#いけぽぐ12th JC勝手に血統レビュー

本投稿はいけぽんさん主催による「いけぽぐ」の「ジャンピングチャンス(以後JC」により入れ替わりで入った馬の血統レビュー並びに今後の展望と大いなる野望を考察する記事となります。
以前行っていた勝ち上がり馬血統レビューが私の都合で更新できなくなってしまったので代わりにと言うのも何ですが、残り2ヵ月を楽しむ上でのちょっとした要素となると幸いです。
また、参加者におかれましてはご連絡頂けましたら随時追加更新しようと思いますのでお気軽にお声がけください。


・クリノオリーブ

牝 父:ニューイヤーズデイ 母:クリノラホール 母父:ダイワメジャー
1/26生 日高町 横井哲氏生産
栗東 谷潔厩舎 オーナー:栗本博晴氏
POG所有者:いけぽん氏
2023/9/10 2歳新馬 阪神芝1600m 10着
2023/10/1 2歳未勝利 阪神ダ1400m 2着
2023/10/29 2歳未勝利 京都ダ1400m 2着
2023/11/18 2歳未勝利 京都ダ1400m 8着
2023/12/16 2歳未勝利 阪神ダ1400m 1着
2024/1/28 3歳1勝クラス 京都ダ1400m 6着
2024/3/3 3歳1勝クラス 阪神ダ1400m 2着
2024/3/24 3歳1勝クラス 阪神ダ1200m 2着

戦前の明治~大正期の競馬を支えてきたエスサーデイーを牝祖とし、4代母エプソムガールかはツルマルガールを経てツルマルボーイらを輩出した牝系の出自の1頭。
父ニューイヤーズデイは現3歳世代が本邦繋養初年度産駒でアメリカでの産駒には物議をかもした2019年KYダービー1位入線17位降着があるものの前後でGⅠ3勝を挙げたMaximum Securityがいる。

MachiavellianからHaloとFransis S.並びにMr.Leader-Turn-to経由でRoyal Chargerを有するもののStreet Cry+Dixie Unionの持つHyperion的スタミナとNasrullahとRoyal ChargerのMumtaz Mahal的スピードの迎合、そしてRelaunch等米ダート的底力・突進力といったところからダートでの活躍馬が目立つニューイヤーズデイ産駒。
そこにノーザンテーストで更にHyperionを増幅しつつある種Seattle Slewに似た性質を持つクロフネを重ねている分で母クリノラホールとは異なりダートで好走を続けている。
また、同じ関西圏である阪神と京都でも阪神の方が走れているのは京都のダートコースは芝の内回り同様3コーナーから下り坂に入り持続的に脚を使うケースが多くなりやすく、ニューイヤーズデイの持つRoyal Charger的要素がサンデーサイレンス+スティールハート-Habitatの持つ瞬発力・爆発力と合わさって結果として不利に働いていると考えられる。

現状桜花賞に登録をしているが、1勝馬の為除外対象。
正直デビューからほぼノンストップで走り続けているので上積みを見込みにくいのだが、その中で現実的なことを考えるとしたら5月に1勝クラスを使えたらといったところだが、高望みをするなら強行軍で4/29の兵庫チャンピオンシップへ進むといったところか。
芝でチャンスがあるとしたらより賞金ボーダーが厳しくなるが葵Sが目指す先だろう。

・サトノレイズ

牡 父:リーチザクラウン 母:インランジェリー 母父:エンパイアメーカー
3/27生 千歳市 社台ファーム生産
美浦 田中博康厩舎 オーナー:里見治氏
POG所有者:いけぽん氏
2023/7/23 2歳新馬 福島芝2000m 6着
2023/10/14 2歳未勝利 東京ダ1600m 2着
2023/11/4 2歳未勝利 東京ダ1600m 4着
2024/1/8 3歳未勝利 中山ダ1800m 4着
2024/1/17 3歳未勝利 東京ダ2100m 3着
2024/2/11 3歳未勝利 東京ダ2100m 1着

