夢を重ねたアップリケ -傑作映画『私の20世紀』の魅惑
【木曜日は映画の日】
夢というのは、意味が分かるようで、分からないからこそ、魅力的だと思っています。
それゆえ、その中身をフィクションで扱うのは、実は結構難しい。「理解できる」と「不思議」の微妙なバランスが必要だからです。
映画でも、物語を進める「装置」として、夢は昔から使われてきました。しかし、映画が夢そのもののような不思議さに満ちている作品は多くない。そんな作品の一つが1989年のハンガリーの傑作映画『私の20世紀』です。
『私の20世紀』は、ハンガリー出身の映画