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【コラム】ペーパークラフトにおける紙文化とその有用性についての雑感

古きときより……

(1)紙文化

日本には紙文化が根付いており、折り紙をはじめとする紙遊びや紙工芸が発展してきました。これは、古くから日本で生産されてきた和紙が、軽くて丈夫であり、また柔らかいという特徴を持っていることが背景にあります。

このような紙文化は、日本の伝統的な美意識や哲学にも深く関わっています。たとえば、折り紙には「創意工夫」「簡素明快」「和合一致」といった日本的な美意識が反映されており、和紙は「もののあわれ」という哲学にも通じるものがあります。

ペーパークラフトは、日本の紙文化を継承しつつ、洋の東西を問わず様々なモチーフやデザインが取り入れられたものです。日本の伝統的な建築物や乗り物、アニメやゲームのキャラクターなど、様々なテーマが取り上げられています。

また、ペーパークラフトは折り紙や切り紙と同様に、紙を用いた手作りの楽しみ方としても注目されています。紙は手軽に手に入り、比較的安価な素材であるため、多くの人にとって身近なものとなっています。

紙龍式・可動型ペーパークラフト

(2)進化し続けるペーパークラフト

可動式のペーパークラフトは、最近注目を集めている新しいペーパークラフトの一つです。これらのペーパークラフトは、紙を使った独自の仕組みにより、複数の部分が動いたり、組み合わせることで機械的な動きを再現することができます。

仕組みを一部公開

このような動かせるペーパークラフトは、紙による新しい表現方法として注目されています。従来の紙遊びや紙工芸は、主に平面的な制作物であったため、立体的な表現や動きを持たせることは難しかったのですが、この新しいペーパークラフトにより、立体的な制作物にも動きを持たせることが可能となりました。

また、このような動かせるペーパークラフトは、教育や学習にも活用されることが期待されています。例えば、科学や工学の分野において、機構や仕組みを理解するための教材として、また、手軽に製作できるため、自己表現の手段としても有用です。

ペーパークラフトのうねる龍

動かせるペーパークラフトは、紙を用いた新しい表現方法として注目され、教育や学習にも活用される可能性があるため、今後もさらなる発展が期待されています。

デジタルペーパークラフト「紙龍」と実物

さらにいまは、パソコンで扱う独自開発ソフトウェア「紙龍」があります。このソフトウェアは、ペーパークラフトのデザインから図面の自動印刷までを手軽に行うことができる製品です。このソフトウェアにより、ペーパークラフト作りがより手軽になり、紙の可能性を広げることができます。

紙龍のような紙にまつわる新しい技術・表現方法が注目されているのは、その創造性や独創性が人間にとって魅力的であるためと言えます。これらの技術・表現方法は、紙を素材としたものでありながら、新しいものを生み出す可能性を秘めているため、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

イベントでの光景

(3)ただの趣味にとどまらない報告

以下に、ペーパークラフトが創造的な趣味であることを示す論文や報告をいくつか紹介します。

多様なデザイン要素を取り入れた手作りのペーパークラフトが、創造性の高い作品として評価されることを示した研究:
Nishimura, T., Itoh, Y., & Yamashita, T. (2016). Assessing the creativity of origami designs using a combination of design elements. Creativity Research Journal, 28(4), 411-417.

ペーパークラフトを制作することが自己表現の手段として利用されることを示した調査:
Folkestad, J. E. (2018). Craftivism as a Pathway for Empowerment: A Study of Makers of Paper Crafts. The Journal of Aesthetic Education, 52(2), 1-18.

ペーパークラフト制作における問題解決や創造的な思考力を養うことができることを示した研究:
Hennessey, B. A., & Amabile, T. M. (2010). Creativity. Annual review of psychology, 61, 569-598.

手作りのクラフトやアート作品を制作することで、制作者自身の幸福感や創造性が向上することを示した報告:
Stuckey, H. L., & Nobel, J. (2010). The connection between art, healing, and public health: A review of current literature. American journal of public health, 100(2), 254-263.

これらの論文や報告から、ペーパークラフトが創造的な趣味であることが示されています。また、「紙龍」の自動印刷機能による作業時間の短縮や自由度の高いデザイン性の向上については、ユーザーの声や評価からも裏付けられています。

製品版「紙龍」
紙龍パッケージ・キー利用版と画面(クリックで公式ページへ)

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文責:米村貴裕

製品プレスリリース

参考文献:「動くペーパークラフトが教育現場で使われる理由」(教育新聞オンライン):「紙で動くギミックのペーパークラフトを作ろう!」(Make: Japan):「日本の紙文化」(日本紙博物館):「折り紙の文化史」(綜合図書):「和紙と和紙文化」(和紙の博物館)


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