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㊗️19話完走!

なぜ半端な数で㊗️なのかと言うと19話とは「ガイドブック前編」掲載の最終話なのである。
いろいろ思うと無事全19話完走できてほっとした。
一応ひと区切り記念にこの4カ月間のまとめをしてみようと思う。
まず以下を明記しておく。

・完全なる偏見・私見・主観・独り言・愚痴・ぶつぶつ
・ドラマ(≠史実)として理解している
・あくまでも「大河ドラマ(歴史ドラマ)として」どう思うか
・ドラマを楽しんでる人に物申すものではない
・もちろん目指すは完走
(平安時代好きとして最後まで見届ける覚悟
・毎回の感想記事の備忘録的まとめ

* * * * * * * *

◆ よかった!

  • 何といっても初の平安中期大河!

  • キャスティング(特によかったのが↓)
    一条天皇→今後他の人が演じるの禁止
    実資→意外にも大当たり

  • 衣裳・セット
    内裏の公卿の黒袍姿は眼福
    セットも素晴らしい

  • 時代考証
    よくぞkrmt先生を選んでくれた!

  • 政務の様子が見られる
    朝儀や陣定シーン
    歌や夜這いだけじゃない平安貴族の日常

  • 一条天皇と定子様
    今の視聴継続の支え

    ……以上!

◆ …うーん

  • 史実、逸話、登場人物の重要な関係のスルー
    道隆→戯れ言(猿楽言さるごうごと)好きの陽キャ
    超子→兼家・時姫の長女(ナレのみ)
    義懐・行成→叔父・甥
    花山・行成、公任・実資→いとこ
    為光・斉信→親子
    誠信さねのぶ・斉信→兄弟
    繁子・道兼→叔母・甥
    義懐・惟成→出家
    行成・清少納言→ソウルメイト(本物)
    俊賢・行成→仏法の霊験

  • 謎の脚色
    行成→道長・主上への憧れ
    実資→好色 (説話にあるがそこに焦点合わせなくても)
    花山・忯子→あのプレイ(?)
    義懐・惟成→佞臣、奸臣
    道兼→殺人・毒盛
    明子→呪詛
    婉子女王→わざわざ出してアレ?
    道隆・伊周→皇子を産め〜〜〜

  • パターン化(記号化)した描写
    無能=女を侍らせ宴会
    自暴自棄=大酒飲んで暴れる
    主人公と対立する相手=独裁・横暴・民を無視
    主人公=抑強扶弱
    嫌がらせ=鋲を撒く

  • 平安時代の風俗・慣習としてなんかヘン
    女性の名前(ちやは、まひろ、ききょう)
    上流貴族の姫が顔を晒す
    消えたり現れたりする御簾・穢
    貴族の娘が夜中一人で出歩く
    婿取り婚と言いつつ財産・地位のある婿を探す
    北の方・妾問題
    服喪場面がない
    道兼のまひろ母殺人・首を取る発言

  • 見る機会がない(見たかった)
    図解などによる詳しい状況説明・補足
    束帯など装束の裾を長く引いて歩く姿
    日常の政務の様子(上卿とか欠席者多数の陣定とか)
    葱花輦そうかれんでの行幸
    喪の描写(鈍色の装束)
    高階家の人々
    定子様サロン(清少納言の存在意義)
    主上と猫の命婦のおとど

  • その他
    時々聞こえる謎BGM
    都の一等地にずっと放置されてる状態のいい廃屋
    全体に流れる「昼ドラ」感
    時代考証の意味?

◆ 雑感

以前Xで「この大河は衣装を変えれば現代の話」というポストを見かけた。
枕草子の類聚段るいじゅうだん(いわゆる「ものづくし」)には今と近い感覚と思える内容もあるし「舞台は平安時代だけど現代の我々にも共感できる話」というドラマは充分成立すると思う。

でもその逆の「現代の価値観で描く平安時代の話」となると…?
とたんに胡散臭くなる。
主人公道長を正義漢として描くために「民ガー」をさせたり悲田院視察に行かせたり救い小屋を作らせたり…。どこかで時空が歪んでる。
これはこの大河に限ったことじゃないけど。

もちろん現代人が作る以上、現代の感覚・解釈完全シャットアウトは不可能。
創作なのだからオリジナルのストーリーが入るのも理解できる。
でも“大河ドラマ“と銘打ってる以上、一定の守るべきラインはあると思う。
脚本家にその時代への知識や興味、こだわりがあろうがなかろうが。


 ▶︎ちょっと脱線〜HPの回復法?

「花の乱」という『平安建都(遷都)1200年を記念して室町幕府第8代将軍・足利義政の妻である日野富子の生涯と、応仁の乱およびその前後の状況を描いた』1994年の大河ドラマ、ご存知だろうか(自分は未見)。
室町民の動画投稿者の方が「すごい」と前に言ってたのを思い出してwikiを見てみた。

例えば主人公 日野富子の項(一部)

母の苗子が酒呑童子に犯されて身ごもった娘(本物の富子の異父姉)だったが、本物の富子が盲目となったため幼少時に入れ替えられて富子となり、富子だった異父妹が森侍者しんじしゃになった。勝光の策により義政の夢を毎晩のように見、恋い焦がれるようになる。そのことを危機に感じた今参局いままいりのつぼねの差し金により一度は狂人と化してしまうが、勝元の機転から正気に戻るも敢えて狂人を装い、今参局を騙し続けた。…

1994年大河「花の乱」wikiより

1行目から破壊力が…。
史実が〜なんて言う気も失せるレベル。強い。
自分は「大河ドラマ」というものに大きな誤解をしていた…!?
もちろん大河ドラマ≠史実だけど、ここまでやっていいんだ…?
これにGOサイン出すNHKの胆の太さたるや。
しかし。これ、当時批判でなかったんだろうか?
ただでさえ複雑な応仁の乱にあんな奇想天外な創作加えてドラマとして成立してたんだろうか。
wikiによれば『2012年の大河ドラマ『平清盛』の第45回「以仁王の令旨」にて7.3%を記録するまで、大河ドラマ歴代ワースト1位だった』らしい。
(「後年再評価」されたそうだ)
これを思えば今作なんてまだ大丈夫じゃないか!?