3代母Phone Chatterは米GⅠBCジュベナイルフィリーズの他GⅠ2勝を含む重賞3勝を挙げた名馬で母母Cat Chatもステークスウィナーにしてレッドファンタジアを通じてレッドベルローズ・レッドベルルージュ・レッドベルオーブ・レッドベルアームら兄弟姉妹を輩出しており、本馬の母インランジェリーもGⅠ1勝を含む重賞3勝馬かつFrankel産駒インラグジュアリーから重賞2勝を挙げているモズメイメイがいる通り非常に活気のあるファミリーの1頭と言える。

Storm Catを内包し、Northern Dancerを6×5・5で持つ様に程よくパワーがありながらHaloやMr.Prospector、Nasrullahを通じてMumtaz Mahal的にまとめ上げて奇麗に仕上がった配合だと思う反面Secretariatの5×5クロスにSeattle SlewとFappiano+Le Fabuleuxという組み合わせ故にスピードはあるけど柔らかすぎて非力故にダートの特に長距離での勝ち上がりに繋がったというところだろう。
やや脱線するとリーチザクラウン産駒自体勝率はダートの方が良く、距離にしても1800m前後のダートに於ける中長距離に戦績が寄っているのはやはりSeatttle SlewとSecretariatでもってMr.Prospectorの欧州的柔軟さを刺激し、サンデーサイレンスそのものが持つしなやかさがそのまま乗っかっることによって上記の様な状態になるが故にこうした成績に収まっていると思われる。

現状1勝馬かつ10月の未勝利から2月に勝ち上がるまでに5戦と大分詰めて使っている為正直この先出番があるかというと怪しい。
ただ現状は未勝利を圧勝して見せたダートの2000m程度に利があることには違いなく、そういう点では目標としては羽田盃やユニコーンSが照準になりうるし、芝に適性が無いとも思えないので青葉賞やプリンシパルS、京都新聞杯がターゲットとしては相応しいのではないだろうか。
芝のターゲットレースは面白いもので府中や京都外回りと広いコースに集まっている訳だが、仮に1勝クラスで出てくる場合でも同様なコースが良いのではないだろうか。

・バナマンテソーロ

牡 父:ハーツクライ 母:パールプリンセス 母父:Astronomer Royal
4/16生 日高町 リョーケンファーム生産
美浦 加藤志津厩舎 オーナー:了徳寺健二ホールディングス
POG所有者:みるきぃ=ぐりぃん氏
2023/9/16 2歳新馬 中山ダ1800m 2着
2023/9/30 2歳未勝利 中山ダ1800m 6着
2023/10/28 2歳未勝利 新潟ダ1800m 1着
2023/12/10 2歳1勝クラス 中山ダ1800m 11着
2024/1/27 3歳1勝クラス 中山ダ1800m 6着
2024/2/18 ヒヤシンスS L 東京ダ1600m 9着
2024/3/9 3歳1勝クラス 中京ダ1800m 11着

母パールプリンセスはフランス産馬ながらイギリスで4戦し1勝を挙げている。
牝系から目立った活躍馬はいない一方で4代母White Faceまで1勝以上を挙げた記録が残っており堅実性を窺わせる。

NearcoとRelicのスピードとダッシュ力を持ちつつもCaroの柔軟さを併せ持つKaldounに対してBustedやHornbeam-Hyperionといったスタミナ的要素を有するBelle du Bresilを宛がったTambura。
そこにDanzig・Easy Goer・El Gran Seniorとスピードを重ねてきたパールプリンセスの父Astronomer Royalを配したことでよりスピード志向にしようた上でハーツクライを配合、Gainsborough・Blandfordを活かしつつスピードを引き出そうというのがイメージとして見える。
その上で欧・豪的スプリンター的なパワーを有するDanzigをハーツクライに対してぶつけてやることでトニービンの緩さを解消しようとしているところはポイントが高い。
とは言ったものの全体を通してNorthern Dancerが3本と比較的少なく、しかもパワー不足なトニービンをCaroでより柔らかくしてしまっている為正直配合上非力さが目立って仕方がないのが本音。
ただAstronomer Royalの持つスピード源は非常に豊富でハーツクライと脈絡した上で成長が伴えば中々に期待を寄せられるものがある。

