【原発事故費が電気料金へ上乗せ!政府想定21.5兆円超える】こっそりと国民の電気料金へ「上乗せ徴収」~福島原発事故費用国民負担、電気料金が青天井で上がる!?国と電力会社のフリーハンドに~

【原発事故費が電気料金へ上乗せ!政府想定21.5兆円超える】こっそりと国民の電気料金へ「上乗せ徴収」~福島原発事故費用国民負担、電気料金が青天井で上がる!?国と電力会社のフリーハンドに~






■電気料金また値上げへ 今度の理由は「託送料金」

テレ朝news 2023年2月24日

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東京電力など大手電力5社がまた値上げ。

今度の理由は「託送料金」です。

大手電力10社が発表した4月の電気料金で、送配電網の利用料にあたる「託送料金」の引き上げに伴って東京電力や関西電力など5社が値上げします。

再生可能エネルギーの更なる活用を促すためで、値上げ幅は使用量が平均的な家庭で月36円から269円となります。

なお、東京電力と北陸電力は燃料価格の高騰を受けて政府に「規制料金」の値上げを申請していて、4月以降さらに値上がりする見通しです。

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電気料金また値上げへ 今度の理由は「託送料金」

テレ朝news 2023年2月24日




■4月の電気料金、東電や北陸電力など5社が値上げへ 「託送料金」上昇で

日テレNEWS 2023年2月24日






■大手電力各社、原発賠償費を送電線料金に上乗せ

日本経済新聞 2020年7月28日

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沖縄電力を除く大手電力9社は28日、送電線の利用料金である「託送料」を10月から改定すると発表した。

原子力発電所の事故に備える費用や廃炉費用を転嫁し、東京電力ホールディングスや関西電力など一部の大手電力は託送料を引き上げる。

引き上げた託送料は国民の電気料金に上乗せする見通しだ。

各社は同日、新たな託送料を経済産業相に申請した。

託送料に転嫁される賠償費用の総額は約2.4兆円で、40年間にわたり上乗せされる。

新電力を含む電力の小売事業者は、大手電力に対し託送料を支払う必要がある。

託送料の引き上げに伴う小売事業者の負担分は、将来的に国民の電気料金の値上げを通じて回収される。

東電は1キロワット時あたり3銭、関電は同5銭の値上がりとなる。

仮に託送料の上昇分が全て電気料金に転嫁された場合、関東の一般家庭は月々8円ほどの値上がりにつながる可能性がある。

託送料の改定は10月に行われるが、各社は新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し値上げを21年10月まで延期する。

一方、今回の改定ではこれまで託送料に上乗せされていた、使用済み核燃料の再処理に使う費用が削減される。

これに伴い北海道電力、中部電力、北陸電力、中国電力は託送料を引き下げる。

原発事故を想定して賠償費用を積み立てる制度は、東京電力福島第1原発事故後に制定された。

原発の負担費用を託送料で回収することを巡っては、一部の新電力から反発の声もあがっている。

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大手電力各社、原発賠償費を送電線料金に上乗せ
日本経済新聞 2020年7月28日




■東電・原発事故の賠償金と廃炉費用、こっそりと国民の電気料金への「上乗せ徴収」始まる

Business Journal  2020.12.30 横山渉

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福井県などの住民約130人が「大地震への耐震性が不十分だ」として、国に大飯原発3、4号機の原子炉設置許可の取り消しを求めていた裁判の判決が12月4日にあった。

大阪地裁は原子力規制委員会の審査過程に看過しがたい誤りや欠落があるとして、原発の設置許可を取り消す判決を言い渡した。

 

2011年の東京電力福島第一原発の事故以降、原発の運転停止につながる司法判断は仮処分を含め6例目だが、原発の設置許可を取り消す司法判断は初めてだ。

今回の司法判断で規制委の審査基準自体に疑問符がつけられたことにより、安全性の水準がさらに上がることも予想され、全国の原発に影響する可能性もある。


原発事故や廃炉への備えが皆無だった大手電力
 

原発をめぐる裁判には、原発の安全性を争うものや東電福島第一原発事故での損害賠償請求などさまざまある。

15の生協などでつくる「グリーンコープ共同体」が設立した小売り電気事業者「グリーンコープでんき」は、電気料金をめぐって10月15日、福岡地裁に提訴した。

福島第一原発事故に伴う賠償金や廃炉費用などを一般家庭の電気料金に上乗せし徴収することを国が認可したのは違法と訴えている。

 

コロナ報道一色の大手メディアではあまり報道されなかったが、10月1日から「福島第一原発事故の『賠償費用』と『廃炉円滑化負担金』の託送料金への上乗せ」がこっそり始まった。

もっとも、これが決まったのは電力全面自由化から日も浅い2017年なので、大手メディアはスルーしたのかもしれない。

 

原発事故によって東電が背負う賠償金は莫大だ。現在係争中の裁判もあり、最終的に何兆円になるのか見通しがつかない。

そこで、賠償金を国民全員に負担させようというわけだ。

具体的な金額は、事故前に確保されておくべきだった賠償への備えの不足分の一部2.4兆円で、年間約600億円程度が40年間にわたって回収される。

 

原発事故後、廃炉が決まった原発が全国に7社15基(女川1号機や美浜1、2号機など)ある。

「廃炉円滑化負担金」は、これらの円滑な廃炉を促す環境整備の観点より一時的に生じる費用を分割計上するものだが、これも本来は各大手電力が責任を持って負担すべき費用だ。

 

上乗せされる「託送料金」とは、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の「利用料」のことだ。

送配電網は一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など10社)が保有・運営しており、料金は事業者が設定し、国が認可する。

 

