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■ウェルカム トゥ ダリ

監督:メアリー・ハロン
脚本:ジョン・C・ウォルシュ
出演:ベン・キングスレー、バルバラ・スコバ、クリストファー・ブリニー2022年製作/97分/PG12/アメリカ・フランス・イギリス合作


1985年、サルバドール・ダリが火事で重傷を負ったというニュースが世界に衝撃を与える。

それをテレビで知ったジェームス・リントンは、ダリと過ごした奇想天外な日々を思い出す。

1974年、ニューヨーク。画廊で働きはじめたジェームスは、憧れの芸術家ダリと出会う。

圧倒的なカリスマ性を持つダリと、彼に負けないオーラを放つ妻ガラに気に入られたジェームスは、ダリのアシスタントを務めることになり、ダリが生み出す不思議で危うい世界へと足を踏み入れていく。

(映画.comより)

「邦題は、『ウェルカム トゥ ダリ』ですが、原題は『ダリランド』とのこと。

よっぽどダリの世界を満喫できる映画なのかと期待したら、肩透かしを食らいました。

ダリ欲(?)はほぼ満たされませんでした。


この映画で描かれているのは、全盛期のダリではなく、晩年近くのダリ。老いたダリの奇行は、正直、見ていて痛々しかったです。

あと、パリピぶりも。
若いパリピは、まだ見てられますが、大御所感のあるパリピは、なんか生々しいといいましょうか。

ホテルのスイートを借りきってのパーティーだったので、いやがおうにも、最近話題のニュースを思い出してしまいました。

画家とお笑いでジャンルは違えど、どちらもカリスマなので。


また、映画では、ダリ以上に、ガラの奇行が目立っていました。

お金に対する異常なまでの執着や、何十歳も年下のロック歌手に入れ込む姿は、痛々しさを通り越して、もはや軽く恐怖さえ覚えます。
中でも一番恐ろしかったのは、ガラの最期。
ダリにプレゼントさせた“プベル城”に埋葬して欲しい。
ガラは生前から周囲に、そのように伝えていたそうです。

しかし、埋葬が認められるのは、現地での死亡者だけ。
そこで、病院で亡くなったガラの遺体に服を着せ、

生きているように見せかけて、車でお城まで運び出し、

最終的には、無事にお城に埋葬されたのだそうです。

映画ではそのエピソードが再現されていたのですが、
全編を通じて、一番狂気的だったシーンだったように思えます。

そんなガラに比べたら、ダリがまともに見えてしまいました。

あと、何よりも残念だったのは、
映画の中で、一切ダリの絵が登場しないこと。
その理由を調べてみたところ、金銭的な事情によって、

ダリの作品を劇中で使用するライセンスが得られなかったのだとか。

ダリやガラが死んでもなお、お金の問題が付いて回るのですね。


結局のところ、この映画を通じて、
ダリの何を伝えたかったのが、よくわからず。
内容が間延びしているのもあって、
上映時間の97分間がとても長く感じました。

僕の脳内で、時計がぐにゃぐにゃになっていたのは言うまでもありません。(星1.5つ)


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