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年末のにぎわい京都へ

2023年の12月には京都に行きました。

友だちと大阪で落ち合う予定があったので、ではせっかくならと前乗りしてひとりでいくことにしたのです。

東海道新幹線はあまり乗らないのでわくわく。朝ごはんは迷いの末、崎陽軒のシウマイまんがたくさん入ったやつにする。はじめてたべた。ビールを飲みたい気がしたが一日は長いし、やめておく。

ちいさくてかわいい!すごい勢いであっという間に食べた

それで新幹線の中ではあいかわらずぼんやり景色を眺めたり、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んだりして音楽はコーネリアスの「夢中夢」をくりかえしずっと聴いていた。リリースされたのは今年の6月だけれど聴きたくなったら聴こうと思っていてそれは今日だった。このアルバムを聴くたびに今日のことを思い出しそうだ。

着、ホテル荷物預け、ビール飲みたい、のでまずは教えていただいた台湾料理のお店へ。丸太町駅から歩く、京都御苑の一辺がでかい…とほえ〜としながら歩く。

輝き

一日は長い、というわけで泣く泣くルーロー飯てきなやつではなく、パオに包まれたやつを食べる。何だか朝から同じようなものばかり食べているひとをやっていた。このパオが手にもった瞬間あたたかくて、むちむちと噛みごたえがあっておいしい。きゅうりがさっぱりしているし、高菜の塩味もちょうどよい。なにより豚肉!ルーロー(?)はしょっぱすぎるなと思うことがあるのだけれど、ちょうどよかった。台湾ビールは日本のビールと比べるとのどごしは控えめで水みたいだなあと思って飲んでいる。

それで、誠光社へ。思えば昨年も京都に来たのは12月だった、1年ぶりの来訪。音楽も雰囲気も品揃えもすべてがパーフェクトでこんなお店近くにあったら間違いなく通うだろうな。迷いの末、「美味しさの傾き ワイン屋がオーストリアを訪ねた記憶」(室原卓弥)にしてみた。あとレジ横で売られていたコーヒー豆も買う。

どういうふうに行こうかなと悩み、まずは京都府立植物園へ行ってみることに。歩いていくことにしてぐんぐん北上していくと、出町ふたばを通りかかる。昨年は並び過ぎていて断念したがそんなに並んでない…?と思ってえいやっと並ぶ。ちゃきちゃきした店員さんたちが気持ちがいい。豆餅を買う、そうだ!鴨川沿いを歩きながら食べればいいのでは!

鴨川沿いをぐんぐん歩く。でかい鳥(鷺)がたくさんいてオッ!と思う。白鷺、青鷺に加えてたぶん黒鷺(真偽はわかりません)もいた。でかい鳥ラヴァーとしてはこのうえない展開。

君たちはどう生きるか

そういえば…鴨川沿いってとんびに食べ物とられるタイプのアレじゃなかったっけ…と我に返り(鎌倉でとんびにドーナツを奪われてから恐怖)、周囲にとんびはいなさそうではあるがこそこそきょろきょろと豆餅を食べる。これ、ほんっとうにおいしいんですね、並ぶのもよくわかりました。ほどよい塩味とぶちっとした皮、甘さ控えめの餡子、ザッツパーフェクト。

植物園着し、ふらふらと歩き回る。ひとが少なくていい。ザ観光地に行くよりもこうして普段いない場所に自分を置くことで深く深く思考すること、普段とはちがう考えが浮かぶことに悦びを感じている。(複数人の旅行だとまた違うと思いますが)

蓮の花はいい

そのあとはお隣の、陶板名画の庭へ。誰もいない。左右を滝が流れていて、轟轟と水の音がする中で見るばかでかい最後の審判は、なんだこの体験?という感じで愉快だった。安藤忠雄デザインの建物が余白たっぷりでうつくしい。鳥獣戯画もあってこれは昔の漫画みたいなものなのだろうか、知識が乏しいがかわいいイラスト好きのわたしとしてはにまにまと見ていた。

蛙がかわいい

そのあとは今回のメイン目的のひとつである、AMBIENT KYOTOへ。まずは京都新聞ビルの方の、坂本龍一+高谷史郎の展示へ。ドープな空間だな…と圧倒されつつベンチに腰をかける。みんなどういうことを考えながらみているんだろう、と考えていた。最初はなかなか馴染めなかったけれど途中から馴染んできてずっといられそうな感じがしてくる。気分が凪いできて空間と自分の身体の境目があいまいになっていくような感覚。

