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香りを味わう、香水を飲む

先日開催した「香りを味わう、香水を飲む」カクテルParty。

香水を飲んだら、どんな味がするのだろうか。

今回出したカクテルの芳香植物の成分が入った香水たち。

飲めないのは分かっているけれど、限りなく近い物を飲んでみたい。

精油とアルコールを混ぜると、香水が出来るように、芳香蒸留水とアルコールを混ぜると香水の様なカクテルが出来るのならば、それを飲んで、身体の内側から美しくなってもらおう。

そんな想いで、今回の会を企画しました。

カクテルづくりは、Park Barのバーテンダー佐伯さんにお願いしました。佐伯さんはご自身で育てた無農薬のハーブを蒸留し、お酒を提供しています。

こちらの写真は、メニュ―決めの打ち合わせでBarに伺った時の様子。

左から夏みかん、月桃、ローリエ、ラベンダー、金木犀のお酒です。どれも感動するほど美味しかったのですが、最後酔っ払ってしまい、記憶が曖昧なまま帰宅。大変な打ち合わせだけど、幸せな時間です。笑

芳香植物を使ったお酒には大きくわけて2種類あります。芳香蒸留水をジンなどのお酒で割ったものと、チンキを炭酸水などで割ったものです。

芳香蒸留水とは、植物を水蒸気で蒸留して採取した、水溶性の芳香成分が微量に含まれた香りのある蒸留水のことです。精油を抽出する際に得られるものですが、水と油は分離するので、精油は飲めませんが、芳香蒸留水は飲むことが出来ます。使用感や作用は穏やかで刺激が少なく、一般的な化粧水と同じようにpHは酸性。肌に直接つけても安全です。

チンキとは、ハーブをアルコールに漬け込み有効成分を抽出したものです。古来から薬酒として人々はハーブを漬け込み、健康や若返りの為に、身体に塗ったり、飲んだりしていました。中国の桂花陳酒なども金木犀を漬け込んだお酒で、リラックス作用があり、あの楊貴妃も飲んでいたとされています。芳香蒸留水よりも歴史が長いです。

何度か打ち合わせをし、今回は芳香蒸留水とチンキのどちらもお客様に楽しんでもらうことにしました。

こちらがカクテルのベースになるチンキと芳香蒸留水。

当日はまず、ラベンダーのカクテルからスタート。このラベンダーのカクテルは、一口飲むとハーバルな香りが口いっぱいに広がり、内側から綺麗になっているのを、分かりやすく感じることができます。お客様の反応も、期待していた通りでした。

ラベンダーのお酒 
ラベンダーの芳香蒸留水をジンとトニックウォーターで割ったものです。

ラベンダーの芳香成分には鎮静・鎮痛作用があるので、飲んだ後に「鼻どおりが良くなった」などの声があり、嗅覚と味覚から芳香成分が体内に取り入れられ、症状の軽減に繋がっていたのかもしれません。

当日も会場でラベンダーの蒸留をしました。

カクテル作りに使用するラベンダーの芳香蒸留水は、私が自宅で蒸留したものを使いしました。蒸留中は部屋中がラベンダー畑の様に香り、ディフューザーでエッセンシャルオイルを香らせるのとは、また違う、生温かく柔らかな植物の香りと蒸留音に癒されました。

続いては月桃のカクテル。バーテンダーの佐伯さんが奄美大島で伐採してきたものを蒸留していただきました。

月桃のカクテル。

月桃は、エッセンシャルオイルで嗅ぐと、鼻を突く強い香りで、苦手な人も多いのですが、芳香蒸留水にすると、マイルドな香りになるのでおすすめです。沖縄や石垣など、日本の温かい島国で自生しているショウガ科のハーブで、ポリフェノールがワインの34倍もあるという、女性に嬉しい植物。ハーブティーとしても有名ですが、カクテルにした方が飲みやすく、美味しいです。

続いては、金木犀のカクテル。

オレンジ色がキレイですね。

金木犀と言えば三大香木の一つ。香り豊かな植物として有名です。芳香蒸留水ではなく、チンキを薄めてカクテルにしました。

チンキはアルコールがベースなので、お酒が苦手な方には、ローリエ(月桂樹)の芳香蒸留水で割ったジュースを出しました。まるで森の中に迷い込んだかの様な清々しい自然の香り。甘い飲み物が得意でない私は、ローリエのお酒もお気に入りです。頭をすっきりとさせてくれ、ローズマリーと似た作用があります。

最後に出したのは、デザート感覚で楽しんでもらえるような、甘い夏みかんのカクテル。

夏みかんのカクテル。ビタミンカラーで元気が出ます。

こちらもチンキを割って、カクテルにしました。リフレッシュ作用や、消化促進などの作用があります。柑橘系は万人に愛されるので、ファンが多い香りの一つです。

ノンアル希望の方には、夏みかんの代わりに、ローズの芳香蒸留水を使ったノンアルカクテルを提供しました。

ドライローズの飾りが、可愛いです。

ローズは女性ホルモンの調整や、多幸感アップと女性に嬉しい作用が期待できます。エッセンシャルオイルのローズも高級ですが、その成分を含んだ芳香蒸留水を飲めるとは、とても贅沢です。かのクレオパトラも愛した事で有名なローズ。彼女も香るだけでなく、塗ったり、食べたりしていました。古代エジプトの時代から香りは人々を魅了し、自らを美しくしてくれるものだと感覚的に気付いていたという事なのかもしれません。

今回の会場でもローズの蒸留を行いました。
ドライローズから抽出したので、芳香蒸留水は燻した香りがします。

どのカクテルも美味しく、五感をフル活用した楽しい時間でした。ただエッセンシャルオイルをブレンドするだけでなく、植物の芳香成分を使って、心と身体に良いものを取り入れ、いつまでも美しく、良い香りでいれるようなイベントをこれからも開催していけたらと思います。

次回は、芳香蒸留水と香水の出会いや歴史について、書こうと思います。
お越し下さった皆さん、有難うございました!

Park Bar(パークバー)

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