ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。…

ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。 文学・音楽・絵画・映画を主に、ファッションや建築も。 芸術に関するエッセイや批評、創作の短編小説を定期的に更新中です。

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初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

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初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

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はじめに

皆さん、こんにちは。ミックと申します。これからこちらで、芸術についてのエッセイや批評、創作を定期的に発信していきたいと思います。

内容は、文学・音楽・絵画・映画の四本柱を中心に、もしかしたらファッションや建築もたまに入るかもしれません。

どちらかといえば、古典と呼ばれる作品が好きな傾向があります。19世紀の小説やクラシック音楽、印象派の絵画や古典絵画・映画が主な守備範囲ですが

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熱狂の魔術師 -天才指揮者カルロス・クライバーの魅惑

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【金曜日は音楽の日】



指揮者というのは不思議な存在です。自分で楽器を演奏するわけでもないし、歌う訳でもない。

実のところ、ある程度実力のあるオーケストラなら、ベートーヴェンやブラームスの交響曲レベルは、指揮者がいなくても、破綻無しに演奏は出来ます。

指揮者の役割とは、その「演奏」に、プラスアルファを付け、真の「音楽」を創りあげることだとも言えます。

カルロス・クライバーは、

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大人になる学び -名作映画『妻よ薔薇のやうに』の魅力

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【木曜日は映画の日】


ドラマで重要なのは、二つの対照的な要素の対立だと、よく言われます。主人公とライバル、善と悪。

しかし、多くの人が知っている通り、人間は簡単に善と悪に分けられたりしません。それゆえに、単純な二項対立に分けられないドラマは、ある種人間の深みを表してくれます。

成瀬巳喜男の1938年の映画『妻よ薔薇のやうに』は、そうした二項対立に一見沿っているように見えながら、そ

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言葉の森をさまよう -小説『森のバルコニー』の美しさ

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【水曜日は文学の日】


小説というのは、現実の体験から、現実を超えた何かを味合わせてくれるゆえに美しい。そんな風に思っている人は多いと思います。

フランスの小説家、ジュリアン・グラックの1958年の小説『森のバルコニー』は、そんな美しさを持つ小説の一つであり、私の偏愛する作品の一つです。

ジュリアン・グラックは1910年、フランスのロワール川近くのロワール県生まれ。ナントで歴史の教

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【創作】夜のバスで【スナップショット】

【創作】夜のバスで【スナップショット】



遅くなってしまったな

うん、塾の補習に付き合ってくれて
ありがとう
明日は仕事じゃないの?

大丈夫だ

夜景がきれい
バスの夜景って
不思議な感じがする
電車で見る夜景と違う気がするんだ
心の中にすっと入り込んでくるようで
どこか安心する

きっとそれは
道の匂いがするからだろう
電車は線路に沿って、
線路は人が歩く道から切り離されている
だから街の灯りも
遠くに見えて
幻のよ

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新しい愛の美 -フィリッポ・リッピの絵画について

新しい愛の美 -フィリッポ・リッピの絵画について


【月曜日は絵画の日】


教科書に載るような、古今東西の大芸術家でも、好きかと聞かれると難しいものがあったりします。

ルネサンスで言うと、三大芸術家、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロは、偉大だとは思います。

しかし、物凄く好きかと言われると、そもそもそういう対象として見たことがないとしか言いようがないところがあります。

そんなルネサンスの中で好きな画家は誰かと言うと、フィリ

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澄んだ神話を見つめる -『北欧の神秘』展の面白さ

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新宿のSOMPO美術館で開催中の、『北欧の神秘』展に行ってきました(6/9まで)。

スウェーデンや、ノルウェー、フィンランド等、北欧スカンジナビアの近代の絵画に焦点をあてたこの展覧会。

ムンク以外あまりこの地方の画家を知らなかったのですが、非常に楽しめ、かつ色々と考えさせられる展覧会でした。

展覧会の構成は、ロマン主義のスカンジナビア絵画から始まり、象徴主義的な絵画、そして、印象派の影響を

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【創作】水霊の碁 第2話 彗星の光芒

【創作】水霊の碁 第2話 彗星の光芒



※前回はこちら





第2話 彗星の光芒

2-1



弥之吉は圧倒されていた。時の名人本因坊道策は、恰幅の良さ、金箔のついた派手な着物、丸々とした坊主頭等、全身から「力」を発散させていた。このような覇気は今まで見たことがなかった。