3/30(土)の中山2200m1勝クラス山吹賞に予備登録、現状14頭の登録なので除外の可能性は無い。
パワー不足故に加速力に乏しくダートを使っていた可能性があるが、それにしてもこの血統で新馬から一貫してダートを使われていたのは正直よく分からない為漸く芝を使うのかというのが雑感。
距離としては2000~2400mといったところが良さそうなのでレースチョイスに悪い印象は無い。
タイミングとしてはここを勝てると京都新聞杯という選択肢が生じるだけにここは正念場の1戦、あとは1勝クラスをひたすら詰めて使い続けてきただけにこの先含めて上積みがあるかどうかではないだろうか。
勝ち上がったのが降雨で稍重になり脚抜きの良い馬場になったところからしても少なくともダート馬ではない。
ダートを使うとしても米的ダート或いは重馬場向き。

・ヒストリアイ

セ 父:Liam's Map 母:Cara Bella 母父:Ghostzapper
3/31生 米国産 Stone Farm LLC生産
美浦 堀宣行厩舎 オーナー:吉田和美氏
POG所有者:いけぽん氏
2023/9/24 2歳新馬 中山ダ1200m 1着
2023/10/14 プラタナス賞 1勝クラス 東京ダ1600m 13着
2023/12/23 2歳1勝クラス 中山ダ1700m 6着
※この後に去勢手術を実施

父Liam's Mapは2015年BCダートマイル等GⅠ2勝2着1回と通算で8戦6勝を挙げたUnbridled's Song産駒で牝系には名馬にして名種牡馬であったDr.Fagerの母Aspidistraがいる血脈。
母Cara Bellaはデータベース上未出走の様だが、その母Cargoは5勝を挙げGⅡ・GⅢ・リステッドでも4度の2着と3度の3着というブラックタイプを残している。

Caroの4×3という中々日本ではお目にかかりにくいクロスを有しており、Nasrullah及びマナード~Royal Chargerを介したMumtaz Mahal的なスピード源と合わせて一見すると芝で走りそうではあるがその裏ではIn Realityの6×5を筆頭にSir Gallahad-TeddyでもってDamascusを刺激したりフォーティナイナー内にTom Rolfe-Ribotを内包したりととにかく米ダート的突進力に結び付く血を非常に多く有している。
特にIn RealityにDeputy Ministerの組み合わせは「フジキセキ×Deputy Minister」で見て取れる様にWar Relic≒Eight ThirtyでもってDeputy MinisterのBunty Lawlessを増幅、これによりパワーを引き出されており結果としてダートで使われているといったところ。
Teddy・Man o'War・Ribotといった一本調子な気性を伝える血を多く持つだけに新馬戦の様な快速っぷりを発揮する一方でプラタナス賞・2歳1勝クラスと嫌な負け方をするのも頷けるところで陣営が去勢手術に踏み切るのもやむなしといった感じである。

去勢効果が表れるのには差はあれど大体3~4か月、或いは2~3レースも使うと効果が出てくると思われるのでタイミングとしてはそろそろ使われてみてどうかといったところだろう。
現に3/28現在入厩中で恐らく4月の早い内に1戦使ってみようという感じは受けて取れる。
ここでの結果次第にはなるが、内容次第では兵庫チャンピオンシップが狙いになってくるのではないだろうか。

