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2回目の経過観察を終えて

術後、2回目の経過観察で受診。


帰りに、今までやって来なかったことを何かやってみようと思い、菊水のがんセンターからバスセンター前まで歩き、徒歩であの橋を渡ってみることにした。




車や地下鉄ではもう数え切れない程渡ってきた橋だけど、歩いたことはない。

車と地下鉄以外では、19歳の時に友人の自転車の後ろに乗せて貰って朝4時に渡ったきり。


じつに、約20年ぶり。



北側の景色はまずまずだけど、南側は拓けていて綺麗に感じたのも束の間、5分の2ほど来たところで猛烈に後悔した。風が強過ぎる。




とにかく風が強い。そのせいで心なしか足元が揺れている気もする。しかもよく見てみるとめちゃくちゃ高いところを身ひとつで歩いていることに今更気付く。少し考えたら分かるのに、気付くのが遅すぎた。




怖い。どこかに掴まりたいけど、端にも寄りたくない。川に吸い込まれそうな気持ちになるから絶対寄れない。景色が綺麗とか汚いとか言ってる場合ではない。もはや生命の危機すら感じる。キャンプで夜中キツネに襲撃された時に感じた以来の生命の危機。



それでもこんなところで止まるわけにはいかない。タクシーだってここでは止まれないだろう。ここ信号の関係で車が溜まりやすいんだよね。道交法が許しても後続車が許さない。

となると、自分の足で渡るしかない。怖い気持ちに負けないよう、意識を「怖くない」に塗り替える。今にも吹き飛びそうな帽子を手に、残りの5分の3を渡り切る。


少し先の河川敷の階段に若い女性が座っていた。寒くない?風強いよね?あたたかくしてねと心の中でお節介をしていたくらいで橋を渡り切った。やり遂げた。


初めて自分の足で一条大橋を渡った。橋の名前は今調べた。この20年、この橋は「菊水とバスセンター前の間の橋」と呼んでたし友達にも家族にも、タクシーにもそれで通じた。


橋を渡る挑戦をしたことで、ひとつ賢くなったし、経験値も増えた。
でも今後はやっぱり車と地下鉄で渡ろうと思う。




次の経過観察は、1年後。

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