これが名人、天下一の碁打ちとはこのようなものなのだ。弥之吉は武者震いがするのを覚えた。強烈なその「気」に羨望を覚え、自分もこうなりたいと直感し

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みんなに広がる私の歌 -ジェイムス・テイラーの魅力

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【金曜日は音楽の日】


詩や歌の魅力の一つは、自分の個人的な感情が色々な人に伝わって、それが、皆のものになっていくことだと思います。

口ずさみやすいメロディがあれば、更にそれは広がりやすくなる。シンガー・ソングライターの魅力とは、そういうところにあるのでしょう。

ジェイムス・テイラーはそんな、口ずさめる歌を作り続けてきた素晴らしいシンガー・ソングライターの一人であり、私にとっても

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リアルを味わうこと -エリック・ロメールの映画の美しさ

リアルを味わうこと -エリック・ロメールの映画の美しさ


【木曜日は映画の日】


シンプルだけどお洒落な服を着て、友達と哲学や愛についてシャレた会話をして、ちょっぴり危険な恋愛に揺れたりしつつ、ナチュラルに、自分らしく生きる。

よく「フランス映画的」と言われるようなそうしたイメージがあります。エリック・ロメールの映画は、そんなイメージにぴったりはまるような映画です。と同時に、そのイメージだけに決して留まらない、複雑で豊かな広がりを持った映画で

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幸福の比喩 -小説『春は馬車に乗って』について

幸福の比喩 -小説『春は馬車に乗って』について



【水曜日は文学の日】


比喩は詩の根幹であり、小説にとってもまた重要な要素の一つです。

そんな比喩が魅力的な小説に、横光利一の短編『春は馬車にのって』があります。必ずしも大傑作とは呼べないかも知れない。でも、比喩が物語と不思議な噛み合い方をした秀作です。

横光利一は、1898年、福島県生まれ。文学を志し、菊池寛らと知り合うと、彼が発刊した『文藝春秋』にも寄稿します。

1923

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【創作】朝の市場で【スナップショット】

【創作】朝の市場で【スナップショット】


あと残っているものは何?

パブリカ、トマト、コショウ、
ニシンと食用酒と
グレープフルーツ
こんなところかな

オーケー、ちょっと休みましょう

そうだね

沢山買えてよかった

メモするくらい
こんなに沢山の種類の食材
買いこまなくてもいいんだけどね

何言っているの
私は色々な料理を作って
食べるのが大好き
食べることは喜びでしょう?

そうでもない
食べることが好きな人

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生の喜びが踊る -マティス展を巡る随想

生の喜びが踊る -マティス展を巡る随想


【月曜日は絵画の日】


国立新美術館で開催中の『マティス 自由なフォルム』展に行ってきました(5/27まで)。絵画だけでなく、彼の晩年のモニュメントの一つであるヴァンス礼拝堂を再現したパヴィリオンもあり、マティスの特色が立体的に分かる、非常に面白い体験でした。

アンリ・マティスは、1869年、フランス生まれ。最初は法律事務所で働いていましたが、ふとしたきっかけで絵画に目覚め、1891年

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夫婦で紡ぐ音楽 -映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』の美しさ

夫婦で紡ぐ音楽 -映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』の美しさ



私たちは普段、映画をフィクションと思って楽しんでいます。しかし、ドキュメンタリーでなくても、あらゆる映画には、記録という側面があります。

そんな「記録」としての様々な層が積み重なって、夫婦の「愛」を、音楽という形で創造した美しい映画があります。それが、ジャン・マリ・ストローブとダニエル・ユイレによる映画、『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』です。

ストローブとユイレは、それぞれ、

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 【創作】水霊の碁 第1話 江戸の花飾り

【創作】水霊の碁 第1話 江戸の花飾り


第1話 江戸の花飾り

1-1


「おとぎの町だ!」

弥之吉は声を上げた。このような美しい場所を見るのは生まれて初めてだった。石見の片田舎からこの江戸まで、幾日もかけてここまで来たのだった。

時は元禄12年(1699年)。太平の世の空気が、ようやく江戸の人々の間に根付こうとしていた。

明るい木目や瓦の家屋に、のぼりが立ち並ぶ商家。行き交う人々の色鮮やかな着物と、活気のある会話。こう

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異郷は力をくれる -ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』について

異郷は力をくれる -ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』について

【金曜日は音楽の日】


新しい場所で、新しく何かを始めること。それは、作品に力を与えてくれます。作者がその場所に開いた心で臨めば、素晴らしい変化をもたらすこともあります。

そんな異郷での新しい力を取り入れることに成功した音楽として、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』を挙げたいと思います。

第2楽章や第4楽章のテーマがBGMに使われて有名ですが、それ以外にも聴きどころがあり、複雑な

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