文梨 麻

【ナース+陶芸】日常の中にある特別ではないことが幸で福。だから、毎日を手厚く生きたい!…

文梨 麻

【ナース+陶芸】日常の中にある特別ではないことが幸で福。だから、毎日を手厚く生きたい!自由とは?言葉とは?自分とは?生きるとは?私を構成する全てのものが解けるまで、日々を手書き記してゆく所存です

マガジン

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    季節のものや、一年を通した手仕事や道具を愛でています。

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    1日の終わりには、その日のことを思い返す時間がある。

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    自由なことして遊んだり、はじめてすることの記録を兼ねて遊び場作ったよ。

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記事一覧

1日の終わりに。2024.4.3

線路沿い 春の雨に滲む街灯 桜も霞み 桜狩り心地にかず ふと見上げば 山の中腹に松明の点火  それもまた心もとなと滲めり 春の雨は苦手なり ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖…

文梨 麻
1か月前
6

1日の終わりに。2024.3.31

春の筍三昧 生の筍のチクチク にほひと食感、味 らうたくたくましきかたち 姫皮を剥ぐほどの心地よさあり 煮物に 筍ご飯に 姫皮のぬたに ころのほかに手に入らぬもの 五…

文梨 麻
1か月前
8

立春以降の長い木(こ)の芽どき
春分を過ぎても、気温の変化に随分とやられていました。年度最後の今日は少しばかり体調が戻ってきたようです。

文梨 麻
1か月前
3

1日の終わりに。2024.3.24

一年分、食ふ分ばかり 手前の味噌を仕込む わらはの小さきほどは わらはの手に混ぜさせ 敷き詰めし後 表面を触らせて わらはの手のひらの菌をつけたりき 今には我がほか…

文梨 麻
1か月前
9

1日の終わりに。2024.3.23

廿年より上も前に作りし土鈴の招きねこま 右手は招きたらで 頭の上に乗せたるが相 全く原型なれば 網にとぶらひてもてもその心はいでゆかず 時を経よ 何かしっくりくる心を…

文梨 麻
1か月前
5

ゆずぷーあるちゃの手仕事

柚子をくり抜いて 天日干しにし プーアル茶を詰める それをまた天日干しする カラカラになるまで 何度も干して 何年も熟成させる が、ちっとも待てないので 2ヶ月も経て…

文梨 麻
1か月前
8

1日の終わりに。2024.3.20

柚子をくり抜きて 普洱茶を詰む 幾度も天日干しして そろそろ良きやと ゆず普洱茶を淹れる 洗茶、一煎目、二煎目と続く 年月は経たらずとも 柚子のにほひと共に ふくよか…

文梨 麻
1か月前
2

2024.3.18

強風があらゆるものを飛ばしゆく お菓子の缶の蓋 ジョウロに桶 木の枝をも折り 鳥をも飛ばしゆく 髪の毛は顔覆ひ前見えず 口の中まで入りく 一日、風に体力を奪はれしほど…

文梨 麻
1か月前
4

1日の終わりに。2024.3.17

新酒の折節に利き酒 蔵開きへ出向く 軒先には杉玉 杉の穂先を球状にせる造形物は良き酒うようにと願掛けられたり 酒蔵のほかにえ飲まぬ原酒を 見、にほひ、味わひ やをら…

文梨 麻
1か月前
4

1日の終わりに。2024.3.16

暖かしな おどろかば、地面は春真っ盛り のらぼう菜は椋鳥に食はれ きはは一面オオイヌノフグリとホトケノザ かくて、いと恋しきオルレア この小さきちいさき花弁と花びら…

文梨 麻
1か月前
5

1日の終わりに。2024.3.13

さる山の頂より見る富士山 母よりのLINEは日ごろ絶景 またけふもアイゼンに登山に出向けることを知らするLINEの音 今年、喜寿を迎ふる足は なほ山登り 今年もまた高山を…

文梨 麻
1か月前
2

1日の終わりに。2024.3.11

桜の蕾を見る折節になりしやと ぽかぽか暖かくなりしあしたに 眺め眺め風の冷たきあしたに 桃色の膨らみを らうたく思ふべきけふのおのれに 少し思ひ弛む さだめて、おど…

文梨 麻
1か月前
5

1日の終わりに。2024.3.10

目所狭くののしれ ここなるぞとて証のごとく 
我らはさる弱くは無き されどこはくもあらねば 
なれば泣くべきなり かたはらいたき事ならず 
明日のある人のみうる事な…

文梨 麻
1か月前
5

1日の終わりに。2024.3.9

掛川城の天守閣より見下ろすべき茶室 二の丸茶屋 羽生と藤井の対局も行はれしに 主菓子の羊羹と なれくらさぬのお抹茶をたまふ 隣には小さき男の子 しかと正座し、手をつ…

