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【作字挑戦記】細部に気をつかい始めた

『細部に神が宿る』というのはクリエイターなら必ず1度は耳にする言葉だと思う。クオリティを上げようとすればするほど『これって本当なんだ』と感じる日々。

ふと、これって絵もそうなのでは?と思った。今までざっくり描き上がると満足して細部の手を抜きがちだったが、デザインがそうなら絵もそうなはず。

そんな事を今更!?と思われるかもしれないが、描くことが当たり前になり過ぎているとそうなる。作字をしながら気付いたのは頭の使い方から違うのかもしれない。
"勉強"がスタートなデザインと違い、"遊び"しかない絵では考えたことが無かったなと思う。1年学んで『ちゃんと考えよう!』と思ったのもあくまで大枠で細部じゃなかった。

細部って、大事なんだな……。




16作目:『夢かわ宇宙』

紙の質感を入れることで
よりキラキラ感が✨

テーマ:文字の形を丸に収めることで、ころころして可愛らしくレトロな印象に。あしらいのアクセントでキラキラ感を出し、全体的な色合いを『夢かわ』テイストでまとめる。

最初の構想

今回は文字の形を図形に収めたい、から開始

「創作日誌」各文字のボリューム感を踏まえて調整

どうしても創・誌が重くなるので、大きさやバランスを悩みながら試行錯誤

下描き①

1度丸形を諦めて全体的に右に歪めたような形にしてみた。しかし作・日の収まりがどうにも悪いため没。

下描き②

始めの方向性に戻り、円に収める方向へ。

白黒で清書

色をつけた後に周囲に飾りを追加。
創の文字の隙間も微調整した。


良かった所:
🙆
『図形に合わせる』という基準があったため、無理のないデフォルメが出来た気がする。
🙆‍♀線の太さだけでなく『隙間』を今回始めて意識できた。成長!
反省点:
🙅‍♀
創の隙間や線の太さが全体で見るとまだ窮屈な印象を受ける気がする。
🙅‍♂左上の文字ではないキラキラは白じゃない方が良かったかも。
次作の予定:
『図形に収める』意識がかなり効果的だったので、次はまた違う形に収まるようにしてみたい。加えて出来ればイラストなど新しい試みを入れたい。




……と思ったが、諸事情で先に将来の漫画同人誌の表紙を作りたいと思う。
その為に、漫画の題字に使えそうなデザインを色々試すためにいくつか作字をしてみる。


17作目:『北北西に往けそうな文字』

手書き感で親しみがありつつ、
直線の真っ直ぐさが純粋で朴訥な空気を出す

私が好きな『北北西に雲と往け』という作品のフォントを真似してみた。

その為にフォントを分析して分かった事が以下の特徴。

◉手書き感を与える特徴
左右非対称、縁にペンのようなザラ感、横線がやや右上がり(1度位)、角度の不揃い、目立たないノイズ、角や交点のインク溜まり
→手書き感の与える印象:
 日常感、親しみ、朴訥さ

※よくある書き殴ったような表現、勢いのついた表現にすると疾走感や青春ぽさ、あるいはアンニュイな雰囲気が出る。

◉あえて手書き感を消している
直線的な縦線、角度を抑えた横線など、少しスタイリッシュな処理が加えられている。
→考察:絵柄の雰囲気に合わせたお洒落さ、ストイックな主人公の人柄などを真っ直ぐな文字で表現している。その代わりはらいなどの斜め線をオーバーにすることでラフさを追加しバランスを取っている。

自分なりの考察

上記で読み取った特徴を再現する。
背景は古い紙に書いたようなデザインも試してみたが、やはり漫画の雰囲気に合わせて爽やかにしたかったので青空に。

ボツ案

テーマ:手書き感とラフさがありつつお洒落な文字。今時よくある過剰に右上がりで書きなぐったような書き文字デザインのタイトルとは少し違う処理がされているのに、朴訥な雰囲気を与えるデザインが気になって真似してみた。


下描き

初めはでやや右上がりになっていることやはらいが過剰な事に気づいていなかった。シンプル過ぎで少し物足りない気がする。

良かった所:
🙆‍♀
清書する過程で細かい部分の特徴に気づけたところ。横線真っ直ぐだと思ってたしノイズは見えてなかった。
🙆線の太さや長さなど最後まで微調整を頑張った!
反省点: 
🙅‍♂無し!
と言いたいところだが、もう少し線の縁にラフをかけた感じでザラザラさせたかった。無念。
🙅‍♀創の直線処理がどうしてもしっくりこない。もっと真っ直ぐに処理しても良かったかも。試行回数を増やすべきか……。
次作の予定:
手書き感を出すと思いの外親しみや日常感がにじみ出る事がわかった。より荒々しく書き殴ると疾走感や、アンニュイ感に繋がると分けて考えられた。朴訥な方向性にするならこれもあり。


18作目:『海外書籍風タイトル』

飾り罫+教科書体に優雅なあしらいを追加

テーマ:西洋ファンタジー感のある題字。

こちらも好きな作品のひとつ『とつくにの少女』のタイトルロゴを参考にして作成した。

欧風みのあるデザイン、西洋ファンタジーぽさの要素を分析して取り入れてみた。

◉欧風みの要素
筆跡の筆使いを強調するように線を伸ばすことで、欧文書体のスクリプト体のようなイメージに近づく。
セリフ体のように、鱗などの修飾のある明朝体か、筆使いが分かりやすい教科書体が親和性◎。
◉西洋ファンタジーぽさ
飾り罫があると海外書籍の装丁の雰囲気が出る。細くて有機的な曲線が優雅な印象を与える。きらびやかなイメージが魔法のキラキラしたイメージに繫がるのかも。