お腹も空いてきたし瓶ビールが飲みたいなとのことで、これまた教えていただいたたつみまでてくてく歩いて、立ち飲みに入れてもらう。

にぎやかさと静けさがあいまっているような不思議な空間。名物のどて焼き、あんぽ柿クリームチーズ、コロッケを食べて瓶ビール。どれもおいしい!あんぽ柿クリームチーズは日本酒ぴったりだろうな。コロッケはあつあつでビールがぐびぐびすすんだ。やっぱり衣のさくさく感には炭酸のしゅわっとしたお酒だなあと思う。耳に入ってくる京都のイントネーションが新鮮。

居心地がよく、のんびりしすぎて気づいたら時間がない、京都の街をガンダして、AMBIENT KYOTOのもうひとつの会場、京都中央信用金庫 旧厚生センターへ。最終入場時間ぎりぎりになってしまった…こちらの会場の方が展示が多く、圧倒的に計画性のない人間イズヒアである。

何も伝わらない写真

霧中夢の展示、いちめんじゅう霧の中で自分の手しか見えない。視覚を奪われた状態で大きい音で音楽を聴くという体験ってそうそうないよな、と考えながら、わたしはとてもにまにましていた、音に集中する。霧中夢の「dream」の瞬間は血管の血液からふつふつと興奮しているようだ。

QUANTUM GHOSTSの展示は360度スピーカー。時間の関係で誰もいなかったので独り占め。立つ位置によって音の聴こえ方が違うし、音楽っていくつもの音の重なりなのだなあと当たり前のようなことを考える。

日頃生活していてなんとなしに音楽は聴いているところ、何かをしながら、例えば歩きながら、皿を洗いながら、洗濯物を干しながら聴いていることが圧倒的に多い中で、ただただ「音(音楽)を聴く」という体験ができたのは悦ばしいなと思うし、何かしながらではなく意識して「音を聴く」ということを日常でもやっていきたいなと思う。

出て、ビール飲も飲もと思って歩き、高瀬川のほとりにある京都ビアラボへ。フライドポテトをつまみながら、SUPER HAZY BROS / スーパーヘイジーブラザーズをハーフパイントで。今年は行く場所行く場所のビアバーでHAZY IPAを飲んでみていて、しかしちゃんと名前控えてないのどうなのよまた出会う気あるのかしらこのひと…という感じなので、きちんと名前を控えておこうと思います、来年から。かろやかでまろやかでおいしいし、食べ物がなくてもすいすいいけちゃうところが好きなところ。これもパイントでもよかったなと思いながらごくごく飲む。フルーティーともちがうこの感じをどうにか言葉にしたい。

ビール欲が満たされたので、日本酒が飲みたいなあできれば熱燗、と思いながら歩く。サウナの梅湯を通りかかる。入りたかったけれどお酒を飲んでいたので、写真だけ撮る。高瀬川が静かでいい、それに満月。

マップで検索してヒットしたお店をみてみると誰もいないので、えいっと入ってみる。常連の方が次々とこられて、おこぼれをいただきご相伴にあずかる。通りかかった夫婦の方が来店し、最近引っ越してきて入ってみたいと思っていた、というお話をされていて、お店の方も含めてしばらくお話しして、よく笑った、たのしい時間を過ごす。こういうことがしたかったんだった。京都は一見さんお断りのお店や、常連の方々が和気藹々とされていてなかなかに入りにくいお店が多い気がしますよね、という話をしていると、常連の方が、意外とそうでもないんですよ、入ってみたらいいと思います、というようなことをおっしゃっていた。旅人だとより気楽でいいのかも。

京都の日本酒をいくつか飲んで、それでこのラムを自家製コーラとともにラムコークでいただいたものがとってもおいしかった。ラムはストレートで飲むのが好きでディプロマティコとか、ラムネイションとか。でもカクテルとしてラムコークもおいしいんだなあと発見。

お隣はジン

旅人のわたしがこの方々に再会することはなかなか難しいだろうけれど、またいつかどこかで、と言ってお別れした。夜の京都の街をふわふわと歩いてホテルに帰った。25,000歩。

翌朝、京都タワーを眺めながら、すこしかたくなった出町ふたばの豆餅を食べる。来年もどこかで京都に来れたらいいなあと思います。

豆餅に京都タワーを見せてあげてる
無理やりあけた容器から鴨川でとんびを警戒しあわてていた様子が垣間見える

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