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◆怖い体験 備忘録╱第14話 電気の怪

以前、自室で金縛りを含む怪異に遭遇した時、なぜかトイレと廊下の電気がしばらく点かなくなったお話をしましたね。
今回は、オバケと電気のお話です。

以前お話した怪異の話⬇️⬇️⬇️

よく、ホラー映画なんかでも使われる描写。
オバケが出ると、電気が点いたり消えたりする。
あと、電話からオバケの声が聞こえてきたり。

はてさて、ところでオバケにはそんな力があるのでしょうか?
物理的にスイッチを押しているのか、それとも電気そのものに干渉しているのか。
よくわかりませんが、ひとつ確実に言えることは、わたし自身の心霊体験の中でも、電気系統に異常を来たす例はたびたびあった、ということです。

例を挙げると、以前も書いた、なぜか電気が点かなくなるというやつ。
その他には、何も触っていないのに勝手にテレビやコンポの電源がついたこともありました。
あとはラジカセからお経が聞こえてきたこともあった。
何度スイッチを入れなおしても、なぜかふっと電気が消えてしまうペンションもありました。

今回は、そんな電気系統のオバケトラブル(?)と思われるやつの中でも、もっとも大規模で迷惑だったやつのお話をしていきたいと思います。


あれは、幾つぐらいの時だったでしょうか。
当時、牧場の寮に入っていたため、そこの従業員の男の子たちが毎日のように行くパチンコに、わたしも連れられていくうちにすっかりハマってしまった時期がありました。

あの日は、確か実家に帰っていたんだと思います。
家族で買い物に行き、わたしは妹の部屋に泊まりました。
その、夜中のことです。
わたしは例の如く金縛りで目を覚ましました。
ただ動けないだけで、何も見えない・感じない金縛りもあるのですが、寝る寸前の金縛りに較べると、寝ている最中もしくは起き抜けにかかる金縛りは、なぜかタチの悪いやつが多いのです。
案の定、この日も部屋の中には何かの気配がありました。
その気配は、どうも布団の周りにいる。
姿はまったく見えないのですが、影のようなものが蠢いている気配と、時折みしっと鳴る家鳴りのような音が、何かの存在を色濃くしているようでした。
しかし、この時はそれ以上何もないままに、わたしはいつの間にか眠りについていました。
ただ、翌朝の体のダルさと眠気が尋常ではなかったのです。

朝起きて、まずわたしは「昨日の買い物の時に何か(誰か?)拾ったのかな?」と思いました。
オバケ的な何かが「取り憑く」でもないですが、何しろ体のどこかに触れている あるいは乗っかっている?入っている?ような状態になると、激烈な眠気やダルさが襲ってくることがあるのです。
では、そんな時は、どうするのか。
もちろん気軽に「お祓いしてよ~」などと簡単に頼める人など周囲には居ませんでした。
なので、わたしはいつも簡単な対症療法を採ることにしていたのです。

これはあんまり大きな声で言っていいのかどうかわかりませんが、体感的に『人ならざる何か』は、どうも人が多い場所を好む傾向があるように感じていました。
つまり『何か』を拾った時は、人がよく集まる場所に行くといいのです。
だいたいは、勝手に離れて行くから。
だから大変申し訳ないのですが、何かを拾った時、わたしはコンビニやスーパーに行くことにしていました。
そうすると、帰りは大抵すっきりと帰路につくことができたのです。

この日は、寮に帰る日。
買い物は昨日のうちに済ませてありました。
寮には夜ごはんまでに戻るつもりだったので、わたしはパチンコ屋に寄ってみることにしました。
人が集まるという意味では、パチンコ屋さんもコンビニもスーパーも、そうそう変わりはないだろうと考えたのです。

そこは、物心ついたときからある地域の小さなパチンコ屋さんでした。
古くからいる店員さんは、もうある程度の顔見知りです。
その日のホールには、いつもいる背の低い眼鏡のおじさんが居ました。

体は気だるく眠気も酷かったのですが、何しろ当時はハマりたて。
とりあえず目星をつけて、確かその頃の人気台だった【クランキーコンドル】というスロットマシーンに座ったのだと記憶しています。
コインを3枚入れて、いざスタート。
しかし…

ボンッ!!

と、3回レバーを押すか押さないかのうちに、その台は異様な音を立てて真っ暗になってしまいました。

故障かな?と、その時はまだぼんやりと考える程度です。
わたしは眼鏡の店員さんを呼びつけて、台が故障したらしいことを伝えました。店員さんは中を開けて状況を確認し、首を傾げています。
仕方なくわたしは次の台を選ぼうと、その場を離れました。

次に選んだのは、名前は忘れましたが、確かカエルの絵のスロットマシーンだったように思います。
気を取り直して、またコインを3枚。
さあ!とレバーを押した瞬間です。

ボンッ!!

またしても、台が先程と同じ音を立てて真っ暗になってしまったのでした。

そこまで来て、やっとわたしは「おかしいな?」と思い始めました。
しかし、お店自体がかなり古かったので、機械も古くなっていたのかな?と考え、また店員さんを呼びます。
顔馴染みのその店員さんは「またぁ?」と面倒くさそうにわたしを退け、「はい」と残りのコインを渡すと、また確認作業に没頭し始めました。

というか、心情的に「またぁ?」はこちらの台詞ですよね。
いくら台が古いからと言って、せっかくアタリをつけた台を2台も連続で帳消しにされては、こちらもたまったものではありません。
とりあえずスロットマシーンが不調なのではないかと思い直し、わたしはパチンコ台に移ることにしました。

それは、今も昔も不動の人気を誇る海物語。
今からは想像もつかないような粗いデジタル画面の絵を見ながら、わたしは両替した500円玉でパチンコ玉を買いました。
レバーを回して球を弾き、また気を取り直していざ尋常に勝負!!
その、瞬間。

ボンッ!!

またしてもわたしの座った台は、音を立てて飛んでしまったのです。

3度目に店員さんを呼んだ時、しげしげと顔を見ながら「気持ち悪いから、もう帰って」と言われましたが、今にして思えば無理もないと思います。
わたしは大人しく車に乗って、寮までの道のりを走り始めました。
しかし、その時になって、いつの間にかすっかり体が軽くなっていることに気づいたのです。
3台ものパチンコ・スロット台を飛ばした何者かは、それですっきりしたのか、わたしから離れて行ってくれたようでした。

とは言え、厳密にあの事件がオバケ的な何者かによる犯行かどうかは、今もって判然としません。
ただ、自分の体験的にはオバケと電気の間には何か関わりがあるんじゃないか?という程度には、不思議な符合を感じたことが多々あるというだけです。
みなさんは、どう思われましたか?

それでは、このたびはこの辺で。





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