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音楽でコミュニケーションするということ

こんばんは!
一昨日宣伝させていただいた演奏会、無事に終演しました。
まだ余韻から戻ってこれない。。

今回は総勢約100人での演奏でした。アンサンブルって素敵だなぁと感じると共に、音楽でコミュニケーションをする難しさも痛感しました。私は「音楽で会話する」という表現をよく使うのですが、いったいどういうことなのか、言葉にしてみようと思います。

コミュニケーションとは

一般的には感情や意思、情報を伝えあうこと、と言われています。
その語源はラテン語のコミュニスから来ており、「同じものをもつ、あるいは共感するもの」という意味を持ちます。普段私たちは言葉を使って自分の考えや思いを伝えています。そのせいかコミュニケーションは言葉を使ったもの、と考えがちです。

言語以外のコミュニケーションとは

では、言葉を使わないコミュニケーションといえば何があるでしょうか。コミュニケーションの意味に立ち返るとわかる通り、感情や意思を伝えられる表現であれば何でもいいのです。たとえば、美術は形や色で、バレエは動きで表現します。音楽も同じように、音を使って表現します。作曲家は曲を作り出すことによって、演奏家は楽譜の解釈を踏まえた上で自分の伝えたいことを織り混ぜて音楽表現をします。

音楽で双方向のコミュニケーションは成り立つのか

今度は話を双方向のコミュニケーション、とします。私は音楽で双方向のコミュニケーションは成立すると思っています。
音楽を奏でている間、音を出しているのは奏者のみです。特に人数が多い吹奏楽、オーケストラ、合唱等では、奏者同士のコミュニケーションが活発に行われています。

具体的に我々は何を聴いているのか。考え方は人それぞれだと思いますが、私は音を通して奏者の意思を聴いています。今私の隣で吹いている人は、このフレーズのどこに頂点を持ってこようとしているのか、どのタイミングで次の音を持ってこようとしているのか、推進力を持たせたいのか、深さを出したいのか。0.1秒未満の世界で周りの人の意思をキャッチし、自分の次の音の出方を次々と判断します。そうして作られた音は私の意思を持ち、他の人へと伝わります。

長年一緒にアンサンブルをしていると、お互いの吹き方の癖やスタイルが肌で分かるようになってきます。曲を合わせていて、合わなかった箇所があった場合、一度演奏を止め、「もう一度やろうか」の一言だけ言って再開します。合わなかったこと、つまりコミュニケーション齟齬が起きた箇所に皆が気づいているので、頭のなかで原因をさぐり、こうすれば解決するのではないか、とあたりをつけます。そうしてお互いが少しずつ調整した結果、2回目はぴたりと合います。音楽のなかで十分コミュニケーションができているので、わざわざ言葉を介する必要はありません。

今日は音楽でコミュニケーションすること、について紐解きました。
言葉を扱わない世界を言葉で説明したので、すごく抽象的で難しい話になってしまいました。個人によって感覚が全然異なる話なので、こんな考えの人もいるんだ~くらいで考えてもらえると嬉しいです。
このテーマはもう少し掘り下げてみようと思います。

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