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【妊婦飯/家族飯】朝井家流お菓子に辿り着くまでの儀式

さつまいもとカボチャを見ると、祖父を思い出します。

幼少期、我が家にお菓子やジュースはありませんでした。お菓子はたまに母が手作りしてくれるか(これは美味しかった!チーズケーキやマドレーヌなどなど)以外、買う事は無し。飲み物は牛乳のみ。夏になるとドクダミ茶(庭に生えてたやつ)が登場。家でジュースなんて見たことない・・・

悲しいのは友達と遊ぶ時。みんなお菓子持ち寄るじゃないですか。うちには無いんで持って行くものがない。だもんで「麗華ちゃんっていつもお菓子持って来ないよねー」と言われるのが嫌だったなぁ。。今考えるとよくイジメに発展しなかったもんだ(笑)

うちは同じ敷地内に祖父母の自宅がありまして。正確に言うと、祖父母の土地内に祖父母が住む一軒家と、祖父が建てた小さいアパートがあって、そのアパートに私たち一家が住んでいたという構図(祖父母死ぬまで家賃発生せず。今思うと父はそれに甘んじたとんだ親のすねかじり息子だね、まったく・・・)。

という環境下だもんで祖父母宅とは目と鼻の先。そして、その祖父母宅にはあったんですよ、お菓子が!(笑)

といっても、「おせんべい・黒糖かりんとう」のみですが。でも幼少期って何はともあれ〝お菓子〟、食べたいじゃないですか。理由は後術しますが、母からは夕飯後に祖父母宅へ行くことが許されました。

祖父に
「おせんべい食べていいー??」
と聞くと、

「じゃあ、まずは薬からね」

ここから毎回恒例の『お菓子を食べるまでの儀式』が始まります。

牛乳コップ一杯

いりこ(出汁とか取るのに使う小さい鰯)3~5匹

チーズ(プロセスチーズ)ひとかけら

さつまいもorカボチャをふかしたもの

この一連を経て、やっと、やっと、〝お菓子〟がもらえます。
(しつこいですが、といっても、おせんべいか黒かりんとうですけどね・・・)

祖父曰くは、これらは『薬』
体を健康に保つための薬とし、自身も毎食前にこれらを入れてから食事に臨んでいました。あとこれに加え、祖父はバナナも。(おかげで私は20代まではバナナ・さつまいも・カボチャは嫌いじゃないけど自ら好んでまでは積極的に食べなかった(笑))

たまに頂き物で祖父母宅には「おまんじゅう」があったりしたのですが、これもまたおもしろいことに、祖母はそれを「冷凍」しちゃうんですね。まぁあまり食べる習慣がないから賞味期限内に食べきれないってのが理由だったかもしれません。

「ばあちゃんのおまんじゅう、食べたい」
と言うと大体は「お客さん用だからダメ」と言われましたが、ごくまれに許可が降り。しかしその時は、上記の儀式にさらに『薬』が加わります。それは↓↓

海苔1枚
完熟トマト(祖父が総入れ歯だったので柔らかくなった野菜ばかり)

どうですか。
ウケない??

そしてなぜ母が祖父母宅へ行くのを許可するのが夕食後だったかというと、

夕食を食べる量が少ないと父に殴る蹴るの暴行を加えられるから

です。九州男児の父は口より手が早く。いや、こういったら全九州男児に申し訳ないな。体罰しない親だって九州人にはいっぱいいますからね。ではもとい。うちの父は口下手なことも手伝ってか、何かと暴力をふるう人で。子どもが少しでも夕食を食べる量が少ないと、

「ご飯前に何か食ってきたんか?」
と問うや否や弁解の余地なく殴られていました。(ちなみに父は、九州地区の記録保持な歴史を持つ重量挙げ選手。パンチ力もハンパないっす。)

というわけで、まだ自分で自分自身のお腹の許容量を判断出来ない幼子な私達には理由は理解できずとも「じじばば宅に行って良いのは夕飯の後」と母に刷り込まれていたのです。

