荒舩良孝

科学ライター/ジャーナリスト。科学の研究現場から科学と社会の関わりまで幅広く取材し、現…

荒舩良孝

科学ライター/ジャーナリスト。科学の研究現場から科学と社会の関わりまで幅広く取材し、現代生活になくてはならない存在となった科学について、深く掘り下げて伝えている。最先端研究から身近なふしぎまで、幅広い分野で取材、執筆活動を展開。最近は、写真も勉強中。

最近の記事

『Newton』6月号のお知らせ

ライターとして本や雑誌に関わっていると、自分の手から離れてから、実際に世に出るまで少し時差がある。そのため、異なる時期に取り組んだことが、同じような時期に世に出ることがままある。4月はそのような時期で、成果として紹介できるものがもう1つ増えた。 今回、記事を書いたのは、科学雑誌『Newton』6月号。フリーなので、毎号必ず書くわけではないが、3か月連続で仕事をさせてもらえるのは、正直、ありがたい。6月号では「銀河百景」というビジュアルページを担当した。 銀河は太陽のような

    • 雑誌『Pen』に初めて記事を書いた

      なんでも、世間ではゴールデンウィークなるものに突入しているらしい。 い、いつの間に。僕には連絡がなかったなあ。でも、ゴールデンウィークという言葉は、映画会社が集客目的でつくった言葉というではないか。僕は業界が違うから、気がつかなかったのか。 とまあ、そういう話は置いといて。 大型連休に時間を持て余しているなという人は、雑誌などを読んでみるのはいかがですか。いい雑誌ありますよ。『Pen』6月号です。 『Pen』。聞きしに勝るおしゃれな雑誌。 僕には無縁の存在かと思っていたが

      • 新しい本ができました!

        最近、人生にはいろいろな周期があると感じている。 去年の後半は、どちらかというと停滞期で、仕事としてもめざましい成果はそれほどなかった。それは収入面などに反映された訳で、自分にとってはちょっと苦しい期間だった。 今はそれがちょっと抜けつつあるかなという感じではある。あと、長い間取り組んできた仕事が少しずつ形にもなってきている。その1つが本だ。実は、4月下旬に講談社から『ぴかりか 月に移住!? 宇宙開発物語』という本が発売された。 「ぴかりか」というのは講談社が新しく立ち上

        • 科博クラファンの返礼品がやって来た ヤァ! ヤァ! ヤァ!

          今日、荷物が1つ、手元に届いた。 何も印刷されていないシンプルな段ボール。発送元を見ると、国立科学博物館からだった。国立科学博物館は、去年、大規模なクラウドファンディングを実施した。このことについては以前、noteに記事を書いた。 このクラファンに、僕も少しサポートしていて、その返礼品が届いたのだ。 中を開けてみると、こんなものが入っていた。 ていねいに茶紙に包まれている。かはくオリジナル図鑑とトートバッグのコースに申し込んでいたので、図鑑だろうなと思いながら開けてみると

        『Newton』6月号のお知らせ

          「だいち4号」機体公開

          2024年3月11日、三菱電機が先進レーダ衛星「だいち4号」の機体を公開した。「だいち4号」とはいったいどんな衛星なのか、簡単に紹介する。 ジャーン、これが、その機体だ。 これだけだと、ちょっと大きさがよくわからない。人が一緒に並ぶとこんな感じ。重さ約3トンもある大きな人工衛星だ。 公開時はH3ロケットに納まるように太陽光パネルやフェイズドアレイレーダーが折りたたまれている。ちなみに、白い部分がフェーズドアレイレーダーで、黒い部分が太陽光パネルとなる。打ち上げ後はこれら

          「だいち4号」機体公開

          「虎に翼」と令和の時代

          2024年4月からNHKで始まった「虎に翼」。おなじみの朝の連続テレビ小説、通称、朝ドラの最新作だ。僕にとって朝ドラは、女性の主人公が困難に立ち向かい、自分の人生を切り開いていくという感じのドラマがつくられているという印象だ。最近は、実在の人物をモデルにしたものが多い。今回は、日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子さんをモデルにしているサクセスストーリーかな、くらいの軽い気持ちで見始めた。 まだ1週目が終わった段階だが、今回の「虎に翼」はいつもの朝ドラとは一線

          「虎に翼」と令和の時代

          2024年3月まとめ

          3月が終わった。早くないか? 2024年も、もう3分の1が過ぎてしまった。 早い。何もかも早すぎる。 何だか、延々とこういうことを続けてしまいそうなので、話を先に進めよう。 2月に続いて、自分の中では3月も宇宙関係の話題で盛り上がった。 まず、3月14日に日本の民間企業スペースワンによるカイロスロケットの打ち上げが実施された。カイロスロケットは勢いよく発射台を飛び立ったかのように見えたが、発射から5秒後に突如爆発した。 詳しいことはわかっておらず、想定される原因なども公

          2024年3月まとめ

          Newton5月号にも記事を書いた

          科学ライターの仕事をしているので、たまには科学雑誌Newtonに記事を書く。2014年から2017年にかけて毎月書いていた時期もあったが、基本的には依頼ベースなので、記事を書くのは不定期だ。2023年は2回くらいだったかな。 ただ、今年はありがたいことに4月号に続いて5月号もNewtonに記事を書くことになった。テーマは「世界の最新ロケット」。2月17日に日本の新しい基幹ロケットH3試験機2号機の打ち上げ成功を受けて、H3ロケットについて2見開きに渡って紹介し、続くページで

