星空について書きます。
柄にもなく僕は、夜空を見上げることが好きです。
ペントハウスに一人住まいだった頃は、部屋から、都心の上空に向けた望遠鏡で土星の輪っかを覗いたりしていました。
――都内の明るくて汚い空で、土星なんて見えるの?
と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、惑星なら十分、都内でも見られます。
逆に、淡い天体、たとえばアンドロメダ大星雲なんかは、地方のキャンプ場とか、町灯りが少なく、空の澄んでいるところで見るのがお勧めでしょうか。80ミリ口径の双眼鏡を三脚に据えて、寒さも気にせず眺めたものです。
――あれれ? 土星が望遠鏡で、アンドロメダ大星雲が双眼鏡??
と変に感じた方がおられるかもしれませんが、書き間違えではないのです。
確かにアンドロメダは、土星よりうんと遠くにありますが、うんと大きな天体だし、ぼわっと広がっているため、望遠鏡の視野に入れてみるには大きすぎるし、惑星に比べるとかなり暗い天体なので、口径が大きくて集光率の高い双眼鏡じゃないとよく見えないのでありました。暗い天体を見るのに大事なのは、望遠の倍率ではなく、レンズの大きさすなわち集光率なのですね。
それから、若い頃には毎年、お盆の8月12日あたりに、山や高原まで走り、地面にアルミシートとかを敷いて、寝っころがって、朝まで空を眺めていました。
なんでかっていうと、ペルセウス座流星群を見るためです。夏の流れ星は凍えずに見られるので楽チンなのです。
暗い空なら朝までに、たぶん100個くらいの流星を数えることができたんじゃなかったかなあ。
流星群といえば、新宿の、友人のマンションの屋上から眺めた獅子座流星群の極大――これはすごかった!
長いのや短いのや、明るいのや暗いのや、速いのや遅いのや、ゲジゲジみたいに動くのや、火球と呼ばれるとてつもなく明るくて大きいのや、いろんな流れ星が、息つく暇もないほど次々と矢継ぎ早に流れました。
山梨にいた友人と、電話で
「流れた!」
とか、
「あ、また」
とか、
「北の下のほう!」
とか言い合いながら見ていたのですが、山間の暗い空にも、思うほどには見劣りしない眺めを、新宿の上空が確保できていることにたまげました。それほど明るい流星たちだったのです。
どうしてもまた見たくて、日本での極大日の翌年――、アメリカはアリゾナ州のモニュメントバレーに行き、膨らませたエアロスペースマットを赤土の上に敷き、右ミトンという岩と左ミトンという岩の間を一晩中眺め、同時にスチールカメラで撮影しました。
ラッキーストライクのCM――だったかに登場していた岩のシルエットの向こうに、地球の自転が描く星たちの円弧があり、それを突っ切るようにいくつもの直線が写っていました。直線たちは流星群の光跡なのでありました。
毎年決まって同じ日に、機械仕掛けみたいに正確に、流れ星たちはやって来ます。宇宙は精巧な時計なのでありますね。
夏のペルセウス座流星群、秋の獅子座流星群、それから冬には双子座流星群――。
H2ロケットの取材で種子島に行ったのは冬のことで、打ち上げ前日だったかの海をバックに、オリオン座を横切るような双子座流星群が見えました。数は少なめだけど、明るい流星が多かったような記憶があります。
あと、僕も妻も蠍座生まれなのだけれど、2010年夏の沖縄で一度、同年夏の伊豆半島南端の海でもう一度、くっきりと明るい、たいそう立派な蠍座を、夫婦で並んで眺めることができました。
妻「理科の教科書みたいだねえ」
僕「あの赤いのがアンタレスだよね」
妻「そだね。蠍の心臓」
僕「『ルビーよりも赤くすきとおり、リチウムよりもうつくしく酔ったよう』な星――」
妻「ミヤケン(宮沢賢治)のギンテツ(銀河鉄道の夜)だね!」
そんなやり取りがつい先日のことのように思い出されます――。
そして今――。
桜の向こうの、春の明星に見つめられながら、宵の道を歩み、宇宙や、僕らや、人類や、未来のことなんかを漠然と考えながら……、世界の真ん中を生きています――。
*
5人目の被験者(!)さん、Mさんのお知り合い、のXさん、の占い結果を以下に掲載いたします!
Xさん、ご協力をありがとうございました!
あひろ場にご参加ご希望の方は、
1、生年月日
2、出生時間
3、出生地
の3つのデータをコメント欄に書き込んでご用命ください。出生時間はだいたいでも大丈夫です。出生地のデータはなくても問題ありません。
個人情報を晒したくない方は「クリエイターへのお問い合わせ」ボタン経由でも構いません。で、今回みたいな形で記事にしてよいか、よくないかも教えてくださいね。記事にされたくない方には、結果を、「お問い合わせ」にあったメアド宛てに送信させていただきます!
お代はいただいていませんが、結果に満足していただけましたら、サポートしていただけますと嬉しいです!
お気軽に、ってかテキトーにウェルカムです!
読んでくださりありがとうございました!
*2024/4/17追記
新規募集のお知らせは、【あひろ場∞】の記事のいちばん下にあります!
▼あひろ場