当然のことながら、新規参入した新電力各社も託送料金を払ってこの送配電網を利用している。

新電力は太陽光や風力など、CO2や放射性廃棄物を出さない、再生可能エネルギーに力を入れている事業者が多い。提訴したグリーンコープでんきもそうだ。

そして、新電力と契約している消費者は、電気料金の安さばかりでなく、自然エネルギー由来の電気を選んで使いたいという意識の人が少なくない。

さらに言えば、原発産業にはお金を払いたくないということであり、託送料金への上乗せは、そうした消費者の意志を踏みにじるものだ。

電力会社を選べるという電力自由化の趣旨にも反する。

環境NGO「FoE Japan」の吉田明子さんはこう話す。

「賠償負担金は1kWh当たり0.03~0.12円、廃炉円滑化負担金は0円~0.05円と、金額としては一見わずかなものですが、40年間にもわたって続くものです。

賠償負担金は明らかに東電救済が目的。大手電力会社が責任を負うべき負担が、広く薄く長く全消費者に転嫁されるわけです。

金額的にどうかというよりも、倫理的に大きな問題があります。

グリーンコープさんは託送料金の値上げ分を利用者から取らないと言っています。

経営的に大きな負担にはならなくても、原発問題のさまざまな不条理が凝縮されている問題なので、それを世に問うために提訴したようです」


実際の値上げは新型コロナの影響で1年間先送り
 

では、すぐにでも電気料金が値上げされるのかといえば、そうではない。

10月1日から託送料金への2つの上乗せが始まったが、同時にこれまで(05~20年9月)行われていた「使用済燃料再処理等既発電費相当額」の上乗せが9月30日で終了し、正確にいえば、入れ替わるかたちになった。

 

よって、実際は差し引きで、託送料金の値上げになる地域と値下げになる地域がある。

また、値上げの場合でも、コロナの影響により1年間は据え置きされることになっている。

ほとんどの消費者は将来も、月々の電気料金を見ただけでは、託送料金への上乗せの不条理に気づくことはないかもしれない。

それだけに姑息で狡猾なスキームだといえる。

 

福島原発事故でいえば、賠償金を含む事故処理費用について、16年の経産省の議論では「21.5兆円」と試算していた。

しかし、そもそもこの金額は極めて不十分で低い見積もりであり、日本経済研究センターのレポート(19年3月7日)では、35~80兆円と試算している。

東京電力の経営陣、株主、債権者の責任が問われないまま、ズルズルと将来的に国民にツケ回しされるのである。

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東電・原発事故の賠償金と廃炉費用、こっそりと国民の電気料金への「上乗せ徴収」始まる
Business Journal  2020.12.30 横山渉





■原発事故のツケ、なぜ国民に 広がる批判

朝日新聞 2016年12月27日  小森敦司

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東京電力福島第一原発の事故対応費が総額21・5兆円に膨らみ、経済産業省が追加負担を送電線の使用料「託送料金」に上乗せするなど国民負担を増やす方針を固めたことに、市民の間で反対の署名活動や批判の声明を出す動きが広がっている。

事故を起こせば膨大な負担が必要になる原発への依存体制を変えず、そのツケだけ国民に回す仕組みづくりに反発はさらに強まりそうだ。

環境・市民団体でつくる「パワーシフト・キャンペーン」は12月中旬、「国民への負担転嫁ではなく、原発政策の転換を」とうたった声明に賛同した約4600人分の署名を国に提出した。賛同者はいまも増えているという。

声明は、経産省の方針を「一民間企業(東電)の起こした甚大事故について、企業を事実上『救済』しながら国民負担を求めること」だと強調。

「原発の事故費用・廃炉費用は莫大(ばくだい)」なことが明らかになったとして、新規原発の建設撤回など政策転換を求めている。

脱原発を目指す「若狭ネット」など約30の市民団体も、「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないでください」と題した署名活動を続けており、2017年1月末に集約して経産相に出す予定だ。

呼びかけ文は「事故の責任を取らず、なし崩し的に電力消費者や国民にツケを回すのは許せない」などと訴えている。

大学教員や原子力技術者、環境NGO関係者らでつくる「原子力市民委員会」も、このほど出した声明で、経産省の方針について「福島原発事故にかかる対策費の支払いの大半を、国民負担に転嫁する仕組みが整う」と批判。

この方針の導入見送りとともに、国に対して改めて「東電の法的処理を行い、経営者、株主、債権者に責任をとらせる」ことを求めた。

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原発事故のツケ、なぜ国民に 広がる批判
朝日新聞 2016年12月27日  小森敦司





■なぜ、東電や国の「失敗」のツケを私たちが払うのか? 事故対策費、国民に転嫁

論座(朝日新聞) 2014年06月27日 小森敦司

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なぜ、東京電力や国の「失敗」のツケを、私やあなたが払わなければいけないのか――知らないという人がほとんどだろうが、私たちは東電の福島第一原発事故の対策費を電気料金や税金として払わされている。

事故対策費は少なくとも約11兆円になる。

いまから18年前の1996年、住宅金融専門会社(住専)の破たん処理のための6850億円の税金投入が大問題になった。

今回は巧みに、その負担が国民に転嫁されている。

もっと私たちは怒っていい。

電力会社の経営分析で知られる立命館大学の大島堅一教授と、賠償や除染の実態調査をしている大阪市立大学の除本理史教授が、事故対策にどれだけの費用がかかり、その費用をだれが負担するのか、を分析、整理した。

近く専門誌に発表するといい、筆者はそれをもとに原発事故の対策費の問題を記事にした。

・原発コスト、火力より割高 専門家試算、福島第一の対策費増加

・原発コストは火力より割高に 専門家が試算、発表へ

最初に確認しておくが、事故の被災者に対する損害賠償や、地域の除染などについて、東電と国は資金の拠出や労力を惜しんではならないのはもちろんだ。

しかし、東電や国の責任をあいまいにしたままで、私やあなたがその負担を強いられるのは筋が通らないということを言いたいのだ。

国会事故調査委員会は12年7月、東電や規制当局が地震、津波対策を先送りしたことを「事故の根源的原因」とし、「自然災害でなく人災」とする最終報告書を出した。

であれば、その事故対策の費用は責任に応じて東電や国が出すべきだ。

ところが、両教授がその費用負担が実際にどうなっているかの分析をしたところ、電気利用者や国民に、その負担が見事なまでに転嫁されているのだ。

たとえば、損害賠償費用は、国が必要な資金を用意し、この大部分を業界全体が「一般負担金」として返していく仕組みになっているが、すでに原発を持つ9つの電力会社のうち7社が、電気料金の値上げの際に料金の原価に算入している。

