朝日新聞出版さんぽ

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朝日新聞出版公式note「さんぽ」へようこそ! 既刊本の連載や新刊試し読み、著者インタビューや対談など、本にまつわるあれこれをゆるくお伝えしていきます。新刊・既刊はこちらで https://publications.asahi.com/

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    書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

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  • きょうもパンダ日和

    パンダ愛がもっと深まる記事をパンダ編集班がゆる~くお届けします。

  • 築地川のくらげ読書感想文

    新刊が出る度に、広告を作り、POPを作り、チラシを作る。宣伝課のしがないスタッフが、独断と偏見で選んだ本の感想文をつらつら書き散らす。おすすめしたい本、そうでもない本と、ひどく自由に展開する予定

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今の日本の現状を風刺した凄まじいエンターテインメント小説だ――貫井徳郎さん『ひとつの祖国』書店員さん感想まとめ

 息もつかせぬ驚愕の展開に圧倒されます。人間の本質と、生々しくも突きつけられる現代社会の闇から目が離せません。経済格差を理由に、東日本独立を目指すテロ組織が暗躍する。善と悪が曖昧に揺れ動き、人間の憎悪や醜悪さ、悍ましさに、終始ハラハラさせられる。予想できない展開からの怒涛のクライマックス。人間社会の本質に迫る作品です。 (精文館書店新豊田店 渡邊摩耶さん)  第二次世界大戦での敗戦で、西の大日本国と東の日本人民共和国に分断された日本。ベルリンの壁の崩壊の半年後日本も統一さ

    • 永井路子さんの『この世をば』に連なる歴史巨編『望みしは何ぞ』/文芸評論家・縄田一男さんによる文庫解説を公開

       私たちはよく過去の歴史を何々時代といった名称で区分し、更にそれを細かく区分けしようとするが、本来、歴史は生きた連続性の中にあり、作家が1つの時代をまるごと捉えようとした場合、1篇の作品では収まり切らないという事態が生じて来る。  永井路子の“平安朝3部作”、すなわち、『王朝序曲――誰か言う「千家花ならぬはなし」と』『この世をば』、そして本書『望みしは何ぞ』は、そうした書き手の要請がもたらした必然の産物であった、ということが出来よう。 『望みしは何ぞ』は「中央公論文芸特集

      • 「ヤバい日本救うために、世界に出てマクドナルドを見ろ」世界を飛び回る投資家が断言する理由

         10年ひと昔というが、この10年で世界も日本も大きく変わった。私自身も東京からシンガポールに住まいを移している。シンガポールに住むきっかけになったのは、議員時代に国父・故リー・クワンユー氏の名前のついた大学から招聘を受けたことに始まる。  アジアのリーダーとして、シンガポール建国の父として、世界に名をはせる故リー・クワンユー氏に個人的にお目にかかる機会を、私は三度もいただいた。率直な物言いで有名な氏から多くの印象的な直言をいただいた。 「君はタムラって名字か。確か政治家

        • 「はい」にひとこと“ちょい足し”するだけで相手に安心感を与えるシンプルワード

          「はい」という返事だけでも伝わるけれど、より相手に安心感を与えたい。そんなときに“ちょい足し”すると良いことばを紹介します。そうすることで、物事がスムーズに進みますし、あなたへの信頼感も高まるはず。 ■使いすぎて「お調子者」に見えないように注意!  依頼を快諾するとき、あるいは、当たり前のことをより力強く肯定するときに“ちょい足し”すると効果的なことばです。「言うまでもありません」という場合に使えます。 \ここでちょい足し/  何かをお願いしたときに、相手から「もちろ

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          もし日本が分断されていたら…架空の歴史が暴く現実の日本の社会問題/末國善己氏による貫井徳郎著『ひとつの祖国』書評を公開

          架空の歴史が暴く現実の日本の社会問題  架空の島を舞台に、明治初期から平成末までの近現代史を17の物語で追った全3冊の大作『邯鄲の島遥かなり』を刊行した貫井徳郎の新作は、第二次世界大戦後に東西に分割された日本という架空の歴史を描いている。実現はしなかったが連合国は日本の分割統治を検討していたので、本書はあり得たかもしれないもう一つの歴史を題材に、現実の日本が直面している諸問題に切り込んでいる。  先の大戦末期、北海道を制圧したソ連軍が本州に侵攻した結果、西日本に民主主義国

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          「学校に行く意味も勉強する意味も分からない」という子どもたちに知ってほしいこと