そういえば今作では完全な架空の人物は直秀くらい?
新たな人物作り出すより、実在人物に架空キャラ実装する方式かな。
思えば「信長 KING OF ZIPANGU」(1992年)の架空キャラ加納随天かのうずいてんもかなりすごかったっけ(オンデマで完走)。
メインの信長とか光秀の描き方は従来のパターンと違って良かったのに。
やっぱり今作はまだまだマシな方な気がしてきたぞ(マシいうな)。
ストーリーや描写で削られたHPは過去大河のwikiで回復できるかも?
(以上脱線おわり)


「主人公アゲゆえの対立側サゲ」が短絡的で好きじゃない。
不必要に「盛る」「捏造」「貶める」のはいくら創作でも不快だし、こういう下世話さが一気にドラマを俗っぽくさせてしまってる。
過度なアゲはサゲと同じくその人物を貶めてると思う。
そうまでしないと主人公を“善く”描けないんだとしたら、それはストーリーの方に無理があるんじゃないか。

そもそも主人公が全方位「善い人物」である必要もないのに。
英ドラDownton Abbey、主人公メアリーの狭量でわがままな面を描いてても根は公平で「善い人物」であるとちゃんと伝わってくる。
またこの大河の「善い」の定義が「初恋の人をずっと想い続ける」とか「弱者の味方」とか「大勢にただ一人立ち向かう」とかひと昔前の定型パターンなのも今ひとつ共感出来ないところ。

初めはノンポリの末っ子で棚ぼた式にラッキーに恵まれただけだったのが、なぜかライバルたちが勝手に死んだり自滅したりし、後宮政策や人身掌握術に長け、ついには満月〜に達するっていうリアル道長の一生で十分面白くない?
兄たちが健在で出る幕のなかった時期の道長を道兼や中関白家を悪く描いてまで「アゲる」必要があったんだろうか。
過剰に脚色しなくても史実通りで嘘みたいにドラマチックなのに。
その隙間に紫式部との恋愛(創作)を入れるんじゃダメだったの?

「まひろの望む世を作る!」を政治の目標・動機にしてしまったから恋愛パートと歴史パートが混ざってしまって、結果、史実の方が改変される羽目に。
こうなるとその辻褄合わせ(があるとして)もまた無理筋な展開にしないといけないわけで…結局「最初から史実通りでやっておけばよかったのでは」にならないんだろうか?

その無理筋と史実パート不足を補うためか放送後、公式Xが怒涛の更新をして公式サイトの解説に誘導しようとしてるけど、そこまで見る人がどれだけいるだろう。
だいたいそこまで見に行く人はもともと歴史に興味のある人だけでは?
放映のみで完結するほとんどの視聴者には誇張と創作の本編の記憶しか残らない。

忘れもしない、去年の7月25日。
時代考証の先生がなかなか発表されず、やっと発表された日。
TLでは安堵のポストがどれだけ流れたか。
「これで大丈夫だ!」というポストすら見た。
これは警戒は残しつつも少し緩んだ自分の無邪気なポスト(供養)。

なにも歴オタレベルの“正しい”描写以外許せん、と言ってるわけじゃない。
ただもう少し史実を尊重した知的でオトナのドラマを期待してた。
何といっても莫大な予算と時間、最高のスタッフを揃えての1年間続く看板番組なんだし、舞台が初登場の時代とくれば例年以上に制作にも力が入るに違いないと。
つくづくkrmt先生の持ち腐れなんだよな。
放映後の公式サイトで「史実」を解説していただくのはありがたいけど、本当にもったいない!!
これならH郷先生でよかったんじゃないか(小声)。

* * * * * * * *

今のところの感想を一言で言うとすると
「人に面白いかと聞かれたら答えに詰まるドラマ」
という感じかな。

実際、先日同僚(歴史に興味なし)に聞かれた時はこんなだった。

その時の脳内

結果、口から出たのは→→→→「 ま ぁ ま ぁ か な 」(!?)

でもまだ半分ある。これから盛り返さないとも限らない。
まもなく道長の独走態勢だから不快な貶めシーンは減るだろうし。
それに来年の今頃「べらぼう」を見ながら絶対、
「去年、毎週なんだかんだ楽しかったなぁ…」と思い返すと思う。
そしてあれが最初で最後の平安中期大河だったんだなと懐かしむと思う。
(ドラマそのものは…?w)
だからこれからもどういう奇想天外な展開が来ようとも、悔いのないようしっかり視聴して重箱の隅をつついていく!
何度も書くように目標は視聴・note記事の完走!
これは何事も三日坊主の自分との戦いでもあるのだw


以上まとめでした。
お付き合いありがとうございました。
あと半分ちょっと、あらためてよろしくお願いします。


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