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今日の科学 5月10日

5月10日は地質の日。

5月10日は、1876年にアメリカの鉱山学者ベンジャミン・スミス・ライマンらによって、日本で初めての広域的な地質図である「日本蝦夷地質要略之図」が作成された日であり、1878年に地質の調査を扱う組織の内務省地理局地質課が発足した日でもあることから、2007年に「地質の日」に制定されました。

ベンジャミン・スミス・ライマンは明治初期に、北海道開拓のために招かれたお雇い外国人の1人で、北海道の炭鉱などの開発や地質学の発展に大きく貢献した人です。ライマンは、1872(明治5)年11月に来日し、東京・芝に設立された開拓使仮学校(後の札幌農学校、北海道大学)で教え始めました。

そして、その年の4月には北海道の地質調査に着手しました。調査は過酷なもので、困難なこともたくさんありましたがそれらを乗り越え、200万分の1の宿舎くん広域地質図「日本蝦夷地質要略之図」の出版にまでこぎつけました。ライマンたちの調査によって、石狩炭田開発の基礎ができていき、後の繁栄につながります。

内務省地理局地質課は、産業の基礎をつくるために、国立地質調査所の設立が建議されたことにより、設置されました。1882年には地質課が廃止され、地質調査所が設立されました。さらに、2001年の中央省庁再編によって、地質調査所は産業総合研究所 地質調査総合センターとなっています。

毎年、5月10日を中心に「地質の日」を記念したイベントが実施されていますよ。


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