          Newton5月号にも記事を書いた

          Yahoo!ニュース特集に書いた科学以外の記事

          少し前に変形型月面探査ロボット「SORA-Q」の記事がYahoo!ニュース特集で公開された。「まだ読んでない」という人はいないかもしれないけど、もし、まだだったら、こちらの記事も読んで欲しい。 いきなり脱線してしまったが、この記事の本題はここからだ。実は、同じ日に僕が関わった記事がもう1つ公開されていた。それが、こちら。 僕は科学ライターとして、長年、科学の話題を中心に扱ってきたが、Yahoo!ニュース特集にも書かせてもらうことで、科学的な成果やイベント内容などを伝えるだ

          Yahoo!ニュース特集に書いた科学以外の記事

          驚きのスターシップ試験飛行3回目

          いやあ、すごいものを見てしまった。 いつまでも見ていられる映像だった。 日本時間の2024年3月14日22時25分頃、スペースXが新しい宇宙輸送システム「スターシップ」の3回目の試験飛行を実施した。スターシップは1段目にあたるスーパーヘビーと2段目であり宇宙船部分であるスターシップを組み合わせたもので、組み合わせた状態で全長120mもの。なんでも、牛久の大仏を同じ高さらしい。こんな大きなものが果たして宇宙まで飛んでいくのかと思ってしまう。 スターシップの試験飛行は2023

          驚きのスターシップ試験飛行3回目

          カイロスロケット初号機打ち上げ失敗から感じたこと

          3月13日11時1分、民間宇宙企業スペースワンの開発したカイロスロケット初号機は、空高く舞いあがったように見えた。だが、その5秒後、機体は突然爆発し、四方へ飛び散った。搭載していた衛星を軌道に投入するという目的は達成されず、打ち上げは失敗に終わった。 打ち上げ後、スペースワンが記者会見をし、ロケット自身が何らかの異常を検知して、自律的に爆破スイッチを入れたと報告した。スペースワンには、日本の固体ロケットの製造に長年関わってきて、現在、JAXAと共に固体ロケットのイプシロンS

          カイロスロケット初号機打ち上げ失敗から感じたこと

          SORA-Qについての記事を書いた

          3月に入り、Yahoo!ニュース特集に取材記事が掲載された。 1つ目は小型月面着陸実証機SLIMに搭載されていた変形型月面ロボット(LEV-2:愛称SORA-Q)についての記事。 2024年1月20日にSLIMが日本初の月面着陸を成功させたものの、直後に太陽電池が発電しないトラブルが発生した。その原因をはっきりとした形で示したのがSORA-Qが撮影し、地球に送られてきた画像だった。そこには、月面に逆立ちしたようなSLIMの姿が写っていた。この画像は衝撃的で、宇宙開発の歴史

          SORA-Qについての記事を書いた

          2024年2月まとめ

          今年は閏年ということで、2月はいつもり1日多い29日あった。2月はわりと締め切りが多かったけれど、いつもより1日多い利点を最大限に活かして(?)、何とか乗り切った。去年の後半から、仕事面とかで少し低調なところがあったので、ここから盛り返していけたらいいな。 2月の出来事で印象深いのは、雪とロケットだ。 雪は2月5日に関東で広く雪が降ったこと。この日、僕は午前中に取材があって東京駅の近くにいたが、わりと早い段階で都心でも雪が降り始めた。関東では、この数年の中では多く降ったと思

          2024年2月まとめ

          NewtonにSLIMの記事を書いた

          僕はフリーライターだから、依頼があればいろいろな媒体に記事を書く。それは裏を返せば、依頼がないと書けないことを意味するわけで、特定の媒体をもっていない厳しさも、同時に経験することもある。 でも、先月、月面着陸を成功させた小型月着陸実証機「SLIM」に関しては、何かしらの縁があるようで、科学雑誌「Newton」からもSLIMの記事ついての執筆依頼が来た。記事は2月26日発売の4月号に掲載されている。 SLIMの月面着陸の詳細が発表されたのは1月25日で、この記事はその情報が

          NewtonにSLIMの記事を書いた

          H3ロケット打ち上げ大成功

          今日、2024年2月17日午前9時22分55秒、H3ロケット試験機2号機が種子島宇宙センターの発射台からゆっくりと浮き上がり、轟音と共に空高く上っていった。ロケットはどんどん加速し、すぐに小さくなっていく。 固体ロケットブースター分離、衛星フェアリング分離、第1段エンジン燃焼停止、第1段・第2段分離と、時間経過と共にロケットの運用は着実に進んでいく。打ち上げから5分15秒後、第2段エンジンが点火された。1号機では、ここでエンジンが点火せずに失敗に終わったポイントだ。2号機で

          H3ロケット打ち上げ大成功

          天文ガイド3月号に記事を書きました

          2月5日に発売された天文ガイド3月号に小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸成功の記事を書いた。着陸成功が20日で、雑誌の校了も近かったので、1ページの速報記事として急いでまとめた。 今はインターネットやテレビもあるので、速報性には負けてしまうが、雑誌は形として残りやすいという利点がある。もちろん、雑誌として少しでも新鮮で有益な情報を伝えるという役割もあるが、そのときどきの空気感を時間が経っても伝えられたらいいなと思う。 ちなみに、天文ガイド3月号の表紙はSLIMが着陸し

          天文ガイド3月号に記事を書きました