           学校に行きたくないという中高生に理由を尋ねると、圧倒的に多い回答が「学校や勉強の意味が分からない」というものです。意味が分からないとは、どういうことでしょうか?  これは内容が分からないのではなくて、学校へ行くことや勉強が自分にとってどんな価値やメリットがあるのか分からない。いいかえれば、自分の現在や未来とどう関係するのかが分からないということです。  たとえば、猫を飼っている人にとって、猫の飼い方や習性を学ぶことは明らかに関係がありますよね。そんなふうに共通するキーワ

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          「あなただからこそ」のスペシャル感が伝わる! 相手をほめる時に“ちょい足し”したいことば

          ■苦労話を聞いてもらうのはと「ほめ」と同じ効果  対等な関係性の相手や、部下や後輩などの仕事が「何も言うことなし!」「パーフェクト!」と感じる出来であったときにちょい足ししたい、惜しみない賛辞を紹介します。 \ちょい足し!/  さらに、そこから「今回のイベントは、設営が大変だったんじゃない?」「どれくらい前から準備をしていたの?」などなど、「完璧」だと感じたポイントについて質問をして、相手に存分に語ってもらいましょう。なぜなら、自分の経験を人に聞いてもらうことは、ほめら

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          【祝・サッカー本大賞2024 大賞&読者賞W受賞!】5度の大ケガ、「それでも前を向いた」宮市亮選手 10年前のアーセナルでの苦闘と岡田武史氏の言葉を明かす

          天才エジルとの強烈な出会い  2013-2014年、このシーズンのアーセナルも豪華メンバーだった。各国代表ばかりで、サッカー好きなら誰もが知るような世界的なスターがたくさんいた。  当時を振り返って思い出すのは、僕がフェイエノールトから戻ってきた2011年夏に15歳でアーセナルに加わったセルジュ・ニャブリの姿だ。2022年のワールドカップ・カタール大会でドイツ代表の10番を背負った選手で、現在はドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンで活躍しているが、2013-2014年シーズ

          【祝・サッカー本大賞2024 大賞&読者賞W受賞!】5度の大ケガ、「それでも前を向いた」宮市亮選手 10年前のアーセナルでの苦闘と岡田武史氏の言葉を明かす

          「自由なんて面倒くさい!」なら誰かに決めてもらうのも自由。本当の“自由”を選択するために役立つ2つのこと

           リベラルアーツは中世ヨーロッパにおいて、肉体労働から解放された自由人のための特に重要な教養だと考えられていました。この場合の「肉体労働」は、やることを他者に決められていることを指します。つまり「自由人」というのは、ある程度自分のやることを選択する自由がある人のことです。  もしかしたら、「自由なんて面倒くさいから、やることを決めて欲しい!」と思う人もいるかもしれませんが、それでいいんです。自由に決めるかどうかを選ぶことができることこそ、リベラルアーツ的な自由ですから。信頼

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          【映える!沖縄旅】フォロワー12万人超えの写真家・6151さんと沖縄のフォトスポットを巡る旅

          【小高い丘の上にある秘密のレストラン】  まず、6151さんが訪ねたのは、自然いっぱいの南部エリア。丘に登る細い道をたどっていくと、そこに、木々に囲まれた一軒家カフェを発見した。「BE NATURAL(ビーナチュラル)」と名付けられたカフェのメニューは、その時期に沖縄でとれる野菜や地魚をつかった「本日のおまかせランチ」2200円のみ。3週間ごとに内容が変わる一期一会の料理と共に、大きな窓から光がたっぷり注ぎ込む空間を楽しんで。 【全部欲しくなる!ここにしかない器たち】

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          シンプルで最高な「ほめ言葉」は、小さく独り言のように“つぶやく”と最強

          ■想像してくれたことへの感謝を  プレゼントをもらったときのリアクションは難しいですよね。そんなときに気軽に使えて感謝の気持ちが伝わる“ちょい足し”が、こちらです。 \ちょい足し!/  例文は、贈りものをいただいたときや、お店でイメージを伝えたら、店員さんが奥からそれにピッタリの商品を出してきてくれた場面などを想定したものです。パートナーが買い物ついでに、切らしていたあなたのシャンプーを買ってきてくれたとき、「ありがとう。ちょうど欲しかったの!」と使うことも。  また

          シンプルで最高な「ほめ言葉」は、小さく独り言のように“つぶやく”と最強

          【試し読み】ビジネスコンペ300戦無敗!選ばれる達人が明かす『選ばれ続ける極意』の「はじめに」と第1章を公開!

