「17の水族館」まとめ
#恋愛 /純愛/恋人/現代/学生#
11,476文字
※以下、ネタバレを含んだ感想になります※
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水族館という場所がとてもしっくりきました。
夏休み目前という時期と涼しい水族館が、青春の代名詞ともいえる高校生でありながらどこか冷めている春昭のようです。そして自由なようで水槽の中な魚が、春昭とヒカリはこれから別の水槽を泳ぐのだと感じました。
そのまま純文学のような空気に浸るのもよかったのですが、考えたくなったのはヒカリの気持ちです。安藤くんは待たせないようにしたのに、春昭には先輩と同じ時間を教えました。
「誰かのものになりそうになってやっと勇気を出す」という春昭を期待したというか、最後の賭けだったのでしょうか。
だとしたらこれがヒカリの視点で書かれていたら生々しすぎたかもしれません。
ヒカリとは何年もあの空気だったのに、先輩とは水族館の帰りには手をつなぎたいと思っていたというのもヒカリには辛い結果です。
春昭の視点から書かれ春昭は気付かないままというのが、青春を淡い思い出として感じられて素敵な物語でした。
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