたまふ

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大塚にんじん
「のっぷい」と呼ばれる肥沃で
きめが細か

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1日の終わりに。2024.2.20

1日の終わりに。2024.2.20

今日は、二十二℃

上着を着たると
暑きほどの陽気になりきなと
鳥の声と共におどろく

ひとくひとくと鳴くはホトトギス

ピーチクパーチクと鳴くや何ならむ

おどろかば梅の花も咲けり

少し疾きまめやかなる春の訪れに
野花をとぶらふと
ホトケノザもかたがたなり

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今日は、22℃

上着を着ていると
暑いほどの陽気になったなと
鳥の声と共に気づく

ホーホケキョと鳴くのは

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1日の終わりに。2024.2.19

1日の終わりに。2024.2.19

若菜摘み
早春の花茎、待ち迎える

フフキ求むるも見出せず
侘びしき日頃経る

此の頃有りなむ
帰宅して庭を探す

たった4つ
香気とほろ苦さ押し詰める
蕗味噌にす、何よりのご馳走

若菜摘みはいつの世も
早春の野遊び

時は流れていずれ迎春の七草へと発展するのであった

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若菜摘み・・・春の野に出て芽生えたばかりの若菜を摘むこと

待ち迎える・・・待っていてそれを

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1日の終わりに。2024.2.18

1日の終わりに。2024.2.18

庭の月桂樹

木の枝払うも
取り敢えず伸ぶ

料理に使うには幾らともなし
殆と燃やす
焚く時の香りがこの上なく癒しである

焚く時、心を鎮めやすらかに保つを助く

息の緒の不調もまたやすらかなる

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取り敢えず・・・あっという間に
幾らともなし・・・大量、数多い
焚く・・・燃やす
息の緒・・・呼吸

1日の終わりに。2024.2.17

1日の終わりに。2024.2.17

徒然草211段を読む

「よろづの事は頼むべからず」というように

人の頼めしものの皆
上の空なることと説く

頼み過そす(たのみそす)恨み
財多しとして頼めばいつしか失う
才ありとて孔子も不遇

身をも人をも頼まざれば
是なる時喜び、非なる時恨まず

人は天地の奇し(くすし)天地は無限
人の心異ならん

寛大にして、限界なければ
情乱れず人に煩わず

それ為り難し

情あり然れば
先途は一条の光

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1日の終わりに。2024.2.16

1日の終わりに。2024.2.16

珍かなる景色

富士の嶺のみ晴れるは多かることぞかし

小暗し厚らかな雲の彼方面
隙間に富士の嶺のみ明るく
けざけざと存ず

珍かな一刹那
思わずシャッターを切る

雲に隠る富士もまた美しい

その姿は世と共
地主の神

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多かることぞかし・・・よくあることだ
小暗し厚らかな・・・薄暗くて厚みのある
彼方面・・・向こう側
けざけざと存ず・・・くっきりと存在する
一刹那・・

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1日の終わりに。2024.2.15

1日の終わりに。2024.2.15

全ての疲れを吐き出したように
眠り続けた

何もせず
ただ眠る
12時間

時は昨日の夕方のまま
朝を迎えた

1日の終わりに。2024.2.14

1日の終わりに。2024.2.14

七日前は仄暗し(ほのぐらし)朝
卯の三つ時
山峡(やまかひ)より降り注ぐ天日

玄関より差し出づ(さしいず)
紛らわしく、心ならず眉をひそむ

尚尚、陽の光を浴びようと、体は自然と東へ差し向く

冷え入る空気の中
お日様はあたたかく微笑む

あーぽかぽかあたたかい
気温は零度

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仄暗し・・・薄暗い
卯の三つ時・・・朝6時から6時半
山峡・・・山と山の間
差し入づ・・・外に

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