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【開催記録】 第36回 アート対話カフェ 2023/03/25(土)

今回のアート対話カフェは、前半と後半で異なるテーマを用意し、参加者の皆さんに対話を行なって頂きました。

【前半】

前半では皆さんに、パウル・クレーの絵を見て頂き、発見したことやイメージしたもの、疑問に思ったなど、より多く言葉に出して頂きました。

作者名や作品名は、参加者の皆さんには知らせていません。ディティールまでしっかり観察して頂き、参加者の皆さんからより多くの言葉を持ち寄って頂きます。


パウル・クレー《 魚をめぐって 》


参加者から出た意見 

  • 最初は焼き魚に見えたが、青い楕円の形から、水槽にいる魚に見えてきた。

  • 真ん中の魚は生きているように見えない。目が魂が抜けているみたい。ウロコも輪郭が黒くて生気を感じられない。周りにあるものとの関係性が気になる。

  • 全体を見て、黒かったので宇宙に浮いているように見える。
    描かれているモチーフが十字架、花、食べ物に見えている。人の欲を表しているのかな?

  • 魚の上にある丸だけが太陽と月が見える。左上の赤いものが旗に見えると、その右側の矢印も旗に見えてきてしまう。自分のイメージに縛られている気がした。

  • 不思議な絵。左右の円柱から奥行や、時間の流れも感じる。文化も超えたシーラカンスみたいなものも感じた。

  • 平面的な絵だと思った。背景黒くて、陰が見えないからか。気になったのは左上に顔が見えて気になる。魚の顔も目の位置にあるものがなんなのかも気になる。

  • 似たような描き方が、ところどころに見える。TDLの隠れミッキーみたいにみえる。皆さんはどう見えているのかな。

  • 花や満月など、地上と天空にあるものが、循環している絵にも見えてきた。

  • 同じモチーフでも、三角形や四角形、五角形もあって巡回しているデザインを表しているのかな。

  • 循環っていうところで、三角形(変化・想像)、四角形(安定)、五角形などそれぞれの意味が感じられる。

  • 不思議な円柱…光の屈折も見える。

  • 魚の下には魚が描かれて対称。上の丸い太陽に見えるのと、花が描かれている左下にも対称に見え、面白い。

  • 魚の隣のハーブのようなものなどから、北欧のディナーとみえる。

  • 魚が夢を見ているのを表しているのでは?

  • 考えた方は、視覚は、自分の持っているイメージに引っ張られる感じがした。


この様に、ディティールまで観察しできる限り言葉で描写して頂きました。最後にはみて頂いた作品を紙に描き起こして頂きました。

細部まで観察し言葉にしたものは、自然と頭の中に残るものです。しかし、言葉にしていないもの(観察していないもの)を、表現ことは難しかったのではないでしょうか。

前半では参加者同士で異なるイメージ(言葉)を互いに交換しあうことで、記憶に定着するだけでなく、より観察が深まる、といった体験をして頂きました。



【後半】

後半では、エドガー・ドガの作品を使い、参加者同士で対話を行って頂きます。こちらも作者名やタイトルは明かさずに始めていきます。


エドガー・ドガ《 舞台のバレエ稽古》

また、今回は次の2つの質問の2つの質問を頭に入れて頂き、対話を行って頂きました。意見と根拠(事実)を明確に分けて発言して頂くことで、より参加者同士の意見交換をスムーズに進めることを目指します。


参加者から出た意見 

  • 指揮者や演出者が真ん中にいるので、舞台でリハーサルを行っているのでは。

  • 右側の男性が偉そう。舞台をつくる権力者?真ん中の男性が、いいところを見せようとしている。

  • リハーサル中。真ん中の男性と、真ん中の女性が客席の方(同じ方向)を見ている。リハーサル中のトラブルを描いているのかも。

  • 右側の男性二人が、練習が長くてくたびれているのでは?

  • バレエの練習、リハーサルでは。明るい部分が客席側で暗い部分が舞台の奥。

  • バレリーナが集中していない。表情がだらしなさも見える。緊張感がない。

  • ゼンマイに見えるのはコントラバスのヘッドでは?

  • 動きのある一瞬を切り取っている。

  • 右側二人がスポンサーに見える。あまり期待をしていないのでは。

  • 明日開演のための練習をしすぎて、疲れてしまっている前の日の夕方かな。

  • バレエのレッスン中。奥行が描かれている。背景が面白い。ステージなのか、フラットな床の上で練習しているのか?

  • 練習者は本当はもっといたのではないかな。

  • カーテンのように見えるところに、白い光が見えるので、午前中の曇りなのかな。衣装は上質なものを着ているので、上演直前なのかな?

  • 午後公演か夜公演が一般的なので、午前中ではないのでは。

  • 大がかりな舞台装置、衣装も上質なところを見ると、大きな興行に見える。

  • 公演が好評で延長になり、疲れた…というところと、左の男性は疲れているけど、真ん中の男性だけはやる気をみせている。

  • 画家が一番面白いと思った瞬間を切り取った作品


この様に、今回のアート対話カフェも参加者の様々な視点から意見交換を行なって頂きました。

次回もお楽しみに。
ご興味ある方、ぜひ一度ご参加ください。

お申し込みはこちらから。

https://www.kokuchpro.com/group/adcf/