・フォスターボンド

牡 父:キズナ 母:パールシャドウ 母父:クロフネ
3/27生 千歳市 社台ファーム生産
美浦 中川公成厩舎 オーナー:多田賢司氏
POG所有者:みるきぃ=ぐりぃん氏
2023/10/21 2歳新馬 東京芝2000m 2着
2023/11/11 2歳未勝利 東京芝2000m 1着
2024/2/11 共同通信杯 GⅢ 東京芝1800m 8着

ノーザンアンサーの母Windy Answerから繋がる牝系で3代母L'Extra HonorからMajestic Roiを通じて仏華独に渡って重賞・リステッド競争で活躍してきたマクフィ産駒Noor Al Hawaがいる一族。

「ディープインパクト×Storm Cat」で瞬発力を引き出しつつディープインパクトに不足していたパワーを補っていた配合系の1頭であるキズナだが、Pacific Princess-Fijiの影響もあって種牡馬としては然程パワーを感じないところにクロフネを始め3本Northern Dancerを持つパールシャドウを配することでパワーをもたらした配合。
AlmahmoudからMahmoud≒Sun Princessによるサンデーサイレンスの増幅をしつつMr.Prospectorを介してMumtaz Mahalで脈絡させつつBuckpasserで異系の血としてスピードをもたらしている所に好感触を持てる。
ただ一方で母父がクロフネであったり5代目にLe Fabuleuxを有したり瞬発力源の一環であるWoodmanの母母IntiguingがNasrullah及びThe Tetrarch的俊敏さを持つもののHyperionにSon-in-Lawを有する為33秒台の末脚は使えるものの一気の加速には不向きで劇的にキレる脚を使える訳では無い。

共同通信杯の内容からしても距離短縮はあまり得策とは言えない為、今後という点ではダービーを見据えてといったところになってくる訳だが現状未入厩で青葉賞やプリンシパルSを目指すには流石にそろそろ帰厩して欲しいところ。
京都新聞杯を使うという線はそもそものメリットが薄く、まして結果が出ていないだけに考えにくい。
それともこのまま春を終え、成長を促して秋以降に繋げようという魂胆なのだろうか。

・プレリュードシチー

牡 父:ハービンジャー 母:ソムニアシチー 母父:メイショウサムソン
4/1生 千歳市 カタオカファーム生産
栗東 高橋義忠厩舎 オーナー:優駿レースホース
POG所有者:いけぽん氏
2023/10/9 2歳新馬 京都芝2000m 2着
2023/11/4 2歳未勝利 東京芝2000m 1着
2023/11/25 ラジオNIKKEI賞京都2歳S GⅢ 京都芝2000m 2着

1頭目に取り上げたクリノオリーブ同様戦前からの日本競馬を支えてきた牝系の1頭。
本馬以外に牝系から目立った活躍馬はいないが、半兄のモーリスシチー・ヴァンクールシチーは地方で勝利を挙げており、母ソムニアシチーも中央2勝、母母エレアシチーは中央3勝を挙げている。

ブライアンズタイム・エルコンドルパサー・メイショウサムソンそしてハービンジャーと非常に重厚な血で固められているが随所に目を配るとLyphardクロスであったりSir Ivor≒DroneであったりBrushing Groomで持つ形ではあるがRed Godを有していたりと意外と器用で俊敏に走ることができるタイプ。
特に5代目のロイヤルスキーを起点に見た時に全体を通してMumtaz Mahalで仕上がっているのが非常に好感度が高い。
その上でRobertoクロスから来るパワーやSpecial由来の底力といったミクロ的な良さが活きての京都2歳Sというところではないだろうか。

現状京都新聞杯を予定、恐らくここを使ってダービーを目指すことになると思われる。
意外と器用で俊敏、と評したもののやはりTT型と目されるハービンジャー産駒かつメイショウサムソン以下重厚な血を持ちある種ステイヤー感がある為どれだけ仕上げて出て来れるかが焦点になると考える。

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