このことはほとんど報道されていない。

除染や中間貯蔵施設、事故収束などの費用も、まるでこっそりと、国民にその負担が転嫁されている。

本来、国会でも時間をかけて議論されるべき問題のはずだ。

両教授が、政府や東電などの最新資料から集計した原発事故の対策費は約11兆円。

これが、私たちのふところからまきあげられる。

遠く離れた北海道電力や九州電力の電気利用者も、東電の原発事故の対策費を払わされているのだ。

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なぜ、東電や国の「失敗」のツケを私たちが払うのか? 事故対策費、国民に転嫁
論座(朝日新聞) 2014年06月27日 小森敦司






■福島第一原発の事故処理費用、10年間で13兆円 政府想定21.5兆円超える懸念強く

毎日新聞 2021年3月23日

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東京電力福島第一原発事故から10年間で、廃炉作業や被災者への損害賠償、汚染地域の除染といった事故処理にかかった費用は少なくとも13・3兆円に上ることが本紙の取材で分かった。

政府は処理費を総額21・5兆円と見込むが、廃炉作業などが難航し、想定を上回る可能性が濃厚。

賠償費用などは国が立て替えた後、電気料金や税金をもとにした資金から少しずつ「返済」されていく。

こうした国民負担が今後数十年は続くとみられる。(妹尾聡太)

東電や政府によると、政府有識者会議が2016年に示した見込み額21・5兆円のうち、これまで廃炉に1・5兆円、賠償に7兆円、汚染土壌を取り除く除染に4・8兆円が使われた。

廃炉には想定の2割近く、賠償と除染には8割超が支出された計算だ。

これらの費用のうち、廃炉については東電が自社の利益から拠出する。

賠償と除染は国債などで立て替えた上で、東電を含む電力会社などが年に約2000億円ずつ国庫に納める。

さらに電気料金に上乗せされる税金も「返済」に充てる。

東電の株式を売却して除染費用を捻出する計画もある。

単純計算すると、「完済」には今後30年程度かかる。

・膨らみ続ける福島第一原発の事故処理費

しかし処理費が見込み通りの金額や期間で収まる保証はない。

廃炉はあと30年以内で作業を終える計画だが、溶融核燃料(デブリ)の取り出しという最も難しい行程が始まっておらず、長期化する懸念がある。

日弁連は、賠償請求が不十分な被災者もいるとして、潜在的な賠償額が見込み額(7・9兆円)を超える可能性を指摘。

除染についても、帰還困難区域の作業など見込み額(5・6兆円)に含まれていない部分が多く、実質的には5・6兆円を超える見通しだ。

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福島第一原発の事故処理費用、10年間で13兆円 政府想定21.5兆円超える懸念強く
毎日新聞 2021年3月23日






■原発事故費8兆円が電気料金へ上乗せ! 消費者負担で東電と原発を延命へ

週刊朝日 2016/12/16

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「消費者の皆様へ 原発の電気はこれまで“お安く”提供しすぎていました。本来の価格との差額を過去にさかのぼって計算し、今後40年かけて頂戴します」。

こんな請求書を経済産業省が国民につきつけています。

商道徳にもとる請求、その理由は東京電力と原発の延命です。

経産省が9日示した試算は、東電の福島第一原発事故の被害が、いかに深刻かを示している。

事故に関する費用の総額は、3年前の試算の11兆円から21.5兆円に膨らむ見通し。

廃炉や汚染水対策は2兆が8兆円に、除染は2.5兆が4兆円に。

「お豆腐屋さんじゃないんだから」との小池百合子・東京都知事の言葉は、東京五輪の費用だけでなく、原発事故の費用にもあてはまる。

被災者への賠償費は約8兆円に膨らむ。

増えた分を回収するため、経産省は新たな“理屈”を考え、電気料金に“カラクリ”をしかけようとしている。

経産省が自ら旗を振る電力自由化が今後進むと、原発を持たない会社から電気を買う消費者が増え、料金も規制できなくなる。

規制の残る送電網の使用料(託送料金)に上乗せし、全国の消費者から40年間集め続けるのが、新たなカラクリだ。

一般家庭で、月約18円の負担増となる。

そもそも、消費者は今でも賠償費を実質的に負担している。

賠償費は本来、東電が負担すべきだが、東電のお金だけでは足りない。

そこで、原発を持つ大手電力会社が助け合いのしくみをつくった。

これが「一般負担金」だ。

原発事故後の2011年度から、各社は自らの原発の設備の大きさに応じて負担している。

関西電力や九州電力など、原発に頼る会社ほど負担額が大きい。

電力会社は料金をはじく際の原価に含めることができ、実は消費者負担になる。

一般負担金だけでは足りず、不足分を負担するしくみが今回の託送料金の案。

送電網はすべての電力会社が使うため、原発を持たない新規参入の「新電力」も負担するところがミソだ。

新電力も含め、すべての利用者から広く回収しようと、経産省が持ち出した“理屈”が「過去分」だ。

原発を持たない電力会社から「現在」電気を買う人も、「過去」には原発の電気を使っていた。

不足が生じたのは「事故前に確保されるべきだった備え」が足りなかったからと説明。

本来備えるべき費用に対し、事故前の“安い”費用との差額を請求することにした。

1966~2010年度までさかのぼり、計2.4兆円にのぼる。

こうした新たなしくみには、批判が相次いでいる。

料金制度の見直しを検討する経産省の審議会では、委員の一人、松村敏弘・東京大学教授が、過去分を徴収するアイデアを「ウルトラCだ」と表現。

9日の会議で「託送料金への上乗せは本当はあってはならないこと。今回を最後にしてもらいたい」と苦言を呈した。

消費生活アドバイザーの大石美奈子氏も上乗せについて、「なぜ、原子力(で発電した電気)を使いたくない人も、払わないといけないのか」と訴えた。

原発のコストに詳しい大島堅一・立命館大学教授はこう指摘する。

「問題は、2兆4千億円にものぼる過去分の負担を経産省の省令で決めようとしていること。これは、一省庁の権限をはるかに超えた行為。本来なら、政治がこんな小賢しいことをやめさせ、東電を法的処理したうえで情報公開を徹底し、国民に説明すべきです。電気料金の一部として徴収され続ければ、事故処理費用が何に使われているのかがわかりにくくなる」

