すえまつ演劇垢

建築垢「すえまつ」の観劇ノートです。感想を綴っていく予定です。 たまに「建築と演劇は似…

すえまつ演劇垢

建築垢「すえまつ」の観劇ノートです。感想を綴っていく予定です。 たまに「建築と演劇は似ている」といいますが、建築は自然が先にあって人間がありますが、演劇はやはり人間が先にある気がします。

最近の記事

M&Oplaysプロデュース『帰れない男 ~慰留と斡旋の攻防~』感想

2024年4月13日(土)〜5月6日(月)「本多劇場」で行われた劇『帰れない男 ~慰留と斡旋の攻防~』の感想です。私が観たのは4/15になります。 不思議の国のアリス的論理学雨が強く降り始めている。野坂(林遣都)は帰ろうか迷っていた。石森(新名基浩)が窓障子を開け、外をのぞく。石森は傘を見て旦那様(山崎一)が帰ってきたと見まごう。しかし実際は傘をさした夫人(藤間爽子)だった。 夫と間違えられた夫人は石森をとがめる。石森は傘が旦那様のものだったので旦那様かと思った、と言い訳す

    • Catalyst3.0『邂ノ儚』感想

      2024年2月22日(木)〜2月25日(日)「アトリエファンファーレ東新宿」で行われた劇『邂ノ儚』の感想です。私が観たのは千穐楽の3/17になります。 「大分県」は枷<かせ>かこれは私が率直に書いたもので、劇を見た直後の興奮もあってすこしとげとげしくなったが、基本的に思いは変わっていない。 もしかしたらこの男性スタッフは大分県から来た方ではなく、東京の現地劇場関係者なのかもしれないが、観客にとってはあまり関係ない。もしそうだとしても劇場選びから間違えた劇団のミスである。 例

      • 座・高円寺CTAラボ『東京トワイライト ー強盗団と新しい家ー』感想

        2024年2月22日(木)〜2月25日(日)「座・高円寺1」で行われた劇『東京トワイライトー強盗団と新しい家ー』の感想です。私が観たのは初日の2/22になります。 東京というよりも「現代」いわゆる「大道具」というものが全くない、がらんどうで均一な照明のなかで、おそらくコンビニから舞台が始まる。 店員とみられる役者の小声だけが響き、その音でかえって静寂である。この「静寂さ」は結局終曲までほぼ全体を通して続くことになる。 場面として展開される場所はコンビニ、ホームセンター、ファ

        • 藤家と南風盛と中條「蝶のやうな私の郷愁」感想

          2024年2月16日(金)〜2月18日(日)「アトリエ春風舎」で行われた劇『蝶のやうな私の郷愁』の感想です。私が観たのは初日の2/16になります。 有名な戯曲?たまに役者のインタビューを読むと、「好きな戯曲は『蝶のやうな私の郷愁』です」という感じの言葉を目にしていたので、名前だけは知っていた。しかし私自身は「にわか」もいいところなので、わざわざそれを読むどころか、他の人の感想を探して前評判を確認することもしなかった。 そもそもこの劇を見ようと思ったのは、薄っぺらいコピー用紙

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          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ3日目

          「こまばアゴラ劇場」で行われた劇『ひとえに』の感想です。気になったら2回以上観劇することを是とするスタンスです(1回じゃダメというつもりは全くないのです)。 1回目や2回目では気づかなかったことや思わなかったことがメインです。 2024年1月19日(日)18:30~ 晴表情が良く見える 1回目と2回目は本来の客席側で観覧したのだが、今回は劇作家のすすめもあり、逆側で観た。 不思議なことに、こちらの方が役者の表情が良く見える。 以前までは役者の表情よりも物語の内容性に目が行

          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ3日目

          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ2日目

          「こまばアゴラ劇場」で行われた劇『ひとえに』の感想です。気になったら2回以上観劇することを是とするスタンスです(1回じゃダメというつもりは全くないのです)。 1回目では気づかなかったことや思わなかったことがメインです。 2024年1月14日(日)18:30~ 晴代役専門 初日(1/13)のサービスとして、上演戯曲が無料でもらえた(以後1,000円?)ので、開演直前に何気なく1ページ目を開いたのだが、 「アンダー 代役専門」 というフレーズが引っ掛かった。私はすでに劇を通し

          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ2日目

          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ

          「こまばアゴラ劇場」で行われた劇『ひとえに』の感想です。 2024年1月13日(土)18:00~ 雪平田オリザ系の作品は突然始まる(?) 主役のひとり「思恵」の合図もなく始まる独白がこの劇の導入である。観客を演劇に没入させる仕掛けは一応あるものの突然感は否めず、意図的に日常と非日常(=劇)の切り替えタイミングを遅らせあるいは連続性を持たせている。以前見た平田オリザの劇と近い。これを描いた小野晃太朗氏のキャリアはわからないが、影響を受けたのか。それとも、この手法はパイオニア

          シニフィエ『ひとえに』観劇メモ