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好きをゆる~く愛する審神者生活

これはプライベートで精神が疲れ、好きなものを手に取るのも辛かったアラフォーが、とあるコンテンツのとある場面を見て心が救われた話です。

生きることに疲れた私へ、沼の底へおかえりなさい。


推し活について

2020年あたりからZ世代を中心に聞くようになった「推し活」。
最近では推し活という言葉の高い汎用性を利用して、コンテンツにハマらせようとビジネス化されて、なんだかなあ……モヤモヤという言葉になってきました。

ですので「推し」という言葉は使っても、説明を除き「推し活」という言葉は使いません。

そもそも推し活とは何か。
推し活とは元はアイドルファンの間で使われていた俗語のようです。
婚活・オタ活・朝活・妊活・終活などと同じで「目的を成し遂げる努力」を、「自分が好きで応援する対象」として愛でたり贔屓にしたりする活動のことを言います。

いまや5人に一人は推し活をしているそうです。
そりゃあ、ダイソーやしまむらなどの有名企業がこぞって「推し活グッズ」を販売するわけです。
この推し活グッズの乱立は、推し疲れといって、推しを応援する力が少なくなったり消えたりすることへ拍車をかけたような気がします。

それと、各コンテンツに必須となってきた、ランダム商法(※中の商品の内容がわからない状態で販売する、ブラインド商法とも言う)など、こちらの弱みに漬け込んで金銭を消費させようとする手段もどうかと思っています。
推しじゃないのも好きだけど、欲しいアイテムはコレじゃない。
ランダムの嫌な所は集めないグッズをメルカリに出したり、絶対に集めたいグッズがメルカリで高値で買われているところです。
欲しい物を買いたいという簡単な願いが叶わないことは、地味なストレスです。

推しは人物やキャラクターだけではありません。
仏像や動物など人物以外の施設や概念などを好きで応援している人もいます。
この説明を聞くと、推しが無い人なんて居ないのでは無いのでしょうか。

以下は特に読まなくてよいので、興味ない方は飛ばしてください。

刀剣乱舞とサンリオの箱推しをしています

Q:好きな理由は何ですか?

→刀剣乱舞
A:分からない。始めたのは2018年と遅かったのですが、寝ても覚めても刀剣乱舞のことしか考えていなかった。資材の枯渇やレベル上げなど辛いこともあるが、死ぬまで……死んでも側にいてほしい。今欲しいものは陸奥守吉行の模造刀。

→サンリオ
A:分からない。物心ついた頃からサンリオキャラクターたちが側にいるのが自然だった。子供が産まれてハーモニーランドに行かなければ、キティちゃんの魅力を知らずに過ごしていたかと思うと悔しい。子供が推し変(推しが変わること)しても私はサンリオを愛する。今欲しいものはハーモニーランドの年間パスポート。

※刀剣乱舞→日本刀を男性に擬人化した「刀剣男士」(とうけんだんし)を収集・強化し、日本の歴史上の合戦場に出没する敵を討伐していく刀剣育成シミュレーションゲーム。本家ゲームの他、多数のデフォルメグッズ化、漫画化、アニメ化、無双シリーズ、2.5次元舞台化などの他に博物館などで実物の刀剣とのコラボ企画もやっている。プレイヤーの通称は審神者(さにわ)

※サンリオ→世界で愛されるハローキティ他、約450種類のキャラクターを生み出す会社。仕事を選ばないなどと言われているが、実際は「中々売れず無くなってしまいそうなものがあったら、うちに言いなさい。キャラとコラボさせたら売れるから。私は世界中皆が仲良くするためにこの会社を作った」という創業者(=いちごの王さま・辻信太郎氏)の言葉によるものです。大好き+大好き=最高に素敵!

特定の人物やキャラクターを応援する事を「単推し」、グループやコンテンツ全体を応援することを「箱推し」と言います。
もちろん箱推しの中でもヒエラルキーはあり、コンテンツの中身を平等に愛することはありません。私は神様ではないので、どうしても贔屓という存在がでてきます。
その贔屓する存在が「単推し」なのでは?と思うでしょうが、私の中では「単推し」同士が仲良い姿を見せてくれるのが好き。
「コンテンツ全体が好きだ!」という結論になっています。

例えば、大好きな「ハローキティ」と「ポチャッコ」が絡んでいる姿を見ると嬉しくて大興奮ですが、その周りで二人のやりとりを見守っている「シナモン」と「マイメロ」も大好き。

これは単推しが四キャラクターいるのではなく、サンリオの雰囲気も含めて全部が好き……箱推しではないでしょうか?
この辺りの線引きは個人により違いがあると思います。
推し活のあり方は「こうでなければならない」というのが無いので、自分自身が楽しんで充実感や幸福感を持つことができ、他人に迷惑を掛けなければ細かい事は気にしなくてOKだと思っています。

私生活での疲れとストレス

一番好きな刀剣乱舞について。
最初は推しへの熱意が高く、小さな情報で一喜一憂し、公式からの案内で大喜びしていました。X(旧Twitter)では二次創作作家さんを手当たり次第フォローし、推しの素敵なイラストや小説を見ては癒されていました。

仕事やプライベートで疲れた現代人は余裕がなく、好きなもの=推しに対して長く深く愛することが難しくなってきています。
推しの事が好きなだけなのに、推しの事を考えると胸が苦しくなる。
このような現象を「推し疲れ」と呼んでいます。
ファン同士の諍い、運営への不信感、推しの結婚や熱愛、SNS上のマウント合戦。もはや推し疲れを避けるのは困難です。

