見出し画像

2023年のまとめ

大層なタイトルで銘打っているが言うほどnoteに投稿してないしだからと言ってここに書いてない私生活を曝け出す勇気もモチベーションもないので案外さらっとした内容になっている。心配しないで読み進めていただいて大丈夫。

ここ一週間は比較的時間に自由があって映画とドラマを貪り食うように見ていた。しかしこの時間は色々な人の犠牲の上に成り立っている故にいつも頭のどこかに背徳感がよぎってしまい真にリラックスしていたわけではないのだが、それでも有意義だったと言わざるを得ない。ドラマワンクール終わった直後に別のドラマをワンクールこなせるくらいの自由であった。私が犠牲にしたのはせいぜい睡眠時間くらいである。

そういう事をしていて「ああなんか年末っぽい事してんな」と思った。私の仕事は年末年始がひく程忙しい。社会に生きてある程度の人間関係を構築している人であれば年末年始というのはただでさえバタバタする。故にこの季節は師走と呼ばれている。そこへ来て一年で一番仕事が忙しくなるのが私の職種。師走どころか羽根が生えていれば飛んでいきたいくらい。いっそどこか飛んで行きたいといつも思う。

そんな中で久しぶりに自由な時間を獲得し忙しいなりに贅沢な時間の使い方をさせてもらった気がする。感謝したい。犠牲になった皆様へ。

さて、いくつか見たドラマや映画の中でこれは!と思うものがあったのでそれらの感想を交えながら今年の締めくくりができれば良いなと思う。良ければお付き合いをして時間を浪費してもらいたう。今の時期にこれを読んでいる貴方もきっと走っている人だから。

VIVANT

海外のスパイ映画に半沢直樹をぶち込んだ様な作品。大ヒットしたという話だが周りで見ている人間の評価は中の下。

バルカという架空の国をモンゴルで撮影しスケールの大きさを表現している。俳優にも現地の人を大勢使い外国語でのやり取りも長尺でありテレビドラマとしては大胆な実験をかましたなと思った。しかし重要人物は日本人を起用せざるを得ないのでそれっぽい人を選んでいる。モンゴルの近くにあるという設定だから顔が日本人でもまあいけなくはないなと思ったがやはり見慣れた人が外人のフリ、下手っぽい日本語で話すとシリアスな場面なのにコントっぽくなってしまうのが残念だった。こんなに壮大な海外ロケやるならキャストにもいっそ振り切ってしまえと思ったが人気俳優は金がかかるのだろう。でも流石に二宮和也が現地人設定は無理があるだろう。

元公安の人間が監修しているというだけあってリアルな描写も多いが主役はあくまで別班なのでせっかくならもっと公安の事を描いて欲しかったと思った。

人によって評価は別れるが世間では概ね大ヒット。しかし堺雅人、日曜日に擦られ過ぎてやしないか?


BAD LANDS

Netflixがやたら安藤サクラ推しでくるのでついつい観てしまった映画。うーんジャニーズか…と思って期待していなかったがなかなかどうして。結構面白いじゃないか。となった。それもそのはず、こちら原作は黒川博行。「疫病神シリーズ」などが有名な直木賞作家。大阪の下町で起こるバイオレンスな裏社会の出来事を書かせたら右に出る者はいない。

こちらも疫病神シリーズと同様、原作から大幅な改変がなされているが元々の完成度が高い作品なので観ていてシンプルに面白い。特に西成周辺で労働者の人たちが出て来る場面。実際にYouTubeで有名な現実の西成住民が登場するシーンがあり、直後にそれを面白半分に撮影する若者に対し安藤サクラ演じる主人公が恫喝して追い払うというのがある。これはある意味この作品自体にも対する自虐めいたものでもありなかなか面白いなと思った。見せ物じゃねえと言いつつ、まあ自分たちもやってるじゃんという。

昔から安藤サクラが個人的に好きな女優でこういう救いようの無い映画を全力でやってくれるのがまた良いなと思って観ていた。人間臭い男運の無いキャラクターをこうも生々しく演じれる女優が他にいるだろうか。実生活ではとても素敵な旦那さんと睦まじく暮らしているそうで、だからこそこの人の中にある仄暗い部分が表面化すると何とも言えないリアルな表情が浮き出てくるのだろうと思う。

産まれてからずっとどうしようもない男たちに翻弄される人生であったネリは観ていてその一挙一動に胸が締め付けられるほど痛ましい。だから良い。

終盤のだらだらした展開が退屈だったし、脚本も他の演者たちも平凡だが安藤サクラと原作の良さだけで突き抜けて良い作品になっている印象。


ブラッシュアップライフ

BAD LANDSから一転。本当に同じ人か?というくらいの振り幅を見せてくれる安藤サクラ。それでこそ女優。と思わず唸りたくなる。脚本もいまや売れっ子となったバカリズム。初期の宮藤官九郎くらいぶっ飛んでて自由な会話劇と展開についつい見入ってしまう。

ストーリーは私があえて書き記す事もないくらい人気の作品だったので割愛。まあタイムリープものと括ってしまえばそこまでだがこの作品の良さはそこではない。むしろ一般的なタイムリープものに関してはガチガチの誓約などがあってだんだん小難しい内容になっていくのがお決まりだがそこは天才脚本家。あえて難しくせずごく簡単に物語を進めていく。観ていてストレスが無い。

音楽や事象が世代ど真ん中であったという点を差し引いても高評価を付けたいドラマだった。途中のドラマプロデューサーになってブラッシュアップライフというドラマを作るというメタい話だけやや寒いなと思ったがそれ以外はかなり面白い展開だった。

市役所職員から薬剤師というのはなかなかリアルな転職だなと思ったし3回目の人生はちょっと中だるみして成績が落ちるという展開もリアルだった。

松坂桃李や染谷将太などを本筋から少し逸れたところでサラッと使っているあたりが良い意味無駄遣い感があって凄く良かった。

暇にかまけて色々ドラマを観たがこれが一番面白かったかもしれない。改めて安藤サクラのファンになってしまった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?