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室内が空港になった日

大型の扇風機を買った。


今日は、この話をさせてください。

夏の気温は上がり続けるという予想のもと、しかしクーラーを使わないで過ごすことを目標に、どうすれば涼しくなれるのかということを私は考えていた。

扇風機があれば、服を濡らすだけでかなり涼しくなれる。
しかし、手持ちの扇風機では風が弱い。いかに静音を売りにした扇風機でも、速く回せば音が煩くなってしまう。そこで、ゆっくり回しても風が送れるような大きな扇風機があればいいじゃん、となった。

買ってみた。


羽直径56cm、重さ5キロの工業用扇風機だ。
性能表記は、3段階の風量調整機能、最大風速480m/min。

使ってみた。


部屋の壁際に置いて回してみたら、ぜんぜん風が来なかった。
考えてみれば当然だった。扇風機から吹きだす風は、扇風機が吸うことのできた風である。ならば、扇風機が吸い込めなかったら、風を吹き出すことはないのです。
私が買った扇風機は、収納に便利な薄型で、壁にぴったりとくっつけて置くことが可能なのですが、この状態では扇風機は空気を吸い込めず、結果、風が出てこないのです。使用時において、部屋の邪魔にならないから買った薄い形状は、役に立たないことがわかった。

壁から離して置いてみた。とても喧しい。煩い。
低速で回しても煩い。というか低速からして煩い。
空港の展望台でプロペラ機の離陸音を聞いているかのようです。
だが、風はすごい。謳い文句は本当だった。
部屋の中はまるで台風が吹き荒れているかのようだ。
床に敷いてある布が揚力を得て浮き上がるのを初めて見た。
きっと周りの部屋にもこの音は届いていることでしょう。

振動もすごい。
この扇風機を回すと床が揺れる。振動するのです。
この部屋だけでなく周りの部屋にも伝わっていることを確信させるほどの強い揺れです。

ダメだった。


十分な風量があって、静かに回る、大きな扇風機はないものだろうか。
3枚羽ではなく、7枚羽とかの。
首振りとか要らない。タイマーも無くていいから、静かに、しかししっかりと風を送ってくれる、そんな扇風機が欲しいです。

遠心ファンは嫌です。内部の掃除が面倒だから。


読んでくれてありがとうございます。

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