文梨 麻
2か月前
4

1日の終わりに。2024.3.7

いだし殻の昆布、あご、鰹節 ミルに粉末にしふりかけにし いだし粉にて再用ゐ 余すことなくたまふ うることのみうれど みづから飽きの中には十分エシカルに持続能ふなり …

文梨 麻
2か月前
7

1日の終わりに。2024.3.6

暖冬の年は雪よく降る 春のまだらな雪景色 春の雪はあらまし外に易く消ゆ 昔、卯月に振りし雪の日を思ひ出す ちょうど入学式 雪の積もる木の前に制服さまに立つ兄と姉 …

文梨 麻
2か月前
4
1日の終わりに。2024.4.3

1日の終わりに。2024.4.3

線路沿い
春の雨に滲む街灯
桜も霞み
桜狩り心地にかず

ふと見上げば
山の中腹に松明の点火 
それもまた心もとなと滲めり

春の雨は苦手なり

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線路沿い
春の雨に滲む街灯
桜も霞み
花見気分にはなれない

ふと見上げれば
山の中腹に松明の点火 
それもまたぼんやりと滲んでいる

春の雨は苦手だ

1日の終わりに。2024.3.31

1日の終わりに。2024.3.31

春の筍三昧

生の筍のチクチク
にほひと食感、味
らうたくたくましきかたち
姫皮を剥ぐほどの心地よさあり

煮物に
筍ご飯に
姫皮のぬたに

ころのほかに手に入らぬもの
五感に旬を味はふ恵

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春の筍三昧

生の筍のチクチク
香りと食感、味
愛らしくたくましいフォルム
姫皮を剥ぐ時のきもちよさがある

煮物に
筍ご飯に
姫皮のぬたに

時期にしか手に入らないもの

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立春以降の長い木(こ)の芽どき
春分を過ぎても、気温の変化に随分とやられていました。年度最後の今日は少しばかり体調が戻ってきたようです。

1日の終わりに。2024.3.24

1日の終わりに。2024.3.24

一年分、食ふ分ばかり
手前の味噌を仕込む

わらはの小さきほどは
わらはの手に混ぜさせ
敷き詰めし後
表面を触らせて
わらはの手のひらの菌をつけたりき

今には我がほかに触る人あらず

ただ、歳をとりしために
おばあの屯食のごとく
旨みがいだすべかるべくなれるやもと
おのれの手のひらに淡き頼み持ち
味噌を寝かす

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一年分、食べる分だけ
手前の味噌を仕込む

子供が

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1日の終わりに。2024.3.23

1日の終わりに。2024.3.23

廿年より上も前に作りし土鈴の招きねこま
右手は招きたらで
頭の上に乗せたるが相
全く原型なれば
網にとぶらひてもてもその心はいでゆかず
時を経よ
何かしっくりくる心を持たせむやと思ふ

殿ばらにも福を招くべかるべく

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20年以上も前に作った土鈴の招き猫
右手は招いていなくて
頭の上に乗せてるのが特徴
完全にオリジナルなので
ネットで調べてもてもその意味は出てきませ

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ゆずぷーあるちゃの手仕事

ゆずぷーあるちゃの手仕事

柚子をくり抜いて
天日干しにし

プーアル茶を詰める
それをまた天日干しする

カラカラになるまで
何度も干して
何年も熟成させる

が、ちっとも待てないので
2ヶ月も経てば良いかと
カラカラに乾燥したので良しとする

ゆずプーアル茶を
淹れてみる

ティーポットがないので
計量カップで。
洗茶→一煎目→ニ煎目と楽しめる

柚子の香りは
ニ煎目が香り高く
三煎目はゆずの苦味も味わえる

淹れた後の

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1日の終わりに。2024.3.20

1日の終わりに。2024.3.20

柚子をくり抜きて
普洱茶を詰む
幾度も天日干しして
そろそろ良きやと
ゆず普洱茶を淹れる
洗茶、一煎目、二煎目と続く

年月は経たらずとも
柚子のにほひと共に
ふくよかなる味す

急須はあらねど
計量升にてもありぬべきやと思はば
目にも楽しむべし

この一息が一日の終はりにてありぬべかりき

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柚子をくり抜いて
プーアル茶を詰める
何度も天日干しをして
そろそろ良い

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2024.3.18

2024.3.18

強風があらゆるものを飛ばしゆく
お菓子の缶の蓋
ジョウロに桶
木の枝をも折り
鳥をも飛ばしゆく
髪の毛は顔覆ひ前見えず
口の中まで入りく

一日、風に体力を奪はれしほど
風止む

さる時なりき
雲も無くなり
富士山があざあざうちいづ

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強風があらゆるものを飛ばしていく
お菓子の缶の蓋
ジョウロにバケツ
木の枝をも折り
鳥をも飛ばしてゆく
髪の毛は顔を覆い前が見えな

