ひきちぎった!(333文字)
デビルクロー!
と僕は叫んだ。
手にした肉塊は
ひやりと冷たく
くの字の指は
それに食い込み
びらびらした皮を
容赦なく
ひきちぎった。
まさに
悪魔!
悪魔の所業である!
「――できた?」
と妻。
頷く僕。
「……ありがと。そしたらこっちのタッパーに入れるから、そのあと冷凍庫にお願いね?」
――鶏肉の皮剥きなんて
悪魔のふりでもしなきゃできたもんじゃない(うう、きもちわり😖🖐💦)。
「――あれれ? この塊、おっきすぎて、このまんまじゃタッパーに入らない……」
と、
妻が言うので、
デ~ビルクロー!!!!!
とまたもや僕は雄叫びをあげ、
肉塊を掴むと、
まっぷたつに引き裂いたっ!
(ぐ、ぐへへ……、見たかっ、悪魔の力を!)
――ところが、
「んー」と妻。「そこはフツーに包丁使えばよかったんじゃなーい?」
あ……!
文庫本を買わせていただきます😀!