歳入も歳出も国会のチェックがある税と比べ、電気料金はわかりにくい。

「電気使用量のお知らせ」を見てほしい。

電力会社から毎月送られる明細は、表面に目を通しても裏面を見落としがち。

しかし、よく見ると、原発の使用済み燃料の再処理などに充てる費用や、中間貯蔵施設の建設などに充てられるお金をすでに徴収されていることがわかる。

さらに今回の見直しで、託送料金を通じて上乗せされる額がまた増えることになる。

今は月18円、年216円の追加負担の見通しだが、この額でとどまる保証はない。

9日示された総額21.5兆円の試算は、まだ膨らむ可能性がある。

前出の大島教授は言う。

「現在の廃炉方針では、事故で発生した核燃料デブリを40年以内に取り出すことになっています。ですが、取り出せても、新しく放射性廃棄物の処分場を造らなければなりません。今回の見積もりにその費用は含まれていません。その施設を造るだけで、青天井の予算が必要です。今後も費用が増え続けるのは、確実です」

経産省が新たな試算を出す前の7日、与野党の超党派国会議員でつくる「原発ゼロの会」の会見では、自民党の河野太郎衆院議員が「自民党からも経産省への強い不信感が出ている」と批判の声をあげた。

世耕弘成経産相は9日の会見で、「状況変化や予見できなかった要因で、増加することもありうる」と発言。

費用がさらに増大することをすでに示唆する。

原発は重大事故が起きないとの“神話”のもとで、運転されてきた。

十分な賠償の備えはもともとなく、事故後はどんぶり勘定でのお金の出し入れが続く。

どんぶり勘定の語源は、食べる器ではなく、かつて職人たちがよく使った道具入れの腹掛けから、無造作にお金のやり取りをしていたこととされる。

一般家庭分だけでも8兆円にのぼる電気料金の差配は、経産省にとって腹掛けに手をつっこむぐらいの感覚なのだろうか。

※週刊朝日  2016年12月23日号

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原発事故費8兆円が電気料金へ上乗せ! 消費者負担で東電と原発を延命へ
週刊朝日 2016/12/16






■原発賠償・廃炉費の転嫁

毎日新聞 2017/2/3

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・政府、東電が責任引き受けよ 佐藤弥右衛門・会津電力社長

原発事故の処理費用を、電気料金に乗せて国民から取る方針には納得がいかない。

政府も東京電力も、事故を起こしたことへの反省がなさすぎる。

原発事故によって、福島の人々は住み慣れた土地が使えなくなり、生活も経済も全て奪われた。

地域社会は分断され、しかも差別を生んだ。

日本の歴史に例のない圧倒的に巨大な事故であり、とんでもない公害だ。

福島県民にあれだけひどいことをした政府と東電が、その責任に全面的に向き合うことなく、なぜ安直に「お金が足りなくなったので国民も負担せよ」などと言えるのか。

事故処理費用は21・5兆円というが、原発に近づくのも難しい現況を考えれば廃炉費用などはさらに増える可能性が高い。

いずれ負担は国民全体で引き受けざるを得ないのかもしれない。

原発推進政策を止められなかった点で、私たちにも事故の責任はあると考えるからだ。

だがその前に、原発を推進した政府と東電が、全面的に責任を取るべきだ。

事故を心から謝罪し、限界までコストダウンを行い、資産を売却した上で「もう限界です。国民の皆さん助けてください」と頭を下げるのが筋だ。

誠心誠意の謝罪があって初めて、国民も「私たちにも責任はある。負担を引き受けよう」となるのではないか。

ところが、政府は託送料に上乗せする形で、新電力にも負担を求めた。事故を反省して原発をやめ、再生可能エネルギーを推進すべき時に、その担い手となるべき新電力の事業者に、逆に負担を求めるとはどういうことか。

「原発から再生可能エネルギーへ」という流れに足かせをはめる行為であり、言語道断だ。

原発事故に対する私たちの責任の取り方は、事故処理の費用を負担することではない。

原発を止めることで責任を果たしたい。

会津電力を設立したのは、再生可能エネルギーの普及に向けて、単なる運動にとどまらず、実業として発電を手がけたかったからだ。

昨年末までに会津地域の中学校の屋上など50カ所に、小規模分散型の太陽光発電所を設置し、会津地域の約1400世帯の電力を賄える発電量を供給している。

今年も新たに30カ所を設置し、将来は小水力や木質バイオマス発電などにも取り組む考えだ。

目指すのはエネルギーの「地産地消」による地域の自立だ。

会津には猪苗代湖を水源とする水力発電所など、福島全県を賄えるほどの発電力があるが、その電気はほとんど東電などの手で首都圏に送られている。

今は無理でも、いつの日かこれを取り戻したい。

政府が東電を破綻処理させて資産を売却するというなら、これらの水力発電所を会津電力で買い取りたい。

会津のエネルギー需要を十分に賄い、まだ余るはずだ。

これを域外に売り、収入を得れば、各自治体の税収も上がる。

安い電気を提供して企業を誘致できれば、地域に雇用も生まれる。

地方が収奪される中央集権の構造が変わり、真の地方自治が確立できるのだ。

社会とはそうやって変えていくものではないだろうか。【聞き手・尾中香尚里、写真も】

・新電力託送料に上乗せ

経済産業省は昨年末、有識者委員会を通じて、福島原発事故の賠償・廃炉費などが計21.5兆円と従来から倍増すると試算。

賠償費増加分(約2.5兆円)は、新電力が大手電力に払う送電線利用料(託送料)にも2020年度から40年間上乗せし、新電力利用者に負担を転嫁する方針を決めた。

福島原発の廃炉費は東電が確保する。

また、大手電力が老朽原発を計画より前倒しで廃炉にする場合の費用の一部も新電力の託送料に上乗せする。

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原発賠償・廃炉費の転嫁
毎日新聞 2017/2/3






■今後40年続く電気代値上げ、こっそり開始―原発事故の尻拭いを消費者・自然エネ事業者に

Yahoo!ニュース 2020/10/23 志葉玲

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今年10月から、今後40年続く電気代値上げがこっそりと始まったことを、皆さんはご存知だろうか?