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1日の終わりに。2024.3.17

1日の終わりに。2024.3.17

新酒の折節に利き酒
蔵開きへ出向く

軒先には杉玉
杉の穂先を球状にせる造形物は良き酒うようにと願掛けられたり

酒蔵のほかにえ飲まぬ原酒を
見、にほひ、味わひ
やをら、ねんごろに嗜む

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新酒の季節に利き酒
蔵開きへ出向く

軒先には杉玉
杉の穂先をボール状にした造形物は良い酒ができるようにと願が掛けられている

酒蔵でしか飲めない原酒を
見て、香り、味わい
ゆっ

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1日の終わりに。2024.3.16

1日の終わりに。2024.3.16

暖かしな
おどろかば、地面は春真っ盛り
のらぼう菜は椋鳥に食はれ
きはは一面オオイヌノフグリとホトケノザ
かくて、いと恋しきオルレア
この小さきちいさき花弁と花びらがすだきて
葉っぱはディルのごとく
細かなる集合体は美しさ満載

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暖かいな
気づけば、地面は春真っ盛り
のらぼう菜は椋鳥に食べられ
辺りは一面オオイヌノフグリとホトケノザ
そして、大好きなオルレア
この

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1日の終わりに。2024.3.13

1日の終わりに。2024.3.13

さる山の頂より見る富士山
母よりのLINEは日ごろ絶景

またけふもアイゼンに登山に出向けることを知らするLINEの音

今年、喜寿を迎ふる足は
なほ山登り
今年もまた高山を志す

自然界の全てと行合ふために

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とある山の頂から見る富士山
母からのLINEはいつも絶景

また今日もアイゼンで登山に出向いていることを知らせるLINEの音

今年、喜寿を迎える足は

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1日の終わりに。2024.3.11

1日の終わりに。2024.3.11

桜の蕾を見る折節になりしやと
ぽかぽか暖かくなりしあしたに
眺め眺め風の冷たきあしたに

桃色の膨らみを
らうたく思ふべきけふのおのれに
少し思ひ弛む

さだめて、おどろかばすはといふ間に満開の日を迎へむ

月日は流れ

さだめて、おどろかばけふの日を
え思ひ出さぬほど
歳を重ぬらむ

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桜の蕾を見る季節になったかと
ぽかぽか暖かくなった朝に
ビュービュー風が冷たい

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1日の終わりに。2024.3.10

1日の終わりに。2024.3.10

目所狭くののしれ
ここなるぞとて証のごとく

我らはさる弱くは無き
されどこはくもあらねば

なれば泣くべきなり
かたはらいたき事ならず

明日のある人のみうる事なれば
明日へのしるしなれば

すは息を吸ひてはきて生きたり
一歩一歩 歩めり

たださほどにてありぬべし…

安穏。 我らはすがらにここなるぞ

なればさながらさらけいだして
いで胸を張りて言ふべきなり

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1日の終わりに。2024.3.9

1日の終わりに。2024.3.9

掛川城の天守閣より見下ろすべき茶室
二の丸茶屋
羽生と藤井の対局も行はれしに
主菓子の羊羹と
なれくらさぬのお抹茶をたまふ

隣には小さき男の子

しかと正座し、手をつきておじぎす

お茶請けのことわりを聞きて
折節をもちて違ふぞかし?と
話せり

始めにお菓子を食ふことも知れり

その手は濃茶と羊羹のうまさを上回りけり

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掛川城の天守閣から見下ろせる茶室
二の丸

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1日の終わりに。2024.3.7

1日の終わりに。2024.3.7

いだし殻の昆布、あご、鰹節
ミルに粉末にしふりかけにし
いだし粉にて再用ゐ
余すことなくたまふ

うることのみうれど
みづから飽きの中には十分エシカルに持続能ふなり

なるべく、なるべく
人にてさあらばや

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出し殻の昆布、あご、鰹節
ミルで粉末にしてふりかけにしたり
出し粉として再利用
余すことなくいただく

できることだけしかできないけど
自己満足の中では十分エ

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1日の終わりに。2024.3.6

1日の終わりに。2024.3.6

暖冬の年は雪よく降る
春のまだらな雪景色

春の雪はあらまし外に易く消ゆ

昔、卯月に振りし雪の日を思ひ出す
ちょうど入学式
雪の積もる木の前に制服さまに立つ兄と姉

その時の雪もまだら綾なりき

椋鳥もまた雪かと枝にゐる

我もまた雪かと影を撮る

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暖冬の年は雪がよく降る
春のまだらな雪景色

春の雪は予定外で簡単に消える

昔、4月に振った雪の日を思い出す

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