二人の涙。

お正月
弟の彼女と二人で話をした。


結婚、考えてる?
年頃だし、したいよね?


「はい。したいです。
それとなく、聞いてみたんですけど、曖昧な返事だったので、それ以上聞かなかったです。
あんまり、ヤイヤイ言われるのも嫌だろうなと思ったので。」


そっか。子供欲しいって思ってる?


「はい、できればいいなぁと思ってて。
でも、産むのはすごい怖くて。
だけど、なんとなく予想なんですけど、わたし、出来にくい体質かもしれないなぁって思ってるんですよね。
欲しいけど、出来なかったら、出来ないでいいとも思ってて。」


そっか、それを伝えてみたの?
子供欲しいなぁって。


「伝えてみました。でも、俺は真っ当な人間に育てていく自信がないって、言われてしまって…」


うん、育ってきた環境がね、大変だったから。そういう話聞いてる?母親が居なくて、育ったっていうのは知ってるよね?

「はい。」


じゃあ、父親の話は聞いた?

「なんか、気性が荒いってことを聞きました。」


●○●○●○●○●○●○●○●○●○


どんな父親だったとか、母親の事はあんまり知らないとか、色々話をした。


世間でいう「母親」という言葉は、理解ができるけれど、自分の母親という概念がそもそも希薄だということ。

母親の好きなものや、好きな食べ物や、好きな芸能人や、嫌いなもの、嫌いな食べ物、嫌いな芸能人というのも、全く知らない。

自分の人生に母親が居なかったから、母親という人間に、どう接していいのか分からない、何の話をするのがいいのか分からないのが、正直なところ。


ましてや、甘えるってどうしたらいいの?
どう甘えたらいいのか分からない。


そういう感覚なんだよね。
って伝えた。


「たしかに、なんか会話の中で、本当に親子なのか?って思うぐらい、何も知らないんだなぁって感じたことはありました。

『弟くん、カレー食べれる?』って、お母さんが聞いてて。

そんな事も、知らないんだってビックリしました。」



そうなんだよ。
でね、父親も、こんなんだったから。。。


私たち姉弟はね、戦友だから、すごく良く分かるんだ。

だから、姉の立場から見ると、今、弟が本当に幸せだって事も、分かる。

二人には、結婚して欲しいなぁって
幸せになって欲しいなぁって
本当に本当に思うんだよ。

あの子の事を、理解してくれて、何でも話せる彼女が居て、本当に良かったと思ってる。

あの子が煮え切らない態度なのはね、子供が欲しいっていう 貴女の気持ちを受け止めきれないから…なんだよ。

ごめんね。理解できないかもしれないけど、子どもは、好きなんだよ。
でも、自分の生い立ちを振り返ると辛い記憶しか出てこないから、不安で仕方ないんだ。

わたしも同じだからね。
すごく葛藤してると思う。

今の私は、あの子みたいに、子どもを育てていける自信がないとか、思わないけど。ちょっと前までは、絶対に子供は産まないって心に誓ってた。

だから、あの子の感覚は、すごくよく分かる。


ねぇ、子供が出来なくても2人で居たいと思うんだよね?それ、伝えてないんじゃない?


「はい、まだそういう話はしてないです。」


じゃあ、それを言ってあげて。
そしたら、結婚へのハードルが下がるよ。
したいって、言えると思う。


2人を見てるとね、2人ともが幸せそうだなぁって本当に思うの。
だって、わたしが居るのに、イチャイチャしてるし笑 自然体でいれる関係だって事でしょ?

こんな素敵な人と巡り会えたのに、、、結婚しないなんて、おかしいと思うもん。

2人でね、幸せになって欲しいんだ。


って、、、話しながら涙が止まらなかった。


彼女も、もらい泣きをして、二人して泣いた。


こんなにも、素敵な彼女が側にいて、本当にあの子は、幸せものだなぁって思った。

だから、姉は、この縁がどうかちゃんと、結ばれますようにと、心から願う。



次、あの子の事で、涙を流すその時は



結婚する時に、流したい。


心から、そう思う。


言わせてな、2人の結婚おめでとう。って。



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