その原因は、主に2011年3月の東京電力の福島第一原発事故だが、今回、負担増となるのは、原発事故とは関係ない新電力事業者及び消費者だ。

新電力には、太陽光や風力など、CO2や放射性廃棄物を出さない、再生可能エネルギーに力を入れている事業者が多数あるのだが、これらの事業者が発電した電気を供給する際に、既存の電力網を使用する。

その「使用料」は、託送料金と呼ばれるが、これに原発事故による賠償や廃炉費用の一部を上乗せすることを、経済産業省が省令で決めてしまったのである。

だが、これは本来、原発事故を起こした東京電力及び、その他の原発事業者が負担すべきものだ。

また、原発産業にお金を使いたくないという消費者の選択の自由を奪うものでもある。

○2.4兆円+4740億円を消費者に肩代わり

2.4兆円。

託送料金として、新電力や消費者が新たに支払うこととなる、原発事故への賠償負担金だ。

これは、福島第一原発事故以前に、東京電力ほか原発事業者が確保しておくべきであった賠償への備えの不足分。

さらに、経産省は「円滑な(原発の)廃炉を促す環境を整備する」として、4740億円を消費者負担として宅送料金に上乗せした。

だが、託送料金への賠償負担金や廃炉円滑化負担金の上乗せについては、環境団体から批判の声が上がっている。

脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した団体・個人の集まりである「eシフト」は、以下のような問題点を指摘している。

・原発事故に対する東電の経営陣や株主等の責任が問われていないこと

・そもそも原発依存のエネルギー政策を見直すべきであること

・今後の大事故も同様に国民負担にすることができてしまうこと

・原発による電気は避け、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力を選べる等の電力自由化の趣旨に反すること

・国会での議論もないで有識者会議と省令で決められたこと

「eシフト」の構成団体の一つ、環境NGO「FoE Japan」の吉田明子さんは「賠償負担金は1キロワット時あたり0.03~0.12円、廃炉円滑化負担金は0円~0.05円と、金額としては一見小さいのですが、40年間にもわたって続くもの。大手電力会社が責任を負うべき負担が、広く薄く長く全消費者に転嫁されることの問題は深いです」と語る。そもそも、原発関連の負担金が電気料金に上乗せされていること自体、消費者の多くは知らされていない。「今後は新電力各社にも、電気料金明細での説明を求めていきたいと思います」(同)。

○原発関連負担金は不当、訴訟も

託送料金のあり方をめぐって、訴訟も起こされた。

再生可能エネルギーによる発電を行ってきた新電力事業者「一般社団法人グリーンコープでんき」は、今月15日、託送料金についての経産省の認可を取り消す訴訟の提訴を福岡地裁で行った。

同法人の母体である「一般社団法人グリーンコープ共同体」の代表理事で、本件裁判の原告代表である熊野千恵美さんは、提訴後の会見で、「原発の電気は安いとしながら、なぜ原発の費用を託送料金に含めるんだろうか」「二つの負担金の託送料金の上乗せは、原発を擁護する策ではないだろうか」との、グリーンコープ組合員たちの問題意識が訴訟の背景にあると語った。

また、経産省や託送料金を受け取る側である大手電力会社に、幾度も陳情や意見交換を行ってきたが、受け入れられなかったため、訴訟に踏み切ったとも語った。

訴訟では、原告側は、新電力事業者に原発関連の負担金を支払わせることは電気事業法には明記されておらず、同法を国会で審議し法改正するのではなく、同法の施行規則を省令で改正したことのみであること、また、省令による改正が電気事業法で定められている範囲から大きく超えることを指摘。

これらが立法権は国会のみにあるとする憲法第41条に反する、したがって経産省の認可は無効だと主張していくのだという。

○公正さ問われる経産省

経産省・資源エネルギー庁の担当部署に、グリーンコープでんきの訴訟についてきくと「訴状を確認中」だとのこと。

同庁のウェブサイトには、電力小売全面自由化について、「ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになった」と書かれているが、託送料金に原発関連の負担金を上乗せすることは、電力自由化における消費者の選択権を著しく損なうことにならないか。

資源エネ庁に聞くと、消費者に選択の余地がないことは認めた。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、温暖化対策のみならず、経済合理性でも優位になってきている。

近年、技術やコスト改善が飛躍的な進歩を遂げ、最も安い電力となっているのだ。

大手電力会社にとっては、原発は既得利権であるが、日本の人々にとっては、リスクであり、負担でもある。経産省の行政機関としての公正さが問われている。

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今後40年続く電気代値上げ、こっそり開始―原発事故の尻拭いを消費者・自然エネ事業者に
Yahoo!ニュース 2020/10/23 志葉玲






■福島原発事故費用の国民負担 電気料金が青天井で上がる!?

女性自身:2017/01/20

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「経産省は、本来、東電が支払うべき福島第一原発事故の処理費用を“電気代”に上乗せできるシステムをつくり、国民に支払わせようとしています。これを許してしまえば、今後、国民が支払う原発事故処理費用は、青天井になる可能性があります」

そう訴えるのは、立命館大学教授で、国のエネルギー政策や原発の発電コストを研究する大島堅一氏だ。

経産省は昨年12月、国民に非公開で、原子力を推進する財界人などで話し合う「東京電力改革・1F問題委員会」を開催。

そのなかで、廃炉や賠償費用など、福島第一原発事故の処理費用が、12年に試算した11兆円から、倍の21.5兆円に増えるという試算を示した。

それに合わせて、政府は昨年末、事故処理費用を国民の電気料金に上乗せすることを閣議決定した。

その上乗せ方法は、あまりにご都合主義でおかしな論理のとんでもないものだった。

「政府が試算した電気料金の値上げ額、年216円も事故処理費用の一部を上乗せしたまやかしにすぎない」と語る大島氏に、国民が負担することになる電気料金を試算してもらった。

