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タスクシュートとPEFECT DAYS【ユタカジン】


はじめに

おつかれさまです。

このマガジンは「自分らしい時間的豊かさを追求する」をテーマに、複数のタスクシューターが時間との向き合い方、タスクシュートの使い方、ひいては人生観などを交代で語っていく連載です。

月曜日はわたし、「タスクシュート認定トレーナー」、そして「タスクシューター界のジェームズ・ボンド」ことありひとが執筆を担当します。

前回は「神話の解体」というテーマで「ルーチンの神話」について書きました。

今回も続く形で「プラン編」か「ログ編」を書くつもりでした。

が、先週遅ればせながら『PERFECT DAYS』という映画を観ました。

この作品はタスクシューターとしても色々考えさせられる内容だったため、「神話の解体」シリーズを一旦止めて、今回は『PERFECT DAYS』について感じたことを綴っていきます。

ABOUT 『PERFECT DAYS』

『PERFECT DAYS』はドイツの名匠ビム・ベンダース監督が、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレ清掃員である平山が送る日々を描いた映画です。

日本でも去年(2023年)の年末に上映されて話題になっていたので、観た人も多いかもしれません。

わたしもずっと観たいと思っていたのですが、なかなかタイミングが取れずじまいでした。

上映から時間も経ってしまい諦めかけてたのですが、先日飲んだ映画好きの友人に「絶対観ておいたほうがいい」と強く推されたので、まだ上映している映画館を探して行ってきた次第です。

結果、行ってほんとに良かったと思います。

この映画は、マクロで観れば非常に静かです。

前述のあらすじの通り、トイレ清掃員・平山さんの毎日の繰り返しを描いています。

平山さんは寡黙な人で、仕事に誇りを持ち、毎日をていねいに過ごしています。

その生活はタスクシュートで言えば「ルーチン」の連続で構成されています。

早朝(パンフによれば5:15)、家の前を掃除する竹箒の音で目覚め、花に水をやり、身なりを整え仕事に出かけます。玄関を出てまず空を見上げ、家の前の駐車場にある自動販売機で缶コーヒーを買い、車に乗る。お気に入りのカセットテープのコレクションから今日聞くカセットを選び、セットして車を走らせる、スカイツリーが見えてきたタイミングで曲をかける。そして、仕事現場であるトイレに到着し、仕事を始めます。
その日担当分の現場が終わったら、銭湯に行き、帰りは地下にある居酒屋で一杯飲み、寝る前は布団で寝落ちするまで文庫を読み、そのまま夢を見る。そして朝が来る。

基本的にこの毎日が繰り返されます。

この映画が自分にとってどうすばらしいのか、なにが刺さったかを言語化するのは正直かなり難しいです。

それは「今このタイミングだからこそ」というわたしのパーソナルなコンテキストあっての感想だからです。

ここ数年、自分は人生に対して色々と考え方が変わりました。すべてはタスクシュートと出会ってからです。

タスクシュートという1日にフォーカスした時間管理メソッドに傾倒し、「時間」というものに真剣に向き合いはじめたこと。

習慣家・井上新八さんのnoteを含めた発信や著書である『続ける思考』に影響を受けまくっていること。

同じく影響を受けまくっているjMatsuzakiさんの著書『先送り0』を読んで、タスクシュートと人生の幸福についてずっと考えていること。

これらの要素が絡み合ってる今の自分だからこそ響いたものがある、そんな作品です。20代前半とかに観てても『なんか退屈な映画だなぁ』で終わってたかもしれません。

同じことの繰り返しだから変化に気付ける

静かな映画といいつつ、映画の中で平山さんの日常の中にさまざまな「ゆらぎ」が起こります。

ちゃらんぽらんな若手の同僚が持ち込んでくる小さなトラブル、平山さんの過去に触れる家族の訪問など、ひとつひとつが平山さんの人生に何かしらの作用をもたらします。

なかには、平山さんの心を大きくザワつかせるというか、ゆさぶるような事も起こります。

それでも平山さんは毎日を大切に生きる。その変化を楽しんでいるようにすら見えるのです。

映画の中でよく空を見上げる平山さんは、その都度少し微笑むような表情をします。別に晴れてなくてもです。

わたしはこのシーンがとても印象的です。羨ましさを感じるのです。

どんな状況でも、どんな心理状態でも空を見上げているときは「今この瞬間」に意識が向いている、そして笑えるような日々を送っている。そう見えるのです。

1日なんてあっという間です。現代人は忙しいので、特にそう感じるでしょう。

意識しなければ、「いつもの毎日」がどんどん流れていってしまいます。平山さんのように毎日をていねいに生きるというのは、言うほど簡単ではありません。

でもわたし達にはタスクシュートがあります。
タスクシュートを使いながら、ひとつひとつの動作に集中して、積み上がった1日を強く感じることができます。

タスクシュートによって、実は毎日が「ルーチン」によって生成される「プラン」どおりとは全く異なること、すなわち常に変化していることを確実に体感できるのです。

わたしは空ではなくタスクシュートの画面を見て、微笑むことができる日々を送りたい、そう強く思いました。

自分の「PERFECT DAYS」は自分で定められる

平山さんは社会的に見れば決して裕福な生活をしているわけではありません。

それでも平山さんの生き方に不幸は感じません。

パーフェクトな1日というのは誰か他人が評価するものではなく、自分自身で定義できる、そう思わせてくれる映画でした。

まさにわたしがタスクシュートを使いながら目指しているものを描いてくれています。

上映回数はだいぶ少なくなっていますが、調べたらまだ上映している映画館もあるようです。まだ観ていなくて興味が出た方は、ぜひ足を運んでみてください。

今日はこのへんで。
ありひとでした。


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