お前の背中に刻む種③ 古瀬島なつ季

休み時間。古瀬島なつ季の席は壁際だった。
彼女は壁に寄りかかりながら、脚を組んで本を読んでいた。
私は、見てしまった。
古瀬島なつ季の、美しい真っ白なふとももの裏側を。

当時、女子高生という存在が社会的なブームとなっていた。
パンツが見えそうな極端なミニスカートにルーズソックといいファッションが定番で、そこから外れるとやたらダサく見えてしまうという、そんな時代だった。

世俗から遠い雰囲気を醸し出しているような古瀬島なつ季も、例外ではなく時代の女子高生だった。
制服のミニスカートから伸びる白く美しい脚は、私のフェティシズムを塗り替えてしまった。
もちろん彼女の脚が美しいのは、1年の体育祭の時から知っている。
私が衝撃を受けたのは「美しい女性がミニスカートで脚を組む」という、その姿自体の性的な破壊力だった。

古瀬島なつ季。そう言えばボーイッシュな印象が強かった1年の時よりも、かなり女性的な雰囲気になった気がする。
髪型もベリーショートからショートボブくらいの長さになった。
彼氏でもできたのだろうか。

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