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今日の科学 5月18日

今日は 国際博物館の日 。博物館 の大きな役割は、たくさんの資料を集めて、しっかりと研究できるように保管すること。それらの資料や研究の成果などを、いろいろな方法で発信しています。 国際博物館の日 は、ICOM(国際博物館会議)が1977年に制定しました。

博物館といっても、総合博物館、歴史博物館、美術館(美術博物館)、科学博物館など、その種類は様々です。動物園や水族館も、生きた動物を集め、生態などを研究し、たくさんの人が見られるように展示している立派な博物館です。

日本には、大小様々な博物館があります。文部科学省の調査によると、日本には5771館もの博物館があるそうです。僕は、ときおり博物館に行きます。博物館ではいろいろな世界に触れることができ、いるだけでおもしろいですよね。

科学で博物館といえば、国立科学博物館ですよね。

国立科学博物館は、2023年に大規模なクラウドファンディングを実施して話題になりました。このクラウドファンディングは電気代や物価の高騰などで博物館の運営が厳しくなったことで、1億円を目標に挑戦したのです。結果は、目標を大きく上回る9億円以上のお金が集まりました。たくさんの人たちが科博を大切な存在であると思っていることが可視化されたことは、とてもよいことだと思います。

ただ、国は博物館をはじめ、学問や文化の分野に積極的にお金を出そうとしてない姿勢が気になります。その懸念を感じるのが、2024年度の博物館関連支援予算の中に盛りこまれていた「ミュージアムプロフェッション養成のための専門人材派遣事業」です。

この事業は博物館が新たな取り組みをするための専門人材を確保するためのものとなっています。文化審議会第5期博物館部会で示された資料には、支援する取り組みの1つとして「博物館の経営基盤を強化するため、クラウドファンディングやメンバーシップなどのファンドレイジング 活動を具体的に進めていくための専門人材(ファンドレイザー、マーケター等)を派遣する」と書かれています。これは、博物館の運営資金を稼ぐために、クラウドファンディングをもっと活用するようにと、暗に国が言っているように聞こえます。

博物館の魅力を増すために、いろいろな取り組みをすることはよい面もあると思いますが、そのような取り組みは安定した運営基盤があってこそです。博物館が安定して運営できる基盤的な資金を国が強化して用意すれば、学芸員の雇用など、博物館の魅力を増す取り組みが、博物館側から自主的に起こるのではないかと、僕は思います。

博物館の強化は様々な文化や情報を多くの国民に伝えることになり、結果的に日本全体を豊かにすると思います。 国際博物館の日をきっかけに、自分にとって博物館はどのような存在なのか、考えてみませんか。


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