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映画『ハウス・オブ・グッチ』富や名声や権力の味を覚えた女豹の末路

公開前からとても気になっていて
昨夜アマプラにてレンタル字幕で初見。


レディー・ガガ演じる
〈パトリツィア・レッジャーニ〉は
最初父親の小さな会社で事務仕事をする
とても感じが良くて社交性の高い
やや上昇志向の強い人物で、

アダム・ドライバー演じる
〈マウリツィオ・グッチ〉は
グッチ家という名のある家柄的に
ふさわしい相手でなければ結婚は許さないという態度の父親の影響があり
女性に奥手気味な性格の
弁護士を目指すジェントルマンだった。

そんな相反する二人があるパーティーで出会い、
積極的で情熱的なパトリツィアにマウリツィオは押される形で愛が育まれていったことから
悲劇のカウントダウンは始まっていく___


実話を基にした世界的有名ブランドの映画は『イヴ・サンローラン』以来に観た。

まずガガ様とアダム・ドライバーのファン+主に80~90年代が舞台となっている点で強く惹かれたし、
愛憎劇ではあるものの ややコミカルな部分もあって思ってたよりエンタメ性が高く見やすかった。


ガガ様の芝居はMVではよく観てるけど
ガッツリ観るのは初めて
22歳~49歳のパトリツィアを演じたとのこと、
ほどよく純粋でエネルギッシュな若い時代から
グッチ家に嫁いで身なりも内面も派手に大胆に小賢しくなっていく様をたのしめた。

一方アダム・ドライバー、
存在感抜群の大きな体を使って
シャイで・誠実で・たまの笑顔が最高なマウリツィオを演じる様は
パトリツィアがグイグイいきたくなる気持ちがわかるし、
一度家を捨てて パトリツィアの父親の会社で生き生きと働き
休憩中にはあんなに激しく求め合って幸せそうだったのに
年を取るにつれてどんどん欲深くなっていく妻に愛が冷めていく姿は観ている方も悲しかった。


ただここで一旦冷静になって考えてみたら、
パトリツィアは けして己の私利私欲の為に動いていた訳ではないのかなと。

そう思ったのはハウスメイドが紛い物のGUCCIバッグを夫にプレゼントされたと聞いてパトリツィアがマウリツィオとアルドに怒って詰め寄ったシーン、
おそらくパトリツィアは純粋に
嫁いだ家の名前がついたブランドを守りたかったんじゃないかと。

でもそこでアルドが言ったことは
なんというかリッチマンの余裕というか
寛容さも時としてビジネスには大事だという姿勢が垣間見えた気がしたし、
グッチの血が流れていないパトリツィアはちょっと出過ぎたのかなと思った。


そして先ほど書いたコミカルな部分とは
グッチ二代目社長 〈アルド・グッチ〉の息子、〈パオロ・グッチ〉の存在。

彼も彼なりに頑張っているのがすごく伝わってくるけど、
グッチ家の洗練されたセンスがこれっぽっちもなく
言動も不思議ちゃんも不思議ちゃんな人物で
でもその憎めなさが魅力的だった。

脱税容疑で逮捕されたアルド(演 アル・パチーノ)が
パオロ(演 ジャレッド・レト)に言ってみれば無自覚に嵌められて逮捕された上に、
株式の50%を勝手に売り飛ばされた時の二人のやりとりが笑い事じゃないけど
怒りと愛情を絶妙に感じてついつい笑ってしまった。
この親子シーンほんとお気に入り。


25年間生きてきてブランドものに興味を持ったことも、
自分も持ちたい!身につけたい!という気持ちになったこともないので
それらを持つことの価値はよく分からないけど、
こうやって内部のゴタゴタを描いた悲哀や喜劇に満ちた人間ドラマには死ぬほど興味があるので
観る価値のあった作品だった。



予告のワクワク&ヒリヒリ感すごいし
ユーリズミックス「Sweet Dreams」が世界観にぴったりすぎる


ガガ様のインタビュー
言われてみれば…🐈️🦊🐆

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