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今日の科学 5月12日

2022年5月12日、国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」のグループが、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」の影(ブラックホール・シャドウ)の画像を公開しました。

銀河はたくさんの星やガスが集まってできた巨大な天体です。この宇宙には数え切れないほどの銀河が存在していて、ほとんどの銀河の中心には太陽の100万~100億倍の質量をもつ超大質量ブラックホールがあると考えられています。私たちの太陽系が属する天の川銀河の中心にも、もちろん超大質量ブラックホールが存在し、「いて座A*」と名づけられています。いて座A*は太陽の400万倍の質量をもつ巨大なものです。

実は、いて座A周辺から放出される電波は1931年に既に観測されていました。アメリカのカール・ジャンスキーが世界で初めて観測した宇宙からの電波がいて座Aを含む天の川銀河の中心殻のものだったのです。

その後、いて座A*は超大質量ブラックホールである可能性が示され、実際にブラックホールシャドウが撮影されるまでになりました。2024年3月27日には、EHTのグループがいて座A*の電波の偏光観測の結果を発表しました。いて座A*の縁から渦巻き状に広がる強い磁場があることがわかりました。

2024年3月27日にEHTコラボレーションが発表したいて座A*の偏光画像
(画像提供:EHT Collaboration)


この記事でブラックホールに興味をもった方には、こんな本もあるのでよかったら読んでみてくださいね。


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