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楽譜の話【エッセイ】

昨日、子犬のワルツの楽譜を買ってしまった。
眠る直前の夢うつつの時に。多分Amazonで買ったと思う。後で確認してみよう。今日届くと思っていて来なかったらなんかショックだから。
楽譜は、昔は家の近所のCD屋さんで買ったものだ。あの音楽店はまだあったような気がする。私の方が引っ越したから行かなくなったが、たまには店の前を通るからだ。
そのお店で私は、ほしくもないのに荻野目洋子と南野陽子のカセットテープを買ってもらった。小学校のクラスでカラオケ大会をやると言われたが、その頃の私は歌謡曲など知らなかったから何か聞く必要があった。本当に無用な買い物だった。
私が初めて好んで買ったのは、ゼータガンダムのテーマソングか、氷室京介のソロシングルだ。
さて、今から思うとそのお店には結構楽譜は置いてあったのだと思う。
クラシックをすっかり嫌いになった私は、ポピュラーピアノの楽譜を買っては弾き、弾けるようになったらまた別のを買い、と繰り返していた。
楽譜は望む物全てがあるわけでなく、弾きたかったわけではないがドリームズカムトゥルーや竹内まりやなんかのを買っていた。
そのうち1ピースのではなく、分厚い楽譜を買うようになった。
そしてようやく自分の好きな徳永英明の楽譜と巡り会うが、あまりしっくりこない。おそらく弾き語り用だったからだと思う。
ピアノ楽譜の妙味というのは、原曲のままでないところである。つまりアレンジの美しさによって弾いた時の面白みが変わる。逆に言うと、アレンジがいまひとつだと、好きな曲でも味気なく感じる。
私はいくつかの楽譜に触れるうち、これいいなと思う曲は特定の編曲者がアレンジしているということに気づいた。
良し悪しというのは、あくまでその人にとってだから、その方以外の編曲者が劣るというわけではないと思う。多分私はその方のアレンジが好みなのだと思う。
ちなみにその方は青山しおりさんという。私は名前しか知らないのだが、その方の楽譜の特長は言える。少ない音、簡潔な音で広がりを持たせる。
気になって今調べたのだが、相当な数の楽譜を出しておられるようだ。
私もピアノアレンジを作るが、あんなにたくさんの要素を盛り込むことができない。楽譜を書けないというのもあるが「その曲のどこを取り出してどう弾くか」というセンスの違いだと思う。
ピアノを一番活かすのはやはりクラシックだと思うが、その話はまたしよう。
そして今となっては、荻野目洋子の楽曲はまあまあ好きである。竹内まりやはまだ分からない。ドリームズカムトゥルーはデビュー曲だけ。
ここで今となっては良い思い出である。大好きである、などと書ければうまくまとまるのになあ。
偏屈はつらい。

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