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[高次脳機能障害]交通事故から49日目:多機能トイレのボタンに怒り出す


複雑なスイッチ・ボタンに混乱

この頃になると、自力で室内のトイレまで歩くことは出来るようになっている。PTの先生が病室まできてストレッチもしてくれるようになっていた。しかし薬漬けでドロドロになるとリハビリにならないと帰って行く。それが本当に悲しかった。

そして見舞客が増える度、意欲はあがっていく。もともと寂しがり屋なため友人に電話をしたかったのだろう。しかし携帯の操作ができない。高次脳機能障害者には、携帯電話はそれはそれは複雑な代物でしかない。まず、通話のボタンが分からない。次に相手の電話番号をかけなくてはならないのだが、それも順番に押すことができない。最後は出来ないことに怒り癇癪を起こし携帯を投げつけるという始末である。

これは多機能トイレでも怒る。どのスイッチを押せば流せるのかがわからないのである。テレビのリモコン、ジュースの自販機、電車の券売機、様々な場面、場所で起こった。わからないことを物や他人のせいにする。自分は悪くない。これも高次脳の特徴であるが付き添いをしている方のストレスたるや筆舌に尽くしがたい。

17年経過した今は、ガラケーは使えるようになった。テレビのリモコンも多機能トイレも問題なく使えている。ただ電車の券売機はダメだ。路線図をみて料金をしらべ、その料金のスイッチを押してチケットを購入するという、複雑な課程をこなすことができないのである。そのため、福祉乗車券で移動できる範囲で父は自力で移動している。

帰宅願望が強い父。一度成功したルートしか使えない。たとえそれが不便で複雑であっても便利なルートに変えることができないため、バスを2本乗り継ぎ地下鉄を2本乗り継ぎ帰ってくる。この執着には本当に恐れ入る。

約束した日程で帰宅してくれるときは、食事やらおやつやら用意し父の居場所も整えて準備してあるのだが、いかんせん、突然帰ってくる。しかも事前に連絡もなく不意打ちで、しかも始発で、これが本当にツライ。





[備忘録]2007年4月26日の記録 

当時のブログより



この日は、

町内会の会長さん方、(事故当時、町内会長をやっていました。)

昔の同僚。

義姉夫妻と、

来客が続き、

とても、嬉しそうでした。

夕方、

再度、

オセロに挑戦。

でも、

碁石のように、

並べていってしまいます。

でも、

ルールはオセロ。

やっぱり、

一回しか、集中できません。

ぐったりしてしまします。

この日は・・・

いつも、個室内のトイレを利用するのですが、

来客が多かった為もあってか、

寝る前、、、

廊下のトイレにいくと、言いだして

ふらふらと歩いていきます。

もちろん、付き添いました。

ーが、

多機能トイレ。

ボタンがたくさんあって、

個室のトイレとは、また違うメーカーだったので、

操作が微妙に異なりました。

そのため、

混乱し、

怒り出し、

こんなに、たくさんボタンがあったら、わからん!!!と

怒鳴って、

殴りつけました。

とにかく、

リモコンも、

ケータイも、

多機能でボタン操作が複雑なものほど、

どう操作していいのかわからなくなってしまいました。

今日も・・・

電話がしたいといって、

私の携帯をかしたのですが、

どうやってかけていのかわからん。

と、

暫く、悪戦苦闘しておりました。