こう振り替えってみると「うちって変」と思うし、幼少期は本当に嫌だったけど、これが私(や妹)の強い体作りになっていたことは紛れもない事実だと大人になった今、思う(この薬の儀式が緩和された歳の離れた弟はひ弱だもんなぁ)。

①夕食前にお菓子を食べない
友達と遊んだ時、友達がくれるお菓子を食べたらその分、夕食が入る量が減る→父に殴られる→怖い・痛い・泣く→なるべくしなくなる

ということは・・・
お菓子が家にあるお友達たち、ご飯前にお菓子を食べることを許されているお友達たちって、その分夕飯食べる量が減るけどそれを親は許容していたってことですよねぇ。そのお菓子が健康に良いものであればまだしも、友達たちの持ってくるのはいわゆる一般的なお菓子(スナック菓子、スーパーや駄菓子屋にあるような。砂糖もトランス脂肪酸も着色料や保存料もバリバリでしょう)でしたから。それがたまにではなく、毎日となると・・・、そんな物で満たされる体って?発育真っ盛り、成長三昧な幼少期、それで大丈夫なのか??

私もここは自分の子どもにきちんとしていきたい。
※だけど、暴力で子どもを支配するのは絶対反対です!父から受け続けた暴力、これ、絶対私の心の根深いところでトラウマになってると思う。

②『薬』を経ないとお菓子に辿りつけない
上記に書いた諸々を食べたら、たかが知れてる子どもサイズの胃袋。本来食べたい目的のお菓子はさほど量が入らなくなる。

③お菓子がいわゆる子どもが喜ぶお菓子ではない
家にあったのは、ごくシンプルな「しょうゆ味せんべい」「黒糖かりんとう」。あとたまに「芋ケンピ」。そりゃ野菜や果物などと比べたら話になりませんが、子ども大喜びのスナック菓子や洋菓子なんかに比べたら程度は悪くないでしょう。ちなみに、祖父は飴玉を見ると
「毒だ毒!これは、猛毒だ!!」と豪語してました(笑)まぁ、確かに白砂糖の塊だもんね。

よくあったのはコレとか

コレとか

こーゆーやつ。

そんな朝井家。ポテトチップスやチョコレートクッキー、スナック菓子なんて夢のまた夢でしたね・・・

④『薬』の食材が良いクオリティのもの
特に今、私はお腹の子のために「なるべく自然のままのもの」を頂くようにしています。丸のままのフルーツ・野菜。そして、「質の良いもの」を厳選していますが、本当に顕著に質のレベルによって素材の味がぜんっぜん違うんですよね。例えば、見た目は同じ人参でもピンキリで、味も香りもほとんどしない中身薄っぺら~な人参もいれば、「僕、ニンジンっす!」と主張しまくりな味が濃いっ、香りプンプンな生命力強気な人参もいるわけです。そして致し方ないですが、やっぱ値段相応。肥料の質や手間暇がかかる分、質の良い野菜と大量生産な野菜は値段に開きが。

なので「いくらお金あっても足りねーや」
と嘆きつつ、「今食べるものがお腹の子を作る」という意識で、口にするもののクオリティを上げているプレママな私。
そして、祖父がかつて『薬』としていた緑黄色野菜のサツマイモやカボチャは妊娠期にはとても理想的な栄養の塊。これらを買ってふかして頂くたびに

「じいちゃんが買ってたのは、めっちゃ良いやつだったんだろうなぁ」

と身に染みるのです。じいちゃん家にあるそれらは、ホックホクで甘くて、カボチャはまるでお芋みたいで。そのレベルの芋やカボチャは、今自分で選ぶと、めちゃ高い奴(笑)けっこう良いお値段の良いカボチャを良いスーパーで買って試してるけど、いまだにじいちゃんのカボチャを超えるホクホク感なまるで安納芋級なカボチャにお目にかからない。

祖父はそのカボチャを我が家でも食べなさい、といつもうちの母に持って来ていたので、自宅でも高確率でカボチャ登場。ただただふかしただけのカボチャを実家時代いつも食べていました。当時はそのありがたみがわからなかった、どころか「あぁ、またコレ。やだな~」としか思っていなかったけど今考えると、なんと、なんと、ありがたやーーな事だったんだろう。