その上乗せ方法と合わせて、検証してみよう。

・国民負担策その1:「“過去分”の賠償金を45年前にさかのぼって徴収」

経産省は、「原発事故に備えて、以前から賠償費用を積み立てておくべきだった」として、次のような突拍子もない案をひねり出した。

「日本に原子力発電所ができた66年から、事故が起きるまでの45年分をさかのぼり、“過去分”の賠償費用として、電気料金のうち“託送料金”と呼ばれる送電線使用料に上乗せして、2020年から40年かけて電力利用者から回収する」というのだ。

上乗せされるのは、現在想定される賠償総額7.9兆円のうち、“過去分”の賠償金相当額2.4兆円。

前出の大島氏は、「これはまるで、40年前に食事をしたレストランから、『食事代が不足していたので負担してください』と、請求書が届くようなもの。そもそも政府は、『原発は安全だ』と言い続けていたはず」と、その理不尽さを指摘する。

経産省は、福島原発事故費用を電気料金に上乗せする負担額をこの“過去分”についてしか試算していない。

しかもその額は「月平均で電気料金が、わずか18円、年216円値上がりするだけ」という。

しかし大島氏は、原発事故後、その事故処理費用で電気料金に上乗せされているものがほかにもまだあるという。

「廃炉・汚染水費用や核燃料汚染物質を貯蔵する費用などをあわせると福島原発事故の処理分だけで、現在でも総額3,009億円、上乗せが増える20年以降では5,640億円にのぼります。3人家族で平均的な電力使用量の家庭で試算すると、現在、事故後から電気料金が1,689円の値上げがされている。20年以降はさらに今よりも少なくとも年間1,500円値上がりし、年額3,000円以上の上乗せになる」と大島氏は試算する。

さらに、大島氏の試算によると、核燃料再処理費用や高速炉もんじゅの開発費用など原発全体にかかわる費用を合わせると、現在でも4494円、20年以降は年間約6千円も電気料金に上乗せされることになる。

政府試算のごまかしは、上乗せ料金についてだけではない。

“過去分”の賠償費用を上乗せされるのが、託送料金であることにも、大きな問題があるという。

消費者生活アドバイザーの大石美奈子氏は、こう主張する。

「託送料金とは、電力を送配電することにかかる料金です。なのにまったく関係のない賠償費用がそこに上乗せされるのは問題です。事故処理費用は、透明性が担保できる税金で徴収すべきでしょう」

税金なら上げるにしても国会の承認が必要だが、託送料金に上乗せする場合は、電力会社や経産省の裁量だけで自由に額を決定できるという。

「最初は少しの値上げでも、原発事故の処理費用が増えた場合、あとから国民が知らないところでこっそり上乗せされ、気づいたら電気料金が驚くほど上がる可能性もあります」(大石氏)

・国民負担策その2:「8兆円に膨らむ廃炉費用を送配電の合理化で捻出」

8兆円かかるといわれる廃炉費用だが大島氏は、そのような額ではすまないだろうと、こう指摘する。

「廃炉でいうと、“デブリ”と呼ばれる溶けた核燃料が、事故炉の底でどういう状態になっているかもわからないし、取り出し方法も決まっていない。だから、廃炉費用はこれからいくらかかるかわかりません」

前出の大石氏は、今回の国民負担策について検証する政府の委員会(電力システム改革貫徹のための政策小委員会)の委員を務めた経験から、廃炉費用の電気代上乗せの経緯について、次のように曝露する。

「実は経産省は当初、福島原発の廃炉費用8兆円も、上乗せ分を自由にコントロールできる託送料金に乗せするつもりだったんです。しかし世論の反発が大きいと思ったのか、それは見送られました」

しかし、経産省は次のような苦肉の策を打ち出した。

「本来、電力事業者が合理化など経営努力により、一定の利益が生じた場合、託送料金を値下げします。つまり電気料金を値下げして利用者に還元することになっているのです。しかし経産省は、『東電は値下げすると廃炉費用が捻出できない』として、値下げするべき分を基金として積み立て、廃炉費用にまわすというウルトラCを考え出した。本来値下げされるべきものを下げないで自分の事業に使うのですから実質、電気利用者の負担です」(大石氏)

内実が見えにくい託送料金のなかから基金を積み立てるなら、これも電力会社や経産省の裁量で積立額をコントロールできるのではないか。

事故処理費用を電気代に上乗せしようという政府のトンデモ政策。

これを止めるためにはどうすればいいだろう。

「国民負担を強いる前に、まずやるべきことがあります」と語るのは元経産省官僚の古賀茂明氏だ。

「国民が負担する事故処理費用の一部が、東電にお金を貸しているだけで年間何億円もの利息を得る銀行や、原発事故後に底値で東電株を買った株主に流れています。東電をJAJのようにつぶれた会社として扱って借金を棒引きするなどしたら5兆円は捻出できる。その分、国民の負担は軽減できます」(古賀氏)

破綻処理や解体までなかなか踏み込めない現状だが、それでも私たち一人一人が、注意深く政府や東電の動向に目を光らせ、正しい選択をする以外にない。

非常にわかりにくいシステムだが、放っておけば半永久的に電力料金が上がり続ける、このような傍若無人なふるまいを許さないためには、私たち消費者がこのとんでもない負担策を忘れないようにしないとならない。

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福島原発事故費用の国民負担(1)電気料金が青天井で上がる!?
女性自身:2017/01/20






■原発処理費用、22兆円のウソとそのワケ

国民負担、国と電力会社のフリーハンドに

日経ビジネス 2017.4.26

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・ウソの狙いはどこにある?

