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勉強体質は大切な遺産相続(ママン別居日記106)

前回も書いたが、私の母は勉強することが好きだった。

若い頃からカルチャーおばさんで、学歴は高卒だが、家庭の事情で進学できなかった分、自ら「◯◯講座」なるものを受講して学んでいた。


例えば、仏像が好きで(信仰には全く興味が無く)、専ら国宝や文化財として学び、巡り歩いていた。中国に行ったりもしていた。


また、中世の文献を読んだりもしていた。『吾妻鏡』は、師が亡くなった後を託され、母が引き継いでお仲間と勉強を続けた。今も捨てられず、沢山の書き込みのある書物が少しだけ取ってある。


源氏物語も、母が教わっていた先生がなんと私の大学の非常勤講師になり、たまたま私のクラスの授業に当たって、親子二代で学ばせてもらったこともあった(笑)。


歴史も大好きで、細かい年号もよく知っていた。
俳句もトイレのカレンダーの横に書き込みがあったりしたが、その分野はあんまりだったかな?(笑)


私が子どもの頃は、落語やチャップリンの映画にもよく連れて行ってくれた。


自分が高校までしか学べなかった分、生涯、学び続けていた。


県立金沢文庫で、展示の解説もしていた。それが楽しくて楽しくて、母の生き甲斐となった。


私は、極々たまに実家に行っても、母が嬉しそうに喋るのが鬱陶しくて、ほとんど話を聞いてあげなかった。今思えば、聞いてあげたら良かったなと思う。


奈良・京都や鎌倉に詳しく、私も何度か一緒に旅したが、見事なまでの博識だった。


亡くなる少し前、双子と京都を旅する計画をしていたが、叶わなかった。
母の死後、2人は母の計画通りの経路で二人旅をした。母の残してくれたお金で。お賽銭用の5円玉も袋に沢山用意されていた。
母は、いろんな解説をしながら、二人を連れて一緒に歩きたかったのだろう。



学ぶことは本来、楽しい。


勉強は我慢してやるもの、という意識が植え付けられてしまっている人が多いのか、日本の大人は、世界と比べて勉強しない傾向にある。

25歳以上の通学率は、日本は僅か2%。OECDの平均は21%だ。
アメリカ人の大人が1時間勉強している時に、日本人は5分しか勉強しない。


また、日本の社会人の勉強時間は平均で1日7分。(1日たったの7分!!)
それは、国の成長も止まるわけだ。



毎日、何かしら勉強すると、毎日必ず変化する。少しでも勉強すると、明日は今日と違う自分になっている。


勉強は、大切な遺産相続となる。
勉強体質は、土地や金、どんな遺産より大切だ。



【勉強の楽しさを知ると、人生は無敵だから。】


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