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【KDP】ペーパーバックの紙質について~光沢とマットならべて比べてみた

ペーパーバックの表紙は、光沢とマット、どっちがいいの?

KDPが日本で2021年から開始しているオンデマンドの出版サービス・ペーパーバック、つまり紙の本。

サービススタートから2年以上がたち、ペーパーバック出版にチャレンジする方も増えましたが、判型やページ数が固まっても、最後まで悩むのが表紙の紙質ではないでしょうか?

すでに出版されている誰かのペーパーバックを購入してみれば、手触りを確認することはできますが、それだけでは、自分が表紙に使おうと思っているデザインはどちらがふさわしいのか、自信が持てませんよね。

私自身、3冊の電子書籍とペーパーバックの出版をし、迷いながら両方の印刷を試してみて、ひとまず答えが出たので、ご紹介します!


結論。「美しい表紙」なら、光沢にしよう!

ご存知の通り、ペーパーバックの販売を開始する前に、著者は校正刷り=本の見本を入手することができます。「再販禁止」の帯が入ってしまうので、販売には使えませんが。

「校正刷り」はこのようにグレーの帯が入ります

*校正刷りは、販売開始後に入手できる「著者用コピー」同様、印刷コストのみで購入できます。

私自身は写真にある3冊の本の表紙を、全て最初にマットで校正刷り依頼しました。

マットの質感。

マットは、しっとり吸いつくような手触りで悪くはないのですが、印刷がぼんやりしてしまう印象を受けました。色も、薄めに出てしまう感じがします。シリコン素材に触っているような感触でもあり、ホコリもつきやすいと思われます。

『沖縄移住記 果報をさがして 2』 左がマット、右が光沢です。

写真の発色が全然違います。

上記の例はとても分かりやすくマットと光沢の違いが出ました。
ちなみに、海の画像のコントラストなどは一切いじっていません。
ふたつの差異はあくまで、紙質によるものです。

写真だと分かりにくいかもしれませんが、白い文字も輪郭がぼんやりとして、背景に溶け込みそうな弱々しい仕上がりになっています。
でもそれも一長一短で、やさしい雰囲気を出したい表紙デザインだったら、マットの方がいい場合もあります。

もうひとつサンプルを。デザインは違いますが、背景に使っている写真は同じです。

『沖縄移住記 果報をさがして』 左がマット、右が光沢です。

離島に住んでおり輸送に時間がかかるので、仮の表紙(左)で急いで校正刷り依頼した後、
最終的に右の表紙にデザインを修正して発売しました。

きれいな写真を使う場合などに、発色が悪いと、デザインそのものが悪いのかと不安になります。上の場合は、画像の彩度なども左から右へ調整しています。

使用している絵や写真の美しさを強調したい表紙である場合は、私の経験上、光沢をオススメします!

※もちろん、校正刷りで必ず確認してくださいね。どちらがいいかは、デザインと、好みによるところが大きいので。

私の3作品はすべてエッセイ集ですが、KDPで個人出版されている本は、実用書や自己啓発本が多いです。
その場合、写真よりも図やイラスト中心の表紙になると思いますので、光沢がいいか、マットがいいかは、やはり仕上がりを見て選んでみてください。


発売後も、表紙の材質は変更できる!

そして朗報です。
「校正刷り」でも「著者用コピー」でもマットにした『くるま旅日記!』の表紙材質を、発売開始後に光沢に変えてみましたが、ふつうに審査を通りました!

判型やページの色(白かクリーム色か)は、出版後は変更ができず、どうしても変更したい場合は新規に別の本として作るしかありませんが、表紙の材質は発売開始後も変更できるようです(2024年1月現在)。

発売開始してしまってから表紙の材質に納得がいかなくなったら、変更もできるのは(ただし、購入のタイミングにより、マットの表紙の本を入手した購入者と、光沢の表紙の本を入手した購入者に分かれてしまいますが)、ふつうの商業出版では簡単にできないことなので、ありがたいですね。

ネット上の情報ではなかなか紙の材質の良し悪しまでは分かりませんが、少しでも参考になりましたらうれしいです♪

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