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chatGPTに小説を書かせてみたら2000字強の短編ができた

まずはchatGPT君が書いた小説を読んでみてください。どんな設定・やり取りで仕上がったかは後半に記載します。


前編

**承(はじまりの章)**


大会の舞台裏、剣闘士の大会が熱狂の渦に巻き込まれるなか、風太郎(ヴィンディロ)と冷月(エイスヴァルト)の宿命の対決が迫っていた。翔太(ショウタ)と共に薄暗い練習場で励むヴィンディロは、友の問いに微笑みかける。

「ヴィンディロ、エイスヴァルトの実力は本当に強い。君、大丈夫か?」翔太の声が切なく響く。

「大丈夫さ。勝ち負けよりも、エイスヴァルトとの真剣勝負が楽しいんだ。」ヴィンディロは心の中に燃ゆる熱き覚悟を秘めつつ、笑顔を浮かべる。

そして、ついに迎えた大会の日。対決の瞬間、エイスヴァルトは氷のような冷徹な眼差しを放ち、ヴィンディロに向けて言葉を投げかける。

「お前、私の実力を甘く見ていたようね。」エイスヴァルトの冷徹な言葉が、会場に響き渡る。

ヴィンディロは軽やかな笑みを返し、「そうだな、でもそれが楽しみさ。」と舞台裏の緊張感を打破するような軽快な返答を返す。

試合が始まり、エイスヴァルトは初めは優勢だった。しかし、ヴィンディロはその攻撃を妙技でかわし、反撃に転じる。観客たちの期待の声が響きわたり、友人のショウタも熱い声援を送る。

エイスヴァルトは焦りを感じ、「なぜだ!?」と怒りで声を荒げる。

「お前を傷つける訳にはいかないからな。」冷静な口調でヴィンディロが告げる。エイスヴァルトの表情が一瞬だけ緩む。

「それがどうして訳になるんだ!?」エイスヴァルトの問いに、ヴィンディロは深く呼吸し告白へと続ける。

「実は、君を守るために戦っていたんだ。君はこの国の未来を背負っていくんだろ?」ヴィンディロの告白が、静かなドラマを紡ぎだす。

エイスヴァルトは言葉を失い、観客たちは息を呑む。その後、やっと言葉を取り戻したエイスヴァルトが問い詰める。

「だからと言って、わざと負けるのか?」冷静な問いに、ヴィンディロは微笑みを返す。


中編

**転(つぎの章)**

「いや、それは違う。君が強いことを示すために、俺の実力を知ってほしかったんだ。」深い意味を秘めた言葉が、二人の心を結ぶ。

エイスヴァルトはしばらく黙って考えた後、頷きながら「分かった。でも、次からは本気で戦ってくれ。私の未来を守ってくれるなら、私もしっかりと成長していかなければない。」

ヴィンディロは彼女の言葉に満足そうに微笑むと、再び剣を構える。その様子にエイズヴァルトは満足気に頷く。「約束だ。次からは本気で戦おう。」

「それは出来ないな。」と答えるヴィンディロの言葉に、エイスヴァルトは少しだけ驚きの表情を見せる。冷静なヴィンディロは次の言葉を続ける。「私は君を傷つけるつもりはない。ただ、この勝負で君が成長することが重要なんだ。」

エイスヴァルトは一瞬、深く考え込む。「なるほど。それならば、もっと本気で戦わせてもらおう。」彼女は自らの成長に向けて意気込みを語り、再び試合は熱を帯びていく。

激闘が続くなか、エイスヴァルトは次第にヴィンディロの実力に敬意を抱くようになり、彼女の眼差しには新たな信頼が芽生えていた。

そして、ついにはエイスヴァルトの攻撃が続く中、ヴィンディロは急に力を抜き、あえて攻撃を受け入れる。エイスヴァルトは驚きと共に、その理由を問い詰める。「なぜだ!?」

**転(つぎの章)**

「これ以上戦っても、結果は変わらないさ。君がこの国の未来を担う者として、私は君の力を試したかった。」ヴィンディロの言葉に、エイスヴァルトは驚きとともに理解の光を湛える。

「私の未来を試すために、こんな形で戦ってくれたのか。ありがとう、ヴィンディロ。」エイスヴァルトは感謝の意を込めて頭を下げ、試合は幕を閉じた。

大会は進み、エイスヴァルトは勝ち進み、剣闘士の大会で優勝を果たす。少女が王冠を手にした瞬間、観客席では歓喜の歓声が鳴り響く。

その後、ヴィンディロは正式に騎士としてエイスヴァルトに仕えることとなり、王国の未来を共に切り開いていく決意を胸に秘めていた。

しかし、少女は勝利の瞬間からずっと性別を偽ってきたことを告白する。「私は女性だ。この嘘を貫き、この国の王になることを騎士に誓う。」その言葉にヴィンディロは驚きつつも、深い敬意を抱きながら頷く。

