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今日の科学 5月8日

1980年5月8日、世界保健機関(WHO)は第33回総会で、天然痘の根絶宣言しました。これまでのところ、人類が根絶できた感染症は天然痘だけです。WHOは1967年に世界から天然痘を根絶する取り組みを始め、1980年に根絶が宣言されました。

天然痘根絶で忘れてならないのが、イギリスの医学者エドワード・ジェンナーです。彼は天然痘に似た牛の病気である牛痘に感染した人から取り出した牛痘ウイルスを未感染の人に接種して、天然痘ウイルスへの免疫力を高める牛痘種痘法を開発しました。

天然痘は天然痘ウィルスへの感染によって発症する感染症で、天然痘は古代から多くの人たちに恐れられてきたものです。それまでも、天然痘の予防手段として、感染者にできた膿疱や痂皮の一部をまだ感染していない人に接種する人痘種痘が行われてましたが、接種によって発病や死亡する例も多く、危険なものだったのです。

しかし、ジェンナーの牛痘種痘法は安全性が高く、急速に広まっていき、その後のワクチンの開発につながりました。ジェンナーは自らが開発した牛痘種痘法の情報を進んで公開し、種痘の普及に努めました。

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