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傷口に塗るくすりみたいなもの / 違国日記

今日のこと

違国日記

今日、「違国日記」を読み終わった。
2日前から読み始めて、今日の3日目で全11巻読み切った。途方に暮れるほど美しくて、優しくて、心に沁みるまんがだった。

つい最近まで、このまんがのことは全く知らなかった。「実写化する俳優さんがガッキーだ」というニュースで存在を初めて知り、本屋さんに置かれていた試し読みを読んですぐに好きになった。

不器用で、でも人一倍優しくて、ことばを大切にしている人。
素直で、まっすぐで、でも不安定な足元にすくわれそうになっている人。
生きづらさと必死に戦ってもがいている人。

そんな人たちが出てくる物語。


わすれたくないことばがたくさんあって、メモ代わりに写真をとっていたら、すぐにスマホのアルバムがたくさんのことばたちでいっぱいになった。

こころに刺さって、沁みて、慰められる。
自分として存在することを諦めずに生きている人たちがいて、読んでいるわたしはとっても癒された。

すごくすごく大切なまんがになった。
今年の自分へのクリスマスプレゼントとして、全巻買おうと思う(今回はレンタルして読んだ)。

大人っていいね。

何がすきで、どうして好きなのか


違国日記を読んだあと、夫と自分たちの「好き」について話した。

何が、こころが響くのか。
どうやって、こころに響くのか。
どうしてそれが、好きなのか。

わたしの場合、好きなまんがも、好きな音楽も、好きな小説もエッセイも、多くのものが、「自分の古傷にとっての薬」としてこころに響いている気がする。

過去の辛かったこと。嫌だったこと。生きづらいなと思ったこと。
しんどかったこと。消えたかったこと。泣けなかったこと。

好きな作品を通して、普段意識に上らないような古傷がじわっと表に出てきて、そしてそれが慰められる感じ。優しい薬として効く感じ。

過去の傷が全て治癒するというわけではなくて、「大丈夫だよ」「それでもいいんだよ」「そのままでいいよ」と言ってもらえて、痛みが薄れる感じ。痛み止めって言うのかなぁ。

傷はあるにはあるんだけど、ちょっと大丈夫になる。

そんな風にわたしを癒してくれるものものが、わたしの「心に響く」「大好き」な作品の多くを占めるのかもしれないな、と思った。


一方、夫のこころに響くもの。

夫は、わたしのように過去に触れるものではなくて、「今」や「未来」に対して影響を及ぼすような、これからにワクワクや希望や勇気を与えてくれるような、そんなものが好きだと言っていた。

苦しみながらも誰かのために心を砕いて進んでいった偉人たち。
何もないところから懸命に努力をして何かを成し遂げた人たち。
高い志をもって、強い心で進んでいった名もなき人たち。

そんな人たちの物語を目の当たりにすることで、夫はすごく頑張ろうという気持ちになれる。まだまだこれからだ、と思える。そう言っていた。


夫婦でも、心に響くものはやっぱりぜんぜん違う。
古傷が癒されて前を向けるわたしと、がんばる人たちから未来への活力をもらう夫。

ぜんぜん違うから、すぐ近くで一緒に生きていけるのかもしれない。

そんな風に思った。

今日の感謝

・夫とゆっくりと話す時間をとれたこと
・すごく大切な作品に出会えたこと
・しあわせを感じられること


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