見出し画像

〜〜波待ち日記〜〜 日本初のリアルサーフィン小説、テイクオフ

3月3日(水)ノーサーフ

ノーサーフなのに、「波待ち日記」をしたためるのにはワケがある。

「波待ちラジオ」での雑談から始まった企画、日本初のリアルサーフィン小説「ビジタリズム」の第1話が、本日めでたく公開されたからだ。

「ビジタリズム」とはなんぞや?

と思われる方もいるだろう。これについては小説のディスクリプションが参考になると思うので、以下に引用する。

ある時、ふたりのサーファーが初めて訪れた「万里浜(まんりはま)」。そこは、異色のサーファーたちがひしめくワケありのポイントだった!?クセの強いローカルサーファーに翻弄されつつも、そこで割れる最高の波、そして人々に、ふたりは徐々に惹きつけられていく——

ビジターサーファーの視点を中心に、ポイントで交差する様々なサーファーたちを描く、日本初?のリアルサーフィン群像劇。

ビジタリズム(visitorism)」とは、ビジターサーファーとしての振る舞いや考え方を意味する造語。決して「ローカリズム」と対立するものではなく、それぞれ海への距離感は違えど、最終的にはサーフィンを通じてリスペクトし合える世界を実現したいという祈りも込められています。

サーフィンをしていると、必ず「ローカル」だとか「ローカリズム」と言う言葉に触れる時が来る。そしてそれにまつわる様々なエピソードも聞く。反対に、「ビジター」という言葉や、ビジターサーファーにまつわるエピソードも、である。

僕自身、サーファーとしてはビジターとして経験を重ねているワケだが、これまでのサーフィン人生の中で思うのは、サーファーというものは、決して「ローカル」と「ビジター」という単純な二項対立で語れるワケがない、ということだ。

同じローカルサーファーでもいろんな立場の人がいる。ビジターサーファーの中にも様々なタイプの人がいる。

そして、もう一つ確かなのは、海との付き合い方は違えど、皆サーフィンを愛している、という事実だ。

僕はこの小説で何かしらハッキリしたメッセージを込めるつもりは一切ない。ただ、サーフィンが大好きな人たちが織りなす雑多な群像劇が描けたらいいなと思っている。

「リアルなサーフィン小説」とはなんぞや?

と、思われる方もいるだろう。

これは決して、物語の舞台や人物がリアルに存在する、ということではない。むしろ、それらは荒唐無稽なくらいフィクションだらけで構成されている。

ここでいうリアルとは、サーフィンにまつわる描写のことだ。

世の中にサーフィンをテーマにした作品は他にもたくさんある。もちろん小説もたくさんある。しかし、僕の知る限り、「僕ら一般サーファーが、サーフィンの行き帰りに繰り広げる会話」のようなリアリティを持った作品は見たことがない。

この小説は、まさにこの点に一番力点を置いていると言っても過言ではない。

波の描写、サーフィンの描写、サーファー同士の会話の描写、それら一つ一つが、サーファーにとって「ああ、わかるわかる!」というものになれたらいいなと思っている。

小説である以上、登場するサーファーはかなりキャラが立っているかもしれないが、繰り広げられる言動には、サーファーのリアリティが詰まっている。そんな物語を目指したい。

それゆえに、恐らくサーフィンをしない人にとっては、「ストーリーの劇的展開もないし、なんのことやらさっぱり……」という作品になるだろう。その代わり、サーファーが読めば心底共感できるようにしたい。

読めばサーフィンのためにもなる

もう一つ目指したいのは、小説を読めば、サーフィン上達のコツみたいなものも拾えて、「今度海で試してみよう」と思える情報を物語の中に盛り込むことだ。

もちろん、プロのコーチが内容を監修してくれているわけではなく、僕の経験に基づいている部分も多いので、それは「親切な先輩サーファーの助言」程度であり、それを信じるか信じないかはあなた次第、という世界なのだが、ストーリー以外の部分でも読む価値があるものになれたら良いなと思っている。

キャラが勝手に動き出しますように

——と、改めて、この作品について考えていたことを書き出してみると、志だけはとてつもなく高かったんだなということに気づき、自分でも若干慄くのだが、「ビジタリズム」は、作者自身、まだ物語がどう進んでいくのか全く想像できていないぐらい見切り発車の作品である。

舞台やキャラについてはある程度設定を整えているが、特に細かいプロットは作っていない。

よく、熟練の小説家が「キャラが作品の中で勝手に動き出す」などと言うのを聞くが、ビジタリズムの場合は最初からそれ頼み、という状態だ。

それでも、サーフィンに関するテキストを書く、というのはライターとしていつかチャレンジしてみたかったことなので、自分も一読者の目を持ちつつ、楽しみながら進めていきたい。

読者参加型小説?

この作品は連載型小説となっていて、一話分として公開されるのは3,000文字前後と、小刻みに進行していくことになる。

文量的にも、毎回カジュアルに読めるぐらいだと思うので、サーフィンの1ランド後や、海へ向かう、あるいは海帰りの友人が運転している車中など、とてつもなくヒマな時に、気軽に読んでみていただければと思う。

そして、気が向いたら、感想とか、「こういう展開アリなんじゃ?」とか、「こういう事件盛り込んだら?」のようなご提案など、なんでも良いのでコメントをいただけるととても嬉しい。

そういう、読者が創作に参加できる、みたいなコンテンツにできると、今っぽくてなおさら面白くなるのではないかな、とも感じている。

〜〜波待ち日記〜〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?