あまりに杜撰な22兆円の試算。

廃炉に係わる東京電力ホールディングスの関係者も「現時点でこんな数字を出せるわけがない」といぶかしむ。

原子力損害賠償・廃炉等支援機構も試算について説明した資料中に「見解の一例を紹介するもの」「機構の責任において評価したものではない」と逃げ口上を併記している。

しかし、この22兆円という数字に、今後の東電の改革は寄って立っている。

なぜこんなことが起きたのか。

龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は、「東電を破綻させずに国民負担を迫ることが目的だ」とみる。

今回の改革提言には22兆円のうち2.4兆円を新電力などの送電網の利用料で賄うことになった。

電力料金に上乗せされれば標準的な家庭で毎月18円の負担になる。

少額ではあるが、東電の廃炉事業のツケを国民が担うことへの反発感情は未だある。

大島教授は「国民負担を実現するには、費用の増大を演出して『福島のために』と迫る必要があった。

一方、事細かに費用を計上すれば、東電が負債の認定を迫られる恐れがある」と指摘する。

事故処理費用が膨らみすぎれば、原発の社会的コストも増大することになる。

「原発が火力や水力よりも割安だと訴え続けてきた国の理論に傷が付き、各地の原発の再稼働にはマイナスに働く」

原子力委員会委員長代理も務めた長崎大学の鈴木達治郎教授は、昨年末の東電委員会による東電の改革提言に関して「東電を存続させて事故処理を担わせるという事故直後の前提の下で積み上げた計画にすぎない。今はもう前提を見直すべき時に来ているのではないか」と指摘する。

電力料金を通じて国民負担を迫る形は「国や電力会社が自由に負担の枠組みを変えられてしまう。

あまりに不透明だ」。

鈴木教授は東電を解体して、事故処理を担う新たな事業体を発足することを提言する。

「基金の形で新たに事業体を作り、第三者機関による監査もつけることが必要。そうすれば、電気料金という形ではなく税金の投入も可能になる。原発を維持したい企業からの寄付も募ることができる」

これは日経ビジネスの4月24日の特集の中で提言した「東電消滅」ともつながるものだ。

「東電の名を残し続けることは、いつまでも事故のみそぎを終わらせないということだ。十字架を背負いながら廃炉事業に邁進している福島の作業員にとっても好ましいことではない」(鈴木教授)。

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原発処理費用、22兆円のウソとそのワケ
国民負担、国と電力会社のフリーハンドに
日経ビジネス 2017.4.26






■日本国民はまるで政府のATM。給料の半分近くを税金と社会保険料で毟り取り、30年の失政のツケを私たちに払わせている

まぐまぐニュース 2022年5月22日 鈴木傾城

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・いまや給料の半分近くが税金と社会保険料で引かれる

今の日本政府は何をやっているのか。

まったくの真逆のことをやっている。

消費税を3%から5%へ、5%から8%へ、8%から10%へ……と、どんどん増やしていき、国民の手取りを減らしていき、消費意欲を減退させている。

「外国では消費税がもっと高い国もある」という人もいるのだが、実は消費税の率を他の国と比較してもしょうがない。

なぜなら、他の国と日本とでは経済成長率も違えば、租税の制度も違うからである。

そもそも、日本人が取られている税金は消費税だけではない。

消費税、所得税、法人税、住民税、固定資産税、都市計画税、共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税、法定外目的税、復興税、自動車税、自動車重量税、ガソリン税、酒税、相続税、贈与税……等々、日本人は40種類から50種類もの税金をひらすら払っていかなければならないのである。

さらに言えば、日本では高額の社会保険料も払っており、そこから逃れることができない。

社会保険料はこの30年で2倍以上にもなっており、これからも「もっと上がる」ことが計画されている。

ステルス税金も多い。

たとえば、日本の電気料金は爆上げ中なのだが、その値上げの要因のひとつとして「再生可能エネルギー賦課金(再エネ発電賦課金)」の存在が挙げられている。

再エネ発電賦課金は「環境のため」と言って、日本政府が2012年にこっそりと取り入れたのだが、これが毎年毎年、凄まじい勢いで値上げしており、2030年までずっと値上げするというのである。

あっちこっちから好き放題にあれこれ税金や社会保険料をむしり取られている日本人は、いまや給料の半分近くが税金と社会保険料で引かれるような無残な状況になってしまった。

・政府の30年の失策のツケを国民が身銭を切って払っている

「社会保険料が高いと言っても高齢者が増えたのだから仕方がない」という人もいるのだが、こういう考え方をすること自体が「政府の教育の成果」であるとも言える。

そもそも「高齢者が増えた」というのは、相対的に言えば「子どもたちが減っている」ということである。

子どもたちが減っているというのは、この30年間の政府の失策で国民が「子どもを作れない社会になってしまった」ということである。

それもそうだ。

日本政府は1989年に消費税を取り入れ、1993年には総量規制を取り入れてバブルを全力で破壊した。

1997年には消費税を5%引き上げて超就職氷河期を作り出し、非正規雇用者を大量に増やして若者を貧困化させていった。

そして、5%でも飽き足らず消費税8%へ。

さらにそこから10%へ……。

そうやって以後の日本を首を締め上げるように貧しい国にした。

経済的不安定な状態の中で「結婚しよう」とか「子どもをどんどん産もう」と思う若年層は減る。

そういう事態が積み上がって、最終的に「子どもたちが減っていく」社会が出現した。

「政府がそうした」のだ。

要するに、高齢者が増えたというのは、自然にそうなったのではなく、政府の30年の失策でこうなったのである。

しかも、多くのアナリストが「少子高齢化になる、少子高齢化を放置するな」と警鐘を鳴らしている中で、日本政府は無為無策で30年を過ごした。

そして、結局は世界最悪の少子高齢化の社会を招いて、日本政府は社会保険料を30年で2倍も引き上げ、さらに年金を下げ、年金受給年齢も引き上げている。

この年金支給のために必要な財源は「賦課方式」で準備しているので、少子高齢化を放置した結果として高齢者の年金受給額は減って若年層の負担が重くなるという二重の意味での失策を日本政府は犯している。

政府の30年の失策のツケを国民が身銭を切って払っているというわけだ。

・このまま放置していたら、私たちは支払いで潰れていく

改めて言うが、政府が国を成長させたいのであれば、個人が豊かになってガンガン消費できる国を目指せばいい。

ところが政府は「財政赤字がキツい」「プライマリーバランスの黒字化をしないと日本が崩壊する」と言いながら、ひたすら予算を削り、国民に増税して、国民の給料の半分近くをむしり取って日本人が「消費できない国」にしている。

