見出し画像

“わたし”という神話 第7話「光と闇」

第1話   天地創造
第2話   人間の誕生
第3話   闇の誕生

第4話   堕天使降臨
第5話   悪の誕生
第6話   広がる恐れ
第7話   光と闇
第8話   偽りの光
第9話   宗教の誕生
第10話  古代の叡智の破壊
第11話  神になる堕天使

 7 光と闇

 宇宙の巡りにも、様々な波がある。波はミクロにもマクロにも存在し、宇宙の対極の根源にある原理である。

 銀河と太陽と惑星の関係の中で、光の領域の波が強くなる時期があり、その時には、近くの惑星に住む人々は、神と再び繋がりを取り戻し、真なる源へ還る人間が次々と現れる。一度神の懐に還った人間は、もはや闇を恐れず、闇に包まれても自らの神性を損なわずにいられた。

 そして神に還った人々は、闇と無明と無知の世界に生きる人々を、光に還すための活動を始める。

 彼らは闇に向けて光を放ち、直接その地の肉体に転生し宿り、恐る人々と同じような肉体を持ち、同じような条件の中で、同じ視点の高さで、光に導く奉仕活動を行う。それは異星間でも起こり、地球にも銀河の果てや、宇宙の果て、別の次元から、様々な魂がやって来た。

 闇の本質として、光を当てられると闇は闇ではなくなう。

 つまり闇とはただの空間だった。

 だから闇は光から逃げたがる。

 堕天使もまた同じように、光から逃げる。

 物的な空間にいては光が当てられるので、堕天使は一番光のの当たらない場所を見つけた。

 それが人間の心の中だ。

 しかし光の人々は、無知と無明の心の影に対して、どこまでも愛の光を送り続けた。愛や調和に目醒めた人間の心は光が満ち、堕天使は外に炙りされてしまう。

 そのように、光の人々は、あらゆる人間たちの心の隅々にまで光が行き届くように、神性を保つための方法を伝えていく。そうするとどんどん光の人々が増え続ける。

 堕天使は人間の中に入り込み、分離した意識と悪を生み出し、光の勢力に対抗し続けるが、計画はなかなか達成できずにいた。

 堕天使は考えた。

 どうすれば光に晒されず、光に目醒めた神の子である人間を出し抜き、闇を充満させることができるのかを。

 堕天使は光と闇の拮抗の世界で、長い歳月をかけて、人々を観察した。

 シンプルはことが見えて来た。

 愛や善、至福や高い次元を知り、目覚め始めた人々は、光が好きだった。「好き」なのだ。

 そして、彼らは闇が「嫌い」なのだ。

 完全な光の人々には好きや嫌いという対立はなくなっていたが、光に向かう人々は、まだまだ内なる対立を抱えていた。

 堕天使はその“差”を利用することにした。その“差”の中には、わずかにだが、堕天使の闇と共鳴するものがあり、悪の意識が入り込む領域があった。

 堕天使は、それまでは人々から「悪」と恐れられることが当然だと思っていたが、それではダメだと気づいた。

 だから堕天使は、自分自身をこれまでのように「闇の存在」や「破壊者」、「悪」として人間たちに見せるのではなく、彼らが好む『光』として振る舞うことにしたのだ。

 そう。彼らの好む「光」に似せることで、光を利用し、時間をかけて闇の心を充満させていくこの方法こそが、堕天使の生み出した人間への強力な支配となった。

 このアイディアは堕天使の考えでもあり、神の作った宇宙の原理に則ったものだった。

 宇宙空間では、強い強い熱を放ち、強い強いパワーを持つ天体が、最終的には光が行き場を失うことがあった。

 それを後の人間たちはブラックホールと呼んだ。

 外から見るとそれは闇だが、エネルギーや熱はとても強く、光のパワーと匹敵、むしろ凌駕していた。

 そしてその中に入ったあらゆる意識は、そこが光の世界だと信じこんだ。自身が闇の中に閉じ込められ、闇の中に吸い寄せられていることに気づけないのだ。

 彼らの持つあらゆる光は、歪んだ時間と空間の中で彷徨い、調和を得られず、闇に帰する。

 完全なる闇。堕天使は闇の天使だ。闇の天使が求めるものは、完全なる闇だった。

 一人二人ではダメなのだ。世界中の人々の心の中に住み着き、この星丸ごと、闇の世界に誘うことが目的だ。それ以外に堕天使に目的はなかった。

つづく

*****************

☆ Youtubeチャンネル

☆ サークル「探求クラブ」(noteメンバーシップ)

☆ Youtube アーティスト・チャンネル 新曲「アマテラス」

2023年 1月15日  東京 、20日 京都 「静寂の会」


2月中旬  アコースティックライブ(タイトル未定) 東京、関西。

サポートという「応援」。共感したり、感動したり、気づきを得たりした気持ちを、ぜひ応援へ!このサポートで、ケンスケの新たな活動へと繋げてまいります。よろしくお願いします。