国の未来が輝く中、ヴィンディロとエイスヴァルトの友情も深まり、新たな冒険への扉が開かれていくのであった。


後編

**結(おわりの章)**

数年が経ち、大会の興奮も遠くなり、エイスヴァルトは国の王に即位し、その傍らでヴィンディロは彼女を支える忠実な騎士となっていた。国は平和で繁栄し、二人の友情も深まっていた。

ある日の朝、エイスヴァルトは玉座に座りながらヴィンディロに微笑みかけた。「風太郎、お前のおかげで私はここにいる。感謝しているよ。」

ヴィンディロは軽く頭を下げ、「それは彼女が国を導く素晴らしい王だからこそだ。私はただ、その一翼を担うだけさ。」

しかし、エイスヴァルトは微笑みを浮かべながらも少し寂しげな表情を見せた。「本当に、お前が本気で戦ってくれたら、私もっと成長できたかもしれないのに。」

ヴィンディロは優勝時の未練を感じながらも、「それは運命だ。君が今の王になるためには、私が少しでも力を抜くことが必要だったんだ。」と語りかける。

国は安定し、友情は変わらぬまま深まっていた。エイスヴァルトは心から信頼する騎士としてのヴィンディロに、国の未来を託し続けた。

そして、この国の未来を切り開くために誓ったエイスヴァルトは、王としての役割を果たしつつも、かつての剣闘士の勇者としての姿勢を忘れず、新たな冒険への道を切り拓いていくのだった。




いかがでしょうか。
文章や整合性など、気になるところは色々ありますが結構小説の体裁にはなってるんじゃないでしょうか。

chatGPT、おもしれ〜〜!!
と思ったので、今回この小説が出来上がるまでの経緯と、実際小説を書いてもらったことで感じた使い勝手などについてまとめてみました。

「こんな指定で良いんだ!?」

って思う部分が多々あったので、そんな賢いGPT君の凄い所を紹介出来たらと思います!




ファーストテイク

今回私が初めに伝えたのは、『1万字の小説』を書いてほしいということ。あとはキャラクターの設定・関係性そして物語の展開です。

こちらが実際の文章↓

1万字の小説を書いてください
設定は以下です。
・主人公は飄々とした性格の十大後半の男性
・ライバルは無表情な男装女子
・主人公の友達は勝ち気な少年

キャラクターの関係性
・主人公とライバル
落ちこぼれの主人公と有能で将来を期待されたライバル
ライバルの少女は無駄なことばかりしている主人公を露骨に馬鹿にしている
・主人公と友達
目立つのは友達の方だが、友達は主人公がすごいやつだと思っており、懐いている

話の展開
起:剣闘士の大会に出場する主人公とライバル。順調に勝ち上がるライバルと、辛勝を重ねる主人公。

承:とうとうライバルと主人公の対決が始まる。始めは侮っていたライバルは、主人公に意外と勝つことが出来ず焦りだす。

転:もう少しでライバルが負けるという時に、主人公が急に力を抜き負けようとする。それに気付き怒るライバル。実は主人公は少女を守る護衛騎士だった。実力を測るため戦ったが、このまま勝ち進んでも問題ないと思い負けることにした。

結:少女は勝ち進み、剣闘士の大会で優勝した。少女が生まれたときから側で守り続けていた主人公は、正式に騎士となり少女に仕えることとなった。それまでずっと性別を偽ってきた少女は、この嘘を貫きこの国の王になることを騎士に誓った。

思い付いたものをだーっと書いただけです
誤字もあります


これに対して、chatGPTが初めに吐き出してきたのはとても短い文章でした。

主人公は颯爽とした動きで剣闘士の大会に臨み、ライバルの冷静な様子との対比が際立ちます。友達の存在が主人公に勇気を与え、ライバルの冷ややかな態度に立ち向かいます。対決が迫る中、主人公の辛勝が描かれ、物語が興味深く進行します。

chatGPT

しかし、返答のやり直し?更新マークのようなもので再出力すると、3回目に良い感じの文章が出てきました。

主人公の名前は風太郎。彼は飄々とした性格で、剣闘士の大会に挑むことになりました。ライバルは無表情な男装女子、彼女の名前は冷月。彼女は主人公を馬鹿にし、落ちこぼれだと見下しています。

風太郎の友達である少年、翔太は勝ち気で、彼と主人公は親友同士です。翔太は主人公の実力を認め、期待しています。
大会が進む中、風太郎は辛勝を続けながらも、ライバル冷月も順調に勝ち進みます。ついに、風太郎と冷月の対決が始まります。最初は冷月が侮っていましたが、風太郎の実力に焦りを感じ始めます。
しかし、試合の中で風太郎が急に力を抜き、負けようとする瞬間が訪れます。冷月は驚きと怒りを抱え、その理由を問い詰めます。実は、風太郎は彼女を守る護衛騎士だったのです。彼は剣技の実力を試すために戦っていたが、もう進む必要はないと感じ、わざと負けることにしたのです。

結局、冷月は勝ち進み、剣闘士の大会で優勝します。風太郎は彼女の守り手として、正式に騎士となり、彼女に仕えることになりました。冷月は幼少時からの夢である国の王になることを誓い、風太郎はその夢を支えることとなります。

chatGPT

急に小説らしくなってきた!