冒頭でも書きましたが、プライベートで生きることがしんどくなっていた私は、毎日ログインしてイベントも全参加だった刀剣乱舞を、2年ほどお休みしています。
今思うと、あれはうつ病一歩手前だったのかなあ。
それくらい追い詰められていたと思います。

理由はありきたりで、不妊治療を始めた事です。
この辺は別のnoteに書こうと思っています。

「疲れてログインすらできない」
「鳥羽(マリオでいう1-1)がしんどい、何もしなくない」
「SNSを見ているとモヤモヤする」

自分の癒しになるはずだった推しの存在がしんどくなる時があります。
私は心が死んでしまう前に自然とログアウトしちゃいましたが、辛いからこそ推しにのめり込むと……大変な苦労をしてしまった事でしょう。

”好き”への距離感

「あちゃー。あんたのこと嫌いになったかなー。……大丈夫。俺だけは愛してやっから」

賛否両論ある加州清光・極の修行見送り台詞です。
あの時修行に出した刀剣男士は覚えていません。
辛いことがあって現実逃避のつもりで、久しぶりにログインした刀剣乱舞に情緒を乱された。

本当?どんな私でも愛してくれるの。
うわ、わたし……重たーい。
弱ったときに知り合った人を信用してはいけませんと聞きますが、その通りです。
見事に清光沼に落ちると、刀剣乱舞の無理に頑張らなくて良い緩さが心地よくて、あっという間に刀剣乱舞の世界に戻っていました。

初期刀は陸奥守吉行です。
詳細は省きますが、本丸2個目なんです。1個目の初期刀が加州清光でした。これだけで小説一本書けそうな審神者歴がありますが、需要がなさそうな話は置いておいて。

再開した頃、特命調査・天保江戸の復刻イベントをやっていたのかな。
未入手刀剣男士を必死に顕現させ、忘れていた日課の消費など、もう水を吸うように以前の審神者生活を思い出して、本丸に住んでいる妄想が現実になったかと思うくらいどっぷり浸かっていたな……遠い記憶。

やばい、このままだと育児と家事が疎かになる。実際子供に「ママ、もしもし(スマホ)みないで」と言われる始末。

以前と違いほぼワンオペ育児をしながらの激務パート勤務。子育てにイライラ、仕事にイライラ、何もかもにイライラして疲れちゃう。
そこで、推しへの熱意を少しセーブしました。

「好きになりすぎると視界が狭くなる」
「些細な出来事が許せなくなる」

好きなことに重たい感情を抱いて、心が疲れたくない。

推しは心の支え。
神社でいただく御守りのような存在。
常に側にあるけど、ある事を忘れちゃってる。
これくらいの距離感が私にはちょうど良い。

まったり、ゆったり、ゆるく好きになる。
”好き”をゆる~く愛するだけで心の支えになり、日常が明るくなりました。

もちろん常に頭の片隅には推しの存在があります。しかし、以前のように推しを何よりも一番に想うのはやめました。

「長谷部くん、藤が咲いたね」「無印に行ったらむっちゃんカラーだらけで嬉しくなった(いい感じのポーチを購入してしまう)」「三日月さん、月がきれいですね」
ふと気づいた時に好きなもの・好きな人と結び付けて、妄想しているくらいがちょうどいい。

世の中には素敵なこと、素敵な場所、素敵な人が溢れています。

推しに一直線の視線を少しずらしてみると、世界は広いのだと気持ちがすっきりします。
辛くて何も手につかないというときは、完全に視界から外してしまうのも良いでしょう。
好きなものに一直線なのはとってもすごい事ですが、愛し続けるって気力と体力が必要。あと財力もね。

本当に好きな存在は、一度離れても自分の気持ちや体調が落ち着けば、違う視点から再び恋に落ちるかもしれませんよ。実例がここにあります。

誘惑やストレスの多い毎日、推しが居れば桜色の日々を過ごすことができるでしょう。

今のマイブーム

私が今一番ハマっているのはぬい撮りです。
※ぬい撮り→推しのぬいぐるみを買ったり、作ったりして、お出かけに連れて行き写真を撮ることです。

本物のわんぱくむつのかみよしゆき、プライズ(ゲームセンターで取得)のミニわんぱくむつのかみよしゆき。どっちも可愛い。

スーパーへの買い物も、ちょっとおしゃれなカフェでも、有名な観光地でも一緒。嫌な仕事がある日は職場まで連れて行って、カバンの中でお留守番してもらってます。
推しと同じ景色を眺めた記念になるので、いつも一緒です。もちろん他人に迷惑をかけないように。映り込みなどには気をつけています。

終わりに

推し活という便利な言葉は日常に浸透してきていますね。
「あ、これ推しのイメージだ。なんか幸せ」
「へーコラボか。行けたらいこ」
「また一番くじか。今回はパス」
「欲しかった推しがメルカリに居た、お迎えする」
「ブラインド文化なくなれ」(買わない)
「また新しい舞台か。配信で見れたら見よう」
「しばらく休んでたけど刺繍したいな、推しイメージのハンカチがほしい」

色んな事に疲れて負の感情が溢れる前に、ここから先は手を出さないという線引きをして楽しく過ごしたいです。

ー 推しに命を救われたアラフォー審神者が離れていたコンテンツへ復活した話 ー

春の虚無期間に……大慶くん(予想)がんばります
2024.04.27 ari
※ヘッダー画像は2023年福岡市博物館開催の黒田侯爵展です。

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