          はじめに――「なぜか選ばれないあなた」に、武器を贈りたい!「素敵な異性から選ばれたい」 「憧れの会社の面接で選ばれたい」 「オーディションで選ばれたい」  競争率が高いこの世の中では、誰もが選ばれることを望みながら、実際に選ばれる人は僅かという現実。 「私には真似できないほどのあれだけの努力をしているのだから、選ばれるのは当然の結果」だと思わざるをえない人ももちろんいる。  しかし、自分と同じくらいの努力しかしていないように見えるのに、なぜか要領良くいつも選ばれている人たちも

          【試し読み】ビジネスコンペ300戦無敗!選ばれる達人が明かす『選ばれ続ける極意』の「はじめに」と第1章を公開!

          この小説は、みんなへの声援/せやま南天著『クリームイエローの海と春キャベツのある家』創作大賞2023(note主催)受賞の秋谷りんこさんによる書評を公開!

          この小説は、みんなへの声援  私は、家事が苦手だ。子供の頃からおっとりしており、身の回りのことをするのが得意ではなかった。大人になっても変わらず、掃除も片付けも人並みにはできない。料理はするが、上手ではない。レトルト調味料や冷凍食品に助けられ、何を出しても「美味しい」と言ってくれる夫に救われているだけだ。洗濯は嫌いではないけれど、得意でもない。先日、仕事から帰ってきた夫が、部屋干ししてあるシャツの袖を黙って引っ張り出していた。片袖だけ裏返ったままで干していたことに、私は一日

          この小説は、みんなへの声援/せやま南天著『クリームイエローの海と春キャベツのある家』創作大賞2023(note主催)受賞の秋谷りんこさんによる書評を公開!

          「お金はいらない、偉くもなりたくない、だから勉強しない」と子どもに言われたら、あなたは何と答えますか?

           勉強をしていて、「なんでこんなことをしなければいけないんだろう?」って思ったことはありませんか? ぼくは中学生のころ、特に興味がない教科や、先生と相性が合わないときに、よくそんなことを考えていました。いったいぼくたちは何のために学ぶのでしょうか?  あなたにやりたいことや夢があるなら、学ぶ理由は簡単です。よりよい人生を歩むためです。興味があることなら学ぶこと自体が楽しいですし、夢のためなら少々大変でも意味があります。自分のためではなく、世のため人のために実現したいことがあ

          「お金はいらない、偉くもなりたくない、だから勉強しない」と子どもに言われたら、あなたは何と答えますか?

          【サッカー本大賞2024】宮市亮が3度目の膝の大ケガで「エゴイスト」にならずに済んだ理由 横浜F・マリノスの仲間たちの教え

          横浜F・マリノスで教えてもらったこと 吹っ切れていたとでもいうのだろうか。3度目の前十字靱帯断裂という大ケガを確信し、ピッチを退いたあと、ロッカールームに戻った僕は、状況をどこか冷静に考えることができていた。 試合に勝ち、優勝を勝ち取った日本代表チームのロッカールームには喜びがあふれていた。その雰囲気を壊したくなかった。自分の身に起きた出来事を泣いている場合ではないと思った。 優勝のために活躍した選手を、勝ったチームを祝福したかった。だから僕は、努めて平静を装った。「と

          【サッカー本大賞2024】宮市亮が3度目の膝の大ケガで「エゴイスト」にならずに済んだ理由 横浜F・マリノスの仲間たちの教え

          <祝・本屋大賞2024第3位&第9回渡辺淳一文学賞受賞!>【インタビュー】塩田武士が見た、松本清張の背中 話題作『存在のすべてを』で挑んだ「壁」

          「作家には定期的に必ず越えるべき壁が出てくると言いますが、私にとってはそれが『罪の声』でした。以前、作家の湊かなえさんのラジオに出演した時に、湊さんがこれから塩田さんは『罪の声』と闘うことになる、私が『告白』と闘ったように、と言われたことがあるんです。重たいなと思いました」  塩田武士さんが2016年に発表した『罪の声』は、「グリコ・森永事件」をモチーフにしたサスペンス小説だ。週刊文春ミステリーベスト10(国内部門第1位)、第7回山田風太郎賞を受賞するなど一世を風靡し、20

          <祝・本屋大賞2024第3位&第9回渡辺淳一文学賞受賞!>【インタビュー】塩田武士が見た、松本清張の背中 話題作『存在のすべてを』で挑んだ「壁」