この再出力、かなり強力で、設定や指示が上手く反映されてないと感じた時は大抵再出力で何とかなりました。

今まで何度か使っていた時は、結果を見て設定を言い直してみたりしてましたが、再出力で十分な印象でした。
何度か出力させて、一番良かったものに対して指定を追加していく形が早いと思います。


指定を追加してより小説らしくする

この後、数度のやり取りを経て私が追加した指定は以下です。

・承から物語を始める
・もっと描写を細かくする
・セリフを間に入れる
・中世ヨーロッパを舞台にする※
・国名やキャラクターの名前をドイツ語風にする

結果を見ながら徐々にしていったのですが、結構こんな感じの雑な指示でもちゃんと小説に組み込んで返してくれました。

【※反省としては、『中世ヨーロッパを舞台に』はいらなかったかもしれません。これを言ったことで何故か文章中に【舞台】や【舞台裏】という言葉が出てくるようになってしまいました。
何でだろうと思ってたんですよね。この指定のせいか……。】

特にすごかったのが、『セリフを間に入れてください』と伝えたら本当に適宜会話やリアクションの地の文を追加してくれた事です。

あらすじが出来ていれば、そこから物語にすることは結構雑に投げてもGPTは何とか出来るかもしれません。


違和感の修正

時系列は認識してくれないようで、途中でキャラクターの立場が逆転していたり、いつの間にか決着がついた事になってしまっていたりしました。そういった整合性を文章を引用しながら変更していきます。

ヴィンディロが「実は、…」と告白した後、エイズヴァルトが納得するまでの間に一悶着加えてください。

chatGPTへの指示(一例)


文章の指示を文章でしてもちゃんと理解してくれるんですよねぇ……ちゃんと区別がついてる……文脈を理解してるように感じます。

展開が急に感じた所には、こんな風に『一悶着加えてください』だけでもかなり良い感じに補足してくれました。マジで出来る子すぎる。

こんな感じで、会話や展開の整合性をある程度読める内容にまで仕上げていきました。


長すぎて1度で出力できなくなる

段々小説の体裁が整ってくると、自然に字数も増えていきました。結果として、1度で文章すべてを出力できなくなってしまいました。

切り分けて出力してもらわないと無理だなと思い、無茶振りだと感じつつこんな指定を投げてみました。

話が最後まで出力出来ていません。話を三部構成に分けて、まずは前半部分のみ出力してください。

無茶振りイェーイ!


一回で完結しない要求に応えてくれるだろうか……と半分諦めつつお願いしてみました。
しかしなんとchatGPT君、見事にやってくれたんですよ!
それまでは尻切れトンボな終わり方をしていたのがしっかり区切られるようになり、続きの出力を依頼するとちゃんと続きから吐き出してくれました。

最後に関しては、さらに伸びた文章を吐き出すことになり、勝手に自分で中編を2つに分けて出力してきました。
柔軟な対応まで出来る……だと!?


そんな感じで、chatGPT君が4回に分けて出力してくれたのが先の小説です。
かなりインスタントではありますが、細かいところを加筆修正すれば十分な短編小説になりそうな出来になったのではないでしょうか!


chatGPTの可能性

今回急にchatGPTに小説を書かせよう!と思いつつ、打ちながら即興で考えた設定を用いて小説を作成してみました。
所要時間は30分程です。

30分で2000字強!これはかなり早いと思いました。何より、自分の中ではあまり出来上がってない部分を、chatGPTが良い感じにして返してくれるのがかなり楽しかったです。

自分で展開ややり取りが見えている場合は書いたほうが早いでしょうが、もっとおぼろげな段階での思考実験にはかなり使えると思いました。

『こんな設定を思い付いたけど文章にするのが面倒臭い』『この展開から良い感じにオチをつけたい!』など、まだ頭の中で固まっていないアイデアを1度投げてみて反応を伺うのも全然アリだと思います。


ざっくりとしたプロット、『ここで〇〇して〜、△△とトラブルにあって〜』みたいなレベルで、具体的な内容は無くても良い感じに仕上げてくれそうです!
(何せ『一悶着入れて』が可能なので……)


てなわけで、『可能性を感じさせるchatGPT君に小説を書かせたら2000字強の短編を作ってくれた』はここまでです!
(本当はこのくらいなろう風の長いタイトルにしたかったけど、あまりにも長いかなと思って短くしました)


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!








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