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レザボア・ドッグスとヴィンテージの映画Tシャツに思うこと。


渋谷でレザボア・ドッグス観た。

30代のサブカル、ファッション好きとしては必修科目のタランティーノの初期作品。タランティーノ好きと自認しているが、本作は数回しか観たことがなかったので劇場で改めて観ることが出来てよかった。
結構席も埋まっていてやっぱ人気あるんだなーと改めて感じる。

内容は言わずもがなタランティーノ節全開なくだらない会話の長回し。
時間軸をずらして徐々に明らかになっていく強盗の全様。
ギャングものでありミステリーでもあり、オフビートのコメディのような側面もある、時代を越えて見られていく素晴らしい作品だった。

ハーヴェイ・カイテル、マイケルマドセン、ブシェミ、ティムロスの演技は最高。ミスターブルーのエドワード・バンカーの存在感も良い。

特にエドワード・バンカーは去年ダニー・トレホの自伝を読んでいて中々の重要人物として出てきていたのでアガった。
顔に含蓄がありすぎて只者でない感じが出まくってる。

エドワード・バンカーa.k.aミスターブルー

製作費が無さ過ぎて衣装の黒スーツが俳優の私物だったという話があるが、ティムロスに演技指導していた黒人刑事の洋服は衣装か私物かどっちなんだろうか。。


               ***

映画の内容とは逸脱するが周辺の状況として
公開当時のTシャツが古着屋、メルカリ等で【ヴィンテージムービーTシャツ】として凄い値段に高騰している。




タランティーノの作品は市場でも特に人気が高い。
パルプフィクション、デスプルーフ、キルビルetc,,10万円越えもざらにある.

https://webstore.berberjin.com/view/item/000000107320


映画の副産物であるはずのTシャツがヴィンテージTシャツ市場の価格高騰の末、その映画が好きな人には手が出せないアイテムに行き着いたことは皮肉な状況だと思う。

値段が上がるきっかけは野村訓一さん着用からかな?
(この辺りちょっと疎いので他の要因あるかもだけど)

ジャッカスとビッグ・リボウスキのTシャツもこの人キッカケで高くなったと思ってる。。


目立つ芸能人やインフルエンサーが着用し、プレ値で売れるようになると古着屋同士が互いに値段を上げあい、その結果がROLEXやNIKEのレアスニーカーのように一種のステータスシンボルになってしまっている感じがしてとても残念。(野村訓一は何も悪くないけど)
街でレザボアドッグスのTシャツを着ている人を見ても、映画自体に敬意をもって着ているとは思えなくなった。

映画好きの人がもっと手に入れやすいものであって欲しいけど、ヴィンテージTシャツ市場を考えるともう値が下がったりすることはないんだろうな。
もちろんその作品が好きなら現行のものでも良いとは思うが、オリジナルってやっぱりボディやプリントの質感が違うからカッコいいんだよね。


成功前の何者でもなかったタランティーノが、ビデオ屋でバイトしてた時にB級映画のエッセンスを入れまくって書き上げたインディーズ映画なんだから、今だったら古本屋でバイトしてるギークっぽい兄ちゃんとかがサラッと着てるのが一番カッコいいと思う。

もう10年したらA24のTシャツもプレ値が付くかな?

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