じいちゃん!今なら私、その価値を全力で知っているから大喜びで受け取り、大喜びで食すから、いくらでも持ってきておくれ・・・!!!!と心底思う日々であります(しかし時すでに遅しで今は亡き祖父・・・)。

⑤ジュースを飲んだことがない
うちも祖父母宅もお金を出して買う飲み物は「牛乳」のみ。
牛乳には賛否両論あるのでそれが良かったという話ではなく、そこは今回は置いといて、うちではジュースが飲めなかったんだって話。

ジュースって、砂糖が大量添加されているものがほとんどです。ちなみに、35歳で亡くなった前夫は両親共働きで幼稚園児からすでにカギっ子。そして「好きな食べ物買いなさい」とお小遣いが多額与えられ、幼少期から超自由だったって話。「買うの面倒臭いから家の蛇口からジュースが出てきたらいいのにな~」なんてほざいているレベルの正真正銘、お菓子&ジュースで育ったらしい(生前の本人曰く)。赤ちゃんミルク卒業した瞬間から、ジュースばかり飲んでたって本人言ってました。そんなだから30歳前半で末期癌になったとは決して言いませんが・・・、幼少期から根付いたジャンクな食生活は大人になっても続いていて。食べた物でしか結局体は作られませんからねぇ。。

思い返すと私は実家を出る18歳まで自宅でジュースを飲んだことがありません。祖父母宅で頂き物のカルピスを10歳の時、初めて飲んだ日の感動ったらありゃしませんでした・・・!!(なので、今も時々カルピスを飲むとその美味しさにうっとりします♡あの味好きww)。

⑥飲み物は井戸水か薬草茶
自宅でも祖父母宅でも牛乳以外にある飲み物が
・井戸水
・薬草茶系

だけ。庭にね、井戸水があったんですよ。幼少期ってそれが普通だったんで何も思ってなかったけど、今、お金を出して水を買う時代、それってすんごいありがたい事だったのかぁとしみじみ。妊娠前まではコンビニで手に入るどこでも売ってるペットボトルのミネラルウォーターでしたが、妊娠後はこれまた、様々なお水をお取り寄せしています。シリカ水とか、全国各地の名水とやらを・・・。一般のミネラルウォーターに比べたらこれまた高いねー。。しかし、人間6割以上が水分。その水分が今お腹の子になみなみと注がれているからねぇ。。少しでも良いものをーって思うわけですよ、この新米母は。

昔に思いを馳せると、無料で天然の良い水がいつでも手に入る環境ってさ・・・天国だわ。

そして、庭中に色々なものが自生していた実家敷地内には、ドクダミがえらい繁殖していてね。それを乾燥させて煎じて飲んでたんです。「苦いからヤダー」なんて言ってたけど、飲むものがないとそれを飲むしかないでしょ。しかし、そう言いながらも次第に慣れる、ってのを毎夏繰り返していました。祖父母にはブームがあって、それがたまに「スギナ」という草になったり、もう忘れたけど別の何かの草になったりってのはあったけど、(祖父母仲良くどこかの山に採りに行ったりしてました。私もたまに連れて行かれたけど、それも嫌だったなぁ・・・)何にせよ、薬草茶って良いよねぇ。

しかしそれも今じゃ、せっせと「買って」いるのです。そして、良いもの、天然であればあるほど、またまたお高いもんね。

(↑庭中にコレがはびこってました。)

他にも挙げるとうちは色々なエピソードがあるので機会があれば書きますが、思い返せば返すほど、健康作りに良い環境を祖父母がたくさんくれてたんだなーと実感します。

今日もおやつ代わりにサツマイモとカボチャをふかしたのでそんなお話を書きました。たまたま母が近所に用があってうちへ立ち寄ったので、2人でそんな思い出話もして。

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「緩和ケア」と「産後ケア」。一見対極な存在と見られがちですが、両方を経験しそれらは近い存在であり、両方の重要性を心から訴えたい。これらの在り方捉え方の啓蒙、それらにお役に立てる活動をすることが私の将来の目標です。頂いたサポートはそのために使わせて頂きます!