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記憶の水を泳ぐように楽しむ「記憶のカケラの浮き輪」という本を作った。

ひとは体験したことをたくさん身体の中で覚えている。覚えてる記憶が残っていて、ただ思い出せなくなっている(記憶が検索出来なくなっている状態)場合、きっかけさえあればまたふっと思い出せるらしい。

なんだか素敵な仕組みが身体の中にあるのだなぁと勉強したときに思いました。

「言葉」は記憶を探す手がかりになるなぁと、いつも本を読んで思います。そこで曖昧でほんわり記憶を探しに行ける言葉を集めて小さな物語を作り始めた。

言葉のリストは以下にまとめています。

物語に深く意味があるのではなく、物語の中に記憶の水の中を泳ぐのに使う「浮き輪」のような言葉を隠しておく。小さな物語を読んでいると、たまにふっと記憶にリンクする。そして眠っていた思い出をほわっと思い出す。

そんな遊びです。

なるべく小さい方が良いなと思って家にあったM6のリフィルで印刷、製本して本を作りました。とても小さな本です。そこに物語だけが印刷されています。

言葉の番号と3行の小さな言葉だけが印刷されています。


思い出をほわっと思い出しながら、空いているスペースにマステで挿絵のようにコラージュを作っていく。ちょっとノスタルジーでちょっと癒される時間。

過去の思い出と今日の「コラージュを楽しんだ」という記憶を混ぜて、新しい思い出を本に集めていく。同じ物語でも、コラージュは毎回変化するので、何回作っても世界に1冊しかない本に仕上がります。

この本のように同じ物語だったとしても、それぞれが持っている思い出や記憶は違うもの。すべての人には、大切な記憶がたくさん身体の中に詰まっていて、それは誰かからプレゼントされた記憶かもしれないし、自分で頑張って手に入れた記憶かもしれない。記憶が今日を作っているのだと、勉強して思うようになりました。

私という人が今の私になるには、この生きてきた時間と経験と記憶が全部必要なんだなぁ。そう思うと、この本のように同じコラージュは二度とできないので、「たった1冊しかない本」と同じく、「たったひとりの人」なのだと感じました。

この本で遊んでいるとたくさんのノスタルジーに会えるのと、自分を大切にしたくなります。遠くにいる私が浮き輪にのってぷかぷか遊びに来る。

優しくて記憶で遊べるかわいい手帳のような本が仕上がって満足です。製品を作るのに余ったM6のカケラリフィルを、無線綴じ製本機で製本するだけなので端材の有効活用もでき、家で好きなときに本が作れます。表紙も好きな紙を選べるので良い感じ。

自分のために作る文具。やっぱりたのしいなぁ。幸せです。


ASANEL
私が欲しくて使いたいオリジナル文具だけを作る文具ブランド。
ブランド名の由来は「朝、寝る。」すごく夜型。
https://www.asanel.net

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