しかも「構造改革だ」とか言って非正規雇用者をどんどん増やして国民の生活を不安定かさせて、ここでも日本人が「消費できない国」にしている。

その上、少子高齢化で消費人口をも減らしているのである。

今の日本政府がいかにでたらめな国なのか、開いた口が塞がらないほどだ。

今の日本政府は、率先して「個人がまったく消費できない環境」にしているのである。

その結果、企業も成長できなくさせており、経済がどんどん萎縮している。

経済縮小(デフレ)は30年以上も続いているのだが、日本政府の政策が「完全に間違っているから」こんなことになっているのだ。

・日本人はいい加減に声を上げるべき

冒頭にも書いた通り、別に日本は戦争や飢餓に巻き込まれているわけでもないし、内戦が起こっているわけでもない。

平和で国民が勤勉なのに成長できない国になってしまっているのだ。

日本政府がひたすら増税・搾取路線に走れるのは、いくら増税しても社会保険料を値上げしても国民が何も言わないからでもある。

国民が従順に「理解を示す」のも悪いのだ。

日本人はいい加減に声を上げないと、日本政府のATMとなって好きに給料をむしり取られるだけだ。

まずは「ふざけるな」と声を上げるのが第一歩である。

・まわりの人に「税金が重すぎる」と話そう。

・ネットでも「税金を何とかしろ」と叫ぼう。

・税金は重すぎるという世論を盛り上げよう。

・地方議員・国会議員に「税金を何とかしてくれ」と陳情しよう。

・余裕のある人は抗議デモを支援しよう。

・政府のあらゆる窓口に「税金が重すぎる」と訴えよう。

・選挙では搾取マシーンと化した自民公明の票を減らそう。

私もあらゆる議員に「税金を取りすぎだ」「消費税をゼロにしてくれ」と訴えていきたいと思う。

すべての国民がこれについては動く必要がある。

今の日本政府は、もはや国民をATMとしか思っていない集団であることを私たちは理解しておかなければならない。

このまま放置していたら、私たちは支払いで潰れていくだけだ。

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日本国民はまるで政府のATM。給料の半分近くを税金と社会保険料で毟り取り、30年の失政のツケを私たちに払わせている
まぐまぐニュース 2022年5月22日 鈴木傾城







■「ボロ儲け」で大手電力は高笑い?電気代爆上げ、メディアが報じない真の問題

Yahoo!ニュース 2021/2/18 志葉玲





■関電幹部たちの「原発キャッシュバック豪邸」高浜町の元助役から関西電力の会長、社長、副社長に3億2千万円が渡っていた

FRIDAY 2019年10月11日





■東電に8兆円超も税金投入…政府や電力会社がおかしい!

日刊ゲンダイ:2018/11/16






■10月から"こっそり"と電気料金に上乗せされた原発賠償金

週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2021年11月1日




■知らぬ間に上がる電気代 原発の賠償・廃炉費、昨秋から上乗せ 

中日新聞 2021年7月21日





■なぜ電力ひっ迫を招いたLNG不足を予測できなかったのか

深刻な電力不足と電力市場の高騰は少なくとも1月末まで続く

日経ビジネス 2021.1.13 山根小雪





■大事故を起こした東電が罰せられない不思議

大庭健著「民を殺す国・日本」を読む

東洋経済 2015/09/18 奥村 宏






■今なお不祥事が続発。10年間、まるで成長していない国と東電の「原発安全管理」

週プレNews 2021年03月12日






■電気料金「普通じゃない」値上がり 玉川徹が指摘した「政策の副作用」との関係

J-CASTニュース 2023年02月01日 モーニングショー






■家計を圧迫する「電気料金高騰」のからくり 政府の「電気料金の負担軽減策」も役に立たず!?

BCN 2023/01/24





■日本企業が悶絶するインフレ2022、資源高と悪い円安が招く「コスト上昇ラッシュ」の惨状

週刊ダイヤモンド 2022.1.17





■止まらぬ円安、電力・ガス燃料コスト危機

電気新聞 2022年6月21日





■福島原発事故の処理費21.5兆円 負担は家庭や企業に

東京新聞 2021年3月25日





■なぜ電力不足が起きているのか? 「儲からぬ」と火力を休廃止 再エネに必須なバックアップ電源なし

長周新聞 2022年6月12日





■「原発が止まると電力不足になるというのは、ウソのプロパガンダだった」

「2年間、原発ゼロを続けて電力供給にまったく支障がなかった」

原発依存に反旗を翻した金融界に1人だけの「超」異端児――吉原毅×広瀬隆対談【パート2】(東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命 広瀬隆:ノンフィクション作家)

週刊ダイヤモンド 2015.11.7





■原発の運転停止で電力不足は起こったか? 

大飯原発再稼働から40日の状況で分かった原発必要論の大ウソ

現代ビジネス(週刊現代) 2012.08.14 町田徹






■「電力余り」をひた隠す、マスコミ、関電のウソを暴く!

Business Journal 2012.05.18





■全原発停止でも供給に余力

「西日本は電力不足」のウソ

週刊ダイヤモンド 2011.7.19





■「節電しないと今夏、大停電」はウソ、火力・新エネルギーで電力需要は賄える

東洋経済 2011/06/22





■東芝は米国にハメられた。原発買収で起きていた不可解なやり口

・電力会社がS&Wの買収を要請した

・巧みに隠蔽された巨額の超過コスト

「約7000億円という莫大な超過コスト」

「その損失を、全部、東芝一人が背負わされてしまった」

まぐまぐニュース(2017.06.16)






■「トモダチ作戦」東電を訴えた米兵はどれほど被ばくしたのか?

「重篤な病気が福島県周辺でも増えているという報告は聞かない」

「米軍関係者が原発周辺の陸上にいた人たちよりも深刻な被ばくをしたというのは考え難い」

週刊現代(講談社)2017.9.13(山田敏弘)






■福島第一原発にイスラエルの会社の「謎」

「福島第一原発の警備システムの一部を日本の企業ではなく、イスラエルの会社が請け負っている」

「なぜ機密性の高い原発の警備システムの一部を外国の企業が請け負っているのか」

週刊現代(講談社)2011.5.22






■日本を破壊する黒幕の正体、安倍晋三はただの操り人形。





■2011.3.11人工地震・津波

窪塚洋介×ベンジャミン・フルフォード(米国経済誌『フォーブス(Forbes)』の元アジア太平洋支局長)


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