しょうへい

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最近の記事

レビュー・音楽・『私は猫の目』・椎名林檎

基本情報 ・形態:音楽、映像 ・年:2023 概要 表題曲『私は猫の目』とカップリング曲『さらば純情』が収録された、デビュー25周年を記念したCDシングル。 また、『私は猫の目』を中心としたミュージック・ヴィデオも公開されている(https://www.youtube.com/watch?v=xl_fGKFFq_Y 、2023/6/18閲覧) 既存の批評 「確実に今日の椎名林檎という作家の凄味を宿した作品となっている[...]。社会現象に祭り上げられ、幾度も傷を負い

    • レビュー・ガストロノミー・Noeud.TOKYO・「サステナブル」なフランス料理とその先へ

      本稿では、フランス料理レストラン・Noeud.TOKYOについて、レビューを行う。 始めに訪問概要を示し、次にコース料理の詳細を記し、最後に考察を行う。 結論としては、Noeudは更なる「サステナビリティ」の追求が期待される、最先端かつ洗練されたフランス料理を廉価で味わうことのできるレストランであった。 1. 訪問概要所在地:東京都千代田区平河町2-5-7 ヒルクレスト平河町 B1F コンセプト:カラダと環境に優しい「サステナブルフレンチ」 URL:https://no

      • 批評・演劇・『桜姫東文章』・木ノ下歌舞伎

        基本情報 ・形態:演劇 ・場所:あうるすぽっと ・年:2023 概要 江戸時代後期の歌舞伎の作者・鶴屋南北による戯曲『桜姫東文章』を現代翻案したもの。 ストーリーは下記を参照。https://rohmtheatrekyoto.jp/archives/report_sakurahime2021talk_01/ 木ノ下歌舞伎は歌舞伎の作品を現代翻案して上演する劇団。 本作品の脚本・演出は、劇作家・演出家の岡田利規氏。 基本は原作に沿って進行し、俳優たちも舞台上で劇の進行

        • 批評・写真・『M/E』・川内倫子

          基本情報 ・形態:写真 ・場所:東京オペラシティ アートギャラリー ・年:2022 概要 表題作『M/E』を中心とした、写真や動画の展示。 表題は「Mother Earth」の略であり、地球や宇宙、それらとつながった日常の様子等が被写体になっている。 既存の批評 ・「神話的ともいえるような次元と、具体性を帯びた触覚的な世界とが、写真という媒体を通じて共振しあっている」(https://artscape.jp/report/review/10180484_1735.h

        レビュー・音楽・『私は猫の目』・椎名林檎

          批評・パフォーマンス・『ultratronics』・池田亮司

          基本情報 ・形態:音楽・映像 ・場所:LINE CUBE SHIBUYA ・年:2022 概要 同時期に発表されたアルバム『ultratronics』のライヴ演奏(約1時間)。 巨大なスピーカーによる大音響と、舞台一面の映像で表現され、池田亮司氏は舞台上でそれらを制御していた。 既存の批評 ・コンピューター独自の内面世界を感じさせる。(kknote) https://note.com/ntkotd/n/n457f06b592a0 (2022/12/18閲覧) 目的

          批評・パフォーマンス・『ultratronics』・池田亮司

          批評・映像・『ニュー・イリュージョン』・チェルフィッチュ

          基本情報 ・形態:映像 ・場所:王子小劇場 ・年:2022 概要 舞台と客席は正対している。 舞台には二枚のパネルが間を空けて置かれ、それに2名の俳優と1名の演奏者の収録映像が映し出される。 主に二人の俳優の語りが演劇を進行し、時折音楽が挿入される。 ストーリーとしては、一緒に暮らしていた二人の俳優が、自分たちが実際に住む部屋を模した舞台セットの演劇に先日まで出演しており、その演劇の上演が終了し舞台が片づけられると、二人は現実において一緒に住む気が無くなったというもので

          批評・映像・『ニュー・イリュージョン』・チェルフィッチュ

          批評・演劇・『消しゴム山』・チェルフィッチュ×金氏徹平

          ・形態:演劇 ・場所:豊島区立舞台芸術交流センター(あうるすぽっと) ・年:2021 ・概要 「人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在する世界」を生み出す演劇(『消しゴム石』、チェルフィッチュ × 金氏徹平、2020、p.1)。 舞台上には、美術家の金氏徹平によって、様々なモノが置かれている。 演劇は全三部構成であり、第一部では登場人物の自宅の洗濯機が壊れたことをきっかけに、登場人物がその洗濯機を「主体」としてみなすようになっていくエピソードが語られる。

          批評・演劇・『消しゴム山』・チェルフィッチュ×金氏徹平

          批評・演劇・『Light house』・マームとジプシー

          ・形態:演劇 ・場所:東京芸術劇場シアターイースト ・年:2022年 ・概要 はじめに幸せそうな家族の食卓の様子が描かれ、時が経つにつれて登場人物達は大人になったり、死んでいったりする。 その後戦争を暗示させるシーンとなり、最後に島を出たことが一度も無いという登場人物(いっぺい)が船を漕いで島を出ようとする。 手法としては、当劇団に特徴的だという、同じシーンを劇中の異なる状況で何度も繰り返す「リフレイン」や、人の死を作品の重要な要素とすることや登場人物の感情を詳細に描きヒー

          批評・演劇・『Light house』・マームとジプシー

          批評・建築・『松濤美術館』・白井晟一

          ・形態:建築 ・場所:渋谷区松濤 ・年:1981年開館 ・目的:美術館 ・方法:楕円をモチーフにした平面、4階建て、中心に吹き抜けをつくることによる採光、階段・電灯・壁・鏡・調度品等のデザインの統一等 ・目的の新規性:特に見受けられなかった。 ・方法の新規性:特に見受けられなかった。楕円をモチーフにした平面図はヨーロッパのルネサンス期等の建築に見られる。吹き抜けによる採光は、案内の1ページ目に記載されているように敷地条件から決定されている。館内デザインの統一はスペインのガ

          批評・建築・『松濤美術館』・白井晟一

          批評 『音の家』 サンガツ

          ・形態:展示 ・場所:などや(東京都渋谷区) ・年:2021 ・目的:家の中に鳴る様々な音を聴かせる。 ・方法:様々な方法の混合。足湯、様々な集音・発音装置、香り、味と音楽の同時並行な体験、風船と扇風機、アンケート・監視カメラ等による体験のカスタマイズ等。 ・目的の新規性:やや低い。サウンドスケープの分野では「音楽」以外の音に注目することの重要性が言われていたり、家の中の音を観察してそれに対応した色を家の平面図上に塗るというワークショップのアイデアを以前見たことがあったり

          批評 『音の家』 サンガツ