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絵日記|愛の鳥 /「好き」は言語化できない


結構ニッチなのかもしれないけど、
シロカツオドリを語れる人がいたら、ぜひお酒を飲み交わしたい。そのくらい大好きな鳥がいる。

こんな鳥。
大好きであるから、絵に描いた。
自分にしては大きな絵だった。木枠にホワイトワトソンの紙を水張りして、アクリルガッシュで短時間で仕上げた。

いつまで経っても描けない絵もあれば、一瞬で描けてしまう絵もある。


特に親しみやすいわけでも、特別可愛い見た目をしているわけでもないのに、なぜ好きなのかよくわからない。夫に自分のどこが好きなのかしつこく尋ねても一向に答えが聞けないのと同じで、本当の好きはきっと言語化できない。(ということにしておこうか)


敢えて言うならば、実際にこの足で会いに行ったというのはあるかもしれない。初めてのエアビーで宿をとって、朝がどうしても苦手であるのに、その日はAM6時前には彼らの巣の近い海岸にいた。

普段の私なら滅多に見ることのない朝日は、あまりにも綺麗だった。そのとき、頭のなかでは静かに家族のことを考えていた。

@North Berwick, Scotland


あるときは油絵でも描いてみた。
小さなキャンバスを2つ並べて、ペア画として制作した。
ある一羽が白い羽を咥えて巣に帰ってくるという、うそみたいな美しい光景があったのだ。

この真ん中の子は、よーく見ると羽を咥えている


この鳥について描こうとするとき、そのテーマはいつも愛になる。
シロカツオドリの持つワイルドさや獰猛さ、優雅さみたいな側面じゃなく、家族愛を描きたくなる。

見てください、見ていられないほどの親密さを。



冒頭のアクリル画は、縦長で収まりが良いので、我が家のリビングに飾っている。私たちが会話したり喧嘩したり、一緒にご飯を食べたりする場所で、高く空に向かってくちばしをあげている。


photo credit: asana

1枚目の絵:
Offensive love, 画用紙にアクリル
2枚目の絵:
interaction, キャンバスに油彩

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