上記を意識してはみたものの、実際の筆跡を考えながら優雅に線を伸ばすのは中々骨が折れたし、飾り罫を文字に対してどれだけ盛った方が良いのかなど、バランスがかなり難しかった。
割とよく見かけるデザインだと思うが、実際やってみると案外難しい。

良かった所:
🙆‍♀
思ったより少し筆致を伸ばすだけでも優雅な印象を与えることがわかった
🙆‍♂シャドウを細めにすることで、文字の印象を崩さずに存在感を強調できる事がわかった
反省点:
🙅‍♀繊細な飾り罫の形が咄嗟に浮かんでこず、見様見真似でざっくり描いたらかなりシンプルな出来になってしまった。もっと細い線で曲線を多用したほうが雰囲気が出そう。
🙅‍♂改めて参考先と見比べると色味が暗く感じる。手元の本を参考にしたので、デジタル化するなら少し明るめに処理した方が見栄えがしそう。

次作の予定:もう1種類違う方向性のファンタジーも探っておきたい。洗練されていてお洒落な今時っぽいタイトルを参考にしてきたので、次は思い切りゴテゴテなファンタジーを目指してみるのもアリ。


19作目:『THE・ファンタジー』

魔法ぽさの古典的な表現『ぐるぐる』を文字の
あしらいに取り入れ、全体的にクセの強い雰囲気に

こちらは『魔法少女隊アルス』タイトル風ロゴのイメージで作成した。

https://web.archive.org/web/20071126063315/http://www.tweeny-witches.com/

※かなり古いサイトなのでいつリンクが切れてもおかしくない。表示もかなり古いので見づらいと思いますが、折角なので公式サイトのリンクを貼ってます。

テーマ:古典的でコテコテなファンタジーをイメージさせる文字。
こちらは先に漫画表使用でロゴを作成したので、その時にかなり試行錯誤した。

紙を切ったような、壁を掘ったような独特で荒々しいラインと文字の崩し方、不揃い感がかなり強く、4文字で印象を再現することがかなり難しく感じた。

ゴシック体を崩した力強い雰囲気や、特徴的なはらい部分のグルグルなど、部分的な要素を抽出して取り入れた。

文字のバランスを取るのが難しく、
最終的に台形に収める形になった

良かった所:
🙆
文字数や文字の組み合わせによる見た目の変化、バランスの取り方を意識する良い切欠になった。
🙆‍♀下描きから清書する段階での細かい部分の調整が自然と出来るようになった気がする。
反省点:
🙅‍♀もっとクセ強感を出したかった!
初めから崩すのではなく、このくらいのバランスから徐々に崩していったほうがギリギリを攻められたかもしれない。

次作の予定:
漫画のタイトルっぽいロゴというのも考えてみるのは中々面白かったので、目指す文字は置いといて、定期的にこういったテーマの決め方をして勉強するのもありかもしれない。

今回は作字する前に参考にしたフォント(アルス・ジブリ作品・海外文学の表紙等)をトレースしてから制作に入るなどした。

この方のnoteを読んでフォントトレースを始めたが、中々細部の考察が難しく四苦八苦しているので、しばらく練習として続けてみたいと思う。




漫画タイトル風作字を一旦終了し、リハビリ的に久し振りに『創作日誌』以外の単語で作字をした。


20作目:『今時レトロ文字』

漫画タイトル風に入る前の目標設定
『イラストと組み合わせた作字』に何気にトライ

ツイッターで少し作字について検索してみると、思いの外色んな作家さんや催しがある事を知った。
こちらは最近眺めているレトロ文字作家の方の作品を参考に制作している。

さらさら〜と描かれているのにきちんと太さが均一になっていたり、Rがきれいな角丸になっていたり、独特で可愛らしい崩し方もさることながら細かい技術の光る素敵な作家さんだ。
作字を始めたい初心者向けの動画なども上げてくださっているので大変ありがたく見させてもらっている。

動画を見ながら描いた下描き
清書しながら、直線以外を均一な太さにする
難しさを痛感する
塗りまで終えた段階
何となく安定しすぎて面白みが無いので、
最終的に少し斜めに変形させた

テーマ:今時レトロな可愛らしくちょっとゆるい文字。
良かった所:
🙆‍♀
文字の崩し方、あしらいの特徴を掴む事に慣れてきたのか、割とさらっと描けたのが楽しかった。
🙆ベジェ曲線の清書にもかなり慣れて、曲線の調整が多い文字でもそれほど時間がかからなくなったのを感じた。
反省点:
🙅‍♂
改めて見ると各文字の字間や崩し方の違いにアンバランスさが出ている。
🙅‍♀『あるさ』の字形が気に入らないので、もっと作品を観察して崩し方を研究すれば良かった。
次作の予定:
イラストとの組み合わせ方を、もっと文字と一体感のある形で出来るように設計してみたい。



『みんなのフォトギャラリー』へ登録

キリよく20作目までまとめようと思ったら、思ったより長くなってしまった。やっぱり2〜3作でひとまとめくらいのペースが良さそうだ。

とはいえやっと20作溜まったので、まとめて『みんなのフォトギャラリー』に登録することにした。前回アップした10作も時々使われているようなので、誰がどんな記事に使うのか楽しみだ。



